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取締役は別に偉くない

こんにちは。食べチョク代表の秋元です。

先日、新たに取締役を選任したというリリースを出させていただきました。そんなタイミングであえて「取締役は偉くない」という趣旨でnoteを書きます

多くの方にビビッドガーデンの組織思想が伝えられたらなと思っています。


今回のリリースの内容

まず、リリースを見ていない方も多いと思うのでどんなリリースを出したかのおさらいです。

食べチョクを運営する株式会社ビビッドガーデンは2月1日、さらなる事業拡大とガバナンス強化のために経営体制を新たにしました。これまでの私の一人取締役の体制から脱却し、新たに2名の取締役+1名の監査役を選任しています。

<新経営体制>
・代表取締役社長 秋元里奈
・取締役 山下麻亜子(新任)
・取締役 松浦悠介(新任)
・監査役 高原明子(新任)


▼プレスリリース


このような心強いメンバーが新たに経営に加わってくれることは純粋にとても嬉しいです。一方で、肩書はあくまで“役割”です。私含め今回新たに加わった経営陣の中では「取締役だから偉い」とか「昇格した」という気持ちは一切ありません。

二人の所信表明noteでも、私がチーム全体へ告知をした際にも、しつこいくらい何度も「役職や肩書きはあくまで“役割”である」と言い続けています。


▼松浦の所信表明note

▼山下の所信表明note

▼私がチーム宛に送ったメッセージ(※一部メンバーには口頭で事前説明があった上で、業務委託の方も含む全体のslackで流した文章)

slack文章


役職は諸刃の剣である

役職に対して皆さんはどういう印象を持っているでしょうか?

わかりやすい肩書があると対外的な信用を得やすくなってビジネスが進めやすくなったり、社内でも役割が明確になるなどポジティブな面はたくさんあります。一方で肩書きと実際の役割が違っていたり、期待値がずれていたりすると、最終的に組織崩壊、みんなが不幸になるリスクもあります。

創業したてでよくあるのは、能力や期待が見合っていないのにひとまず仮で役職をつけてしまうことです。これは本当に危険です。たとえ最初は「役職なんていらない」「肩書きなんて気にしない」と言っていた人でも、ひとたび「役職=実力と期待値のギャップを埋めるもの」となってしまうと、役職が外れること=自分の評価が下がることとなってしまい、気付いたら肩書きに固執するようになってしまうことも。後々大きな問題に発展することがしばしばあります。

しかしこの問題はその本人の責任ではありません。その瞬間の快適さを優先させて、実態以上の役割を与えたり適切に期待値を伝えられなかった経営者側の責任だと私は考えています。ですので、役職をつけるときに私は一番神経を使います。役職を付ける際にはリスクも踏まえた上で本人と長期的・短期的な期待値のすり合わせをしっかり行っています。

また、「肩書きはあくまで役割」というのは、肩書きがついている人が意識するべきマインドセットですが、それを前提としてメンバーとコミュニケーションを取ってはいけません。社外からは役員=偉い人と見られがちなのは事実ですし、社内でも個々人のキャリアバックグラウンドは異なるので「どうしても肩書きを気にしてしまう…」という人もいるはずだからです。

そんな中で2つのことを意識しています。1つはこういった役職への考え方を積極的に何度も何度もしつこく発信すること。繰り返すことで、役職への先入観をゼロにはできませんが減らすことはできると考えています。そしてもう1つは人事制度などにも思想をしっかり反映することです。例えばストックオプションの設計において、役職に応じた傾斜などはかけないようにしています。スペシャリストとして優秀な人材も、マネジメントとして優秀な人材も、同じ土俵で平等に評価されるべきという考え方で設計をしています(この辺りまだ探り探りですので、ぜひいろんな会社の方とディスカッションさせてもらえたら嬉しいです!)。


最も重要なのは「一緒に成長できるかどうか」

「肩書きは状況に応じて柔軟に変えていくべき」という考えは、もちろん代表取締役である私自身にも当てはまります。もしも万が一、私以上の適任者、つまり代表取締役になることで私以上に事業成長に貢献できる=生産者に貢献できる人が現れたとしたら、その時は柔軟に肩書きを変更するべきでしょう。しかし私の個人的な気持ちとして、今後もずっと自分が代表取締役としてビビッドガーデンの経営を担っていきたいという思いがあります。だからこそ私自身は常に経営者としてアップデートを続けなければいけないですし、誰から見ても私が代表取締役としてふさわしい人間であるという状態を維持できるように努力しないといけません

そういった意味で、今回の取締役選任にあたって重要視したのは「一緒に成長できる人かどうか」という点です

経歴が素晴らしい人はたくさんいます。もちろん経歴やスキルがあることはすごいことなのですが、これからさらなる拡大を目指すスタートアップにおいて最も大切なのは「ここから先に立ちはだかる誰も登ったことのない山に一緒に挑戦していけるパートナーかどうか」という点です。たとえどんなに素晴らしい経歴があっても、同じ道を歩んだことがある人は誰一人としていないはずです。私自身もまだまだ経営者として不完全であり、日々成長が求められています。今の自分に満足せずにともに成長していける人を探していました。

新たに取締役に就任した山下と松浦はまさに成長において貪欲で、小さなことでも吸収していく姿勢を持っています。この経営メンバーであればこれから目指す未知の山にも全速力で登っていけると確信し、今回の役員人事を決定しました。


山下・松浦の紹介と期待

今回取締役になった2名のメンバーについても改めて紹介をさせてください。

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山下はコンサルティングファーム・マッキンゼーを経て、昨年2020年6月にビビッドガーデンに入社。半年ほどCxO候補を探し続けていた中で、知人の紹介で出会いました。

コンサル出身者の方は地頭がよく世間一般でいう“優秀”な方が多いですが、スタートアップの初期フェーズでは合う人/合わない人が明確に分かれると思っています。事業の勝ち筋が見え切れていないシード・アーリーフェーズではロジックだけではなく根性と泥臭さ、アート(感性)が大事になるからです。

そんなこともあり「マッキンゼーだから」というのは採用における判断材料にはしていませんでした。むしろ「ちゃんとこのフェーズのスタートアップにおいて現場感覚を持って仕事ができる人なんだろうか」をしっかり見極めなければと思っていました。しかし山下と面談を重ねていくで、スタートアップへの理解と泥臭くコトに向かえるマインド、周りの共感を得て巻き込む力などをひしひしと感じました。そしてこの人とだったら「一緒に成長していける」と確信し、山下へ熱烈なオファーを出すことになります。

入社してからは動き始めていた6億円の資金調達プロジェクトに加わってもらい、1ヶ月ほどでキャッチアップを完了。最後は事業計画策定含め主体的に進めてくれました。また持ち前のコミュニケーションスキルも相まってメンバーからの信頼もいち早く獲得。今は事業戦略からコーポレート部門の統括まで行なっています。入社して半年という短さではありますが一緒に成長していこうとする姿勢とそして周りのメンバーからの厚い信頼をもってこのタイミングで取締役に入ってもらうことを決めました。

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松浦とは2017年の11月にビビッドガーデンにインターンとして入社したのが最初の出会いです。知人の紹介でランチを食べた松浦は、学生時代からずっと農業に関わるコミュニティに所属していて、私に負けず劣らずの農業への情熱を持っていました。また私と持っている課題感がとても似ており、そのタイミングで意気投合。その場ですぐにインターンとして参加してもらうことになりました。新卒では外資系IT企業に入社をしたものの、やはり農業が抱える課題解決に向けてチャレンジをしたいという意気込みを伝えてくれて、2018年10月に正式に社員として入社します。

現在25歳。一見若く思われるかもしれませんが、間違いなくこれまでのビビッドガーデンの事業成長を牽引してきた1人です。社内外のメンバーからの信頼も非常に厚く、彼を“25歳の若手”とみているメンバーは皆無。1人の経験を積んだビジネスマンとして関係者みんなが信頼をしています。

勉強熱心で新しいことにも積極的にチャレンジできることが一番の強み。マーケティングという初めての領域においても、インプットとアウトプットを高速で行いながら、目まぐるしいスピードで成長していきました。記憶に新しいのは去年のテレビ CMです。経験がなかった中で、テレビ CMという一台プロジェクトの全体指揮を担当。チーム全体を牽引して産直ECでNo1の規模へと大きく事業を成長させました。詳細は彼のnoteを是非読んでください。

これだけ実績を残してきた彼が取締役になることに異論を唱える人はいないでしょう。松浦も、山下同様に「共に成長できる人材」だと思っています。彼にとって経営は新たな挑戦となりますが、どんどん吸収をして期待以上の成果を出してくれるはずです。


最後に

ビビッドガーデンはまだまだ成長フェーズのスタートアップです。社員数は20名、アルバイト含む従業員数は40名ほど。経営と執行を分離するほどの規模ではないので、引き続き経営をしながら日々の執行業務にも携わっていきます。

本noteは「取締役は偉くない」というタイトルをつけさせていただきましたが、この記事を読んでビビッドガーデンの組織思想が少しでも多くの方に伝わると嬉しく思います。

私達は求められる「経営」の“役割”を全うしながら、他の社員や関係者と一丸となってこれからも「生産者のこだわりが正当に評価される世界」を目指して参ります。

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(監査役の高原さんにはガバナンス強化に向けてビジバシご指導いただきます。よろしくお願いいたします!)


◎採用情報

株式会社ビビッドガーデンは全方位で採用を強化しています。興味のある方は以下よりご応募ください。

■採用強化中の職種一覧
・CFO/管理部長
・エンジニア(iOS、Android、Web)
・デザイナー
・カスタマーサポート
・生産者サクセス
・長期インターン

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◎本を出します

2月18日に初の著書「365日 #Tシャツ起業家 」を出版します。日銀や東証など政府系金融機関を目指していた“超”安定志向の私が、農業の領域で起業し食べチョクを成長させてきた軌跡について綴った一冊です。ぜひこちらも多くの方に読んでいただけたら嬉しいです(現在予約受付中です!)。


◎毎日Clubhouse配信中です

今話題の音声SNS「Clubhouse」にて、現在『農家漁師の井戸端会議 #食べチョクハウス 』を毎日配信です。生産現場の実情や各地域の特性、旬の食材や美味しい食べ方などを生産者さんとともに配信しているので、ぜひ聴いてもらえたら嬉しいです!

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▼直近の配信日程(2/3 8:00更新版)
2月3日(水) 20:30〜
2月4日(木) 20:30〜
2月5日(金) 20:00〜

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