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'95 till Infinity #023

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【 第1章: 2nd Summer of Love of Our Own #015


 すると、帰ってくるなりそそくさとスケボーのビデオをつけてカーペットに座り込んでいたカイロがTVから目もそらさずに言う。

 「ていうかさ、どっちにしろ俺たちはレイブに知ってる奴なんか誰もいないんだから関係なくない?そしたら、ガラガラでもパンパンでも関係ないよ。」

 それを聞いたトーニは調子を取り戻し、俺に何言ってんだかという顔をし、ブラウン管の中のトム・ペニーの動きの一つ一つを見逃さないように見ているカイロを指差して言う。

 「おい、聞いたか?カイロを見てみろよ!

 なっ、だから俺はお前がつまんないっていつも言うんだよ。

 な、結局は誰も知ってる奴がいなくたって、結局のとこは俺らだけで行ってどう楽しむかだよ。そんな行きもしないうちからお前みたいに小さいことをチマチマ心配してもしょうがないんだよ。

 つまんねぇよなぁ、お前は、マジで」

 カイロが自分の代弁者になったかのように喜ぶトーニの態度に俺は軽くムカつき言い返す。

 「うるせーよ、そんな言ってもお前も何時に行けばいいか考えてただろ?

 どうせ何時に行ったらフライヤーくれた女の子に来る気マンマンだったって見破られないかって考えてたくせにさ。」

 そう言われたトーニは自分の考えが読まれた時にいつもそうしたように「うるせぇ」と一言言うとその場を去った。

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書き手 えいきら

イベント映像会社、イベント制作会社、外資系映像機器メーカーを経て、現在東南アジア某国在住。酒は飲むからには呑まれる40歳。

'95 till Infinity ~ 第1章

1990年代西オーストラリア州パースを舞台とする3人に少年の物語。第1章。世界の果ての俺たちの2nd Summer of Love。
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