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people analytics tokyo #1 Networkが刺激的だった。

6/28(金)にpeople analytics tokyo #1 Networkに参加してきました。すべてのtalkが興味深かったのですが、いくつかポイントを絞って内容を書き留めておきます。

大成弘子さん「感謝ネットワークからみる組織コミュニケーションの形」

ピアボーナスのログを分析したというお話で、エンゲージメントが高い社員は「具体的に褒める理由を示す」とか「人によって褒め方をカスタマイズする」という学びがありました、という内容。
これだけでも聞く価値アリのお話でしたが、それ以上に刺さった内容がありました。

人事とは社員を幸福にする仕事

人事の仕事って一言で表すのは結構難しいよなと思っていたのですが、答えはシンプルでした。「会社の利益を最大化する」とか「組織を維持できるように代謝させる」などといった高い視座の定義ではなく、あえて等身大の、よりシンプルで、より計測可能性が高い定義だと感じました。そして、

幸福は一貫して小さな幸福をやり続けることが大事
宝くじが当たるより、毎日ご飯が美味しいと感じるほうが幸福

人事は残念ながら、一過性の幸福を与えがちです。優秀な社員には高い評価を与え、高い給料を払う。そして昇進させ、マネージャーの道を用意する。これよりも、承認・称賛が見える仕組みを作ったり、心理的安全性が高い環境を用意するなど、継続性のある幸福を与えるほうが、人事としてベターな仕事だということです。多くの大企業にとって、これはショッキングな現実だと思います。人事のあり方に一石を投じる内容でした。

鹿内学さん「会社で集まる意味あんの?」

エキセントリックなタイトル。ヒトが集まっているのに一人の天才に勝てないんじゃ意味ないよね、というのは全くその通りです。

では、どうしたら群衆の知恵が機能する組織を作れるのか?
それは、組織の社会的感受性が高いと機能しやすいとのこと。事例はこの記事で紹介されているものです。で、社会的感受性という言葉について、資料中では「チームに女性が多い」「みんなが発言する」こととして定義されているのですが、これは少し違うようです。社会的感受性というのは心理学用語で、こちらのサイトでは

社会的なコミュニケーションの中で、相手のcues(シグナル、合図)や文脈を理解することができ、同時に他者を社会的に尊重することができる能力を表します。 ※拙訳

とのこと。上記の資料中で引用されている論文にもこう記載がありました。

... the average social sensitivity of group members, as measured by the “Reading the Mind in the Eyes” test ...

目で心情を読み取るテストで計測可能な社会的感受性、という文脈で語られています。つまり、社会的感受性は集団の持つパラメータではなく、個人が持つパラメータである。それが高いヒトが集まっている集団は、群衆の知恵が働きやすいということです。なるほど、こちらも心理的安全性の話に近づいてきました。「みんなが発言する」組織では群衆の知恵が働きやすい、というのは、結局正しいのかもしれません。

発表はこんなメッセージで締めくくられていました。

データサイエンティストの方に
分析してるヒトは楽しいけど、分析される方は楽しくないね。

永く心に留めておきたいメッセージでした。

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