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その日、私たちは確かに魔法の箱の中にいた【GEMSCOMPANY MagicBoxレポ】

 こんばんそーい🍀 ジェムカンおじさんこと秋さんです。

 今回はGEMSCOMPANY1stLIVE【MagicBox】の全5公演に行ってきた話をしたいと思います。
 技術的な話などは他の方がレポ記事にしてくださっていますので、この記事では全5公演を通して感じた『成長』について書きたいと思います。

MagicBoxとは?

 GEMSCOMPANY(ジェムカン)と呼ばれるバーチャルアイドルグループによる【MagicBox】と銘打たれた初のワンマンライブ。
 6月28~30日の3日間、計5公演が行われました。
 場所はDMM VRシアター横浜。会場は350席ほどの箱になります。
 今まではディアステージの先輩を招いたリアイベやニコニコ超会議でのライブなども出演していましたが、初のワンマンライブということでジェムカンによるジェムカンの為のジェムカン尽くしの3日間となりました。

GEMSCOMPANY(ジェムカン)とは一体何なのかという方はこちらを一読ください。

 個別にYouTubeで活動していた11人がGEMSCOMPANYというグループに合流していき、追加オーディションで加わった最後のメンバーを加えて12人で駆け抜けてきた彼女達。


 ジェムカンとして結成後、まだ1年経っていない彼女達が他のグループの力に頼ることなく5公演を行うとなり、それが紆余曲折ありながらも満席になったことも話題になりました。
 全5公演を全通した秋さんによる感想となりますが、一言で言うなら
「私たちはあの光景を絶対に忘れない」です。

伝説のはじまりはイレギュラーだらけ


 MagicBoxに合わせて台風3号が東京に接近するというイレギュラー中のイレギュラーが発生しましたが、奈日抽ねねによるメンバー12人分のてるてる坊主の作成が功を奏したのか台風は昼過ぎには日本海へ去っていき、当日は快晴!


 当日の物販では在庫をしっかり用意していたはずのブロマイドが売り切れる騒ぎも。
 それはそうとジェムファンによって入り口に設置されたユニットイメージのフラスタもそれはもう素敵なものでした。


 物販もそこそこに会場内へ。
 会場注意のアナウンスと前説が終わり、いよいよ始まるMagicBox。
 そして、画面に流れていくメッセージ

「見つけてくれてありがとう」

「目を離さないでいてくれてありがとう」

「あなたたちと一緒に過ごす」

「今日も大事な、1ページ」

 もうこの段階で大粒の涙が溢れ出す。周りを見渡すと昔から応援しているファンなどは同様に号泣していました。
 このコンテンツが溢れる世界でジェムカンに出会って、応援し続けてきた期間だけこの言葉の重みが増していたのです。

緊張と祈りにつつまれたMCうたひな


 全5公演のうち、唯一平日の夜に開催となった初日公演「MCうたひな」。
 「珠音うた」と「星菜日向夏」の二人からなるユニット「うたひな」は配信がある度に言ってきました。
「GEMSCOMPANYの伝説になるというけど、初日のうたひなの日から見ないと伝説を見たとは言えないよ」と。


 唯一の平日の公演ということもあり、最後までチケットの販売が難航した回でもありましたが、しかし無事に全チケット完売となり28日を迎えました。
 いざカウントダウンが始まり、スタートはニコニコ超会議で大好評を博した全員曲「JAM GEM JUMP!!!」


 暗転しているステージに現れるメンバー達にまずは目を奪われます。
 全員がそこに並んでいて、間違いなくそこに存在していたんです。
 その事実だけで秋さんの全身に鳥肌が立ちます。

 そしてJGJの歌い出しはいつだって先陣を切って歌ってきた珠音うたちゃん。しかし誰もが想像していなかった衝撃の事態が襲いかかってきます。
「あのうたちゃんが歌声を出せていない…!?」
 自分のパートを声が掠れながらもなんとか乗り切りましたが、最初にあのうたちゃんが見せた歌声にメンバー全員のとてつもない緊張感が伝わってきます。

 考えてみれば当然で初めてのワンマンライブ、初めてのVRシアターという環境、初日というプレッシャー。
 彼女達はこの日の為にレッスンを積み重ねて、私たちジェムファンには「必ず最高のライブにするから来てほしい」と言い続けてきました。
 緊張しないほうがおかしいのです。

 各ユニット曲も始まりますが、やっぱりどこかが噛み合いません。私たちに出来ることと言えば祈るように、彼女たちの気持ちを支えるように、ただただ懸命に応援の声を出すことだけでした。
 特に苦しそうだったのが「水科葵」と「桃丸ねくと」によるユニットfulfillの楽曲『形而境界のモノローグ』。
 特に難しい曲ではあるのですが、ねくとちゃんが声をうまく出すことが出来ず、それでも歌いきろうと懸命に体の中から歌を捻り出しているように感じました。
 私たちもただただ頑張れと胸の中で願いながら彼女たちを応援し続けます。

 そういう場面で1歩前に出てきたのが群馬が生んだ歌姫、ポン姉こと音羽雫ちゃんでした。
 普段はメンバーとの音の調和を優先する雫ちゃんがこの時ばかりはむしろ歌声でメンバーをグイグイ引っ張りあげていきます。それに続けと言わんばかりに他のメンバーも調子を少しずつ戻していきました。

 そして合間に行われるMCの時間でうーたまの天然っぷりに振り回されながら完璧な体内時計を見せつけるひなちゃんに大歓声。ジェムファンと共に少しずつうたひなの緊張は解けていきます。
 そんな中、突如として繰り出してきたうたひなのカバーソング「残酷な天使のテーゼ」で会場一同騒然。もちろんダンスはあのYumiko先生直伝ですし、歌も二人にマッチしていて素敵でとにかく見どころしかなかったです。
 そうこうしてる間になんとか無事に全種目をこなした彼女達。アンコール曲は全員ユニット衣装によるJGJ。この頃にはかなり緊張も解けてきたのか涙と歓声に包まれた盛大なフィナーレを迎えて大円団に終わりました。

全員復活のMC ERINGIBEAM.

 そして次の日の公演、自身を雨女と公言する「奈日抽ねね」とセクシーに見せかけた可愛いお姉さん「有栖川レイカ」が担当するMC ERINGIBEAM.回。
 どうやらてるてる坊主の加護は台風を防ぐことのみだったらしく、前説おじさんことよーすぴパパにも雨女をいじられるなにぬ。会場はホンワカしたムードになっていました。
 そんな空気から何が始まるのかと思いきや、初手からERINGIBEAM.はいきなりのカバーソング「Godknows」をキレッキレに踊り出し、ジェムファンのテンションはいきなり最高潮に。

 そして何より1番の感動は「初日に不調だったメンバー全員が立て直してきた」ということです。
 たった半日、この短い時間で全員がMVと同等か、それ以上のクオリティで歌えるように仕上げてきたのです。
  公式さんのTwitterで「みんな反省していました、ちゃんと出来ていたのに」とは言っていましたが、まさかここまでの復活を果たすとは思っていませんでした。


 緊張したりプレッシャーに負けそうになったりしても、再び立ち上がる。そんな彼女達の勇姿に心の底から尊敬の念の送らずにはいられません。

 何よりcitrossのメッセージが凄かった。初日のポン姉がリードするメッセージではなくユニット3人が綺麗に足並み揃えてぶつけてきたバラードはまさしく圧巻。存在感が圧倒的に違います。

 そして形而境界のモノローグ、桃丸ねくとの大復活!
  二人揃ったfulfillは最強です!

 MCはレイカ様が話して奈日抽がリアクションを取る二人のバランスも良さも見どころでした。
 あっという間に過ぎていく時間。ERINGIBEAM.回は体感時間が一番短かったように思えます。
 そして最初の頃には自分の歌なんて、と言っていた奈日抽ねねがMagicBoxを通して観客席を煽るほどの成長を見せます。

 二人のアイドルとしての才能がここ横浜で開花したように思えました。

進化するスピードが止まらないMC citross


 その後の公演でもコールに慣れてきた全通組を中心に会場は盛り上がりを見せながら、メンバー達はめきめきと公演の中で進化と成長を続けていくのです。
 清楚枠としての成長を続けている「長谷みこと」うーたまの厄介オタクとなりつつある「城乃柚希」歌姫兼フリースロードラゴン枠「音羽雫」の3人組ユニットcitrossが担当するMCcitrossの回では、各ジェムカンメンバーが「私たちはまだまだこんなもんじゃない!」と言わんばかりの圧巻のパフォーマンス、また客席が最高に盛り上がる煽りをどんどん入れてきます。
 元々それだけのものを仕上げてきたのか、公演の中で急成長を果たしたのかは私たちでは分かりませんが、当然それだけのクオリティをぶつけられた私たちジェムファンのボルテージも上がりっぱなしです。
 そんな中取り出したカバーソングは先輩であるでんぱ組さんの曲『Future Diver』。普段はバラードをしっとりと歌っていた彼女達が動く! とにかく動きまわる! 見ていてすごく楽しい!
 それに暴れ回る個性が集められた地獄のユニットcitrossのMCということもあり、後にも先にもみんなであれだけ爆笑しながら楽しんだのはcitrossならではかなと思います。
 本当にこのユニットからあんな美しいバラードが流れてくるとは思えません。最高です。

大人だからこそ夢を見るMC MATULIP

 マチュリップのメンバーは「赤羽ユキノ」「一文字マヤ」「花菱撫子」の大人組と呼ばれるしっかり者の3人組ユニット。
 シトロスとは違う方向性での個性たっぷりな3人だからこそ展開されるトークを現すなら、まさしく安定感。
 撫子さんが無理難題をふっかけ、ユキノくんが独自の世界観で回答して、常識人のマヤたそがリアクションを取ってくれるのでずっと見ていられる。ジェムカン界の笑っていいともと言っても過言ではない時間が過ぎていきます。
 しかし、彼女達のそんな姿は仮の姿。ユニット楽曲『DESIGNED LOVE』に入るとガラリと雰囲気が代わり、先ほどまで和気あいあいとトークをしていた3人は消え、そこにはセクシーでキュートな大人の女性がステージに立っていました。艶めかしさと可愛さを織り交ぜたDESIGNED LOVEを生で見られるとか最高すぎます!
 そんな3人が披露したカバー曲は「キャッツアイ」。度々やりたいとは言っていましたが、ユニット衣装と合わせて踊られる妖艶なダンス(特にダンスが苦手だった撫子さんが見せた想像以上のダンスのキレ)に会場は大爆発。
 最後に見せた挨拶ではユキノくんではない、アイドルとしての赤羽ユキノの登場でジェムファン一同号泣。そして残るマヤたそと撫さんの秘めたる想いと苦悩を感じてジェムファンはエモーションの彼方へ行ってしまいました。

MagicBoxに関わった全員が涙を流したMCfulfill

 そして遂に迎えた千穐楽。
 歌と納豆にケチャップを愛する猫耳女みずしーこと「水科葵」と笑って泣いて感情や色んなものが豊かな女「桃丸ねくと」のユニットMC fulfillの時間。

 泣いても笑ってもMagicBoxの最終公演。

 それまで高まってきていた感情が異様な雰囲気となって会場全体を包み込んでいました。

 連日参加の秋さんもサイリウムを振る腕が上がらなくなるくらいには疲労がたまっていましたが、それでも同様に参加しているジェムファンの目はギラついていたように思えます。
 3日間の進化の集大成を見せつけんと言わんばかりに各ユニットのパフォーマンスは各公演の中でも1番だったと確信しています。勿論、その全てに応えてジェムファンは熱狂します。

 しかし別の緊張も会場を包み込んでいました。それはジェムファンが言い出した企画「オマフレの落ちサビでUOを掲げて夕日を見せよう」というものと「鮮紅の花で水色からサビ前で一気に赤色に変えよう」というもの。
 それまでの公演ではキンブレの色が既にオレンジだったり赤色だったりもしたので気づいてもらえるのか、またみんなでいきなりそんなことができるのかといった不安もありましたが、鮮紅の花では初日から続く赤色ではなくみんなが最初からミズシアン(水色)を掲げており、サビ前のタイミングになって銃声と共に一気に赤色のサイリウムに変えました。
 楽曲が終わると同時にみずしーから感動したというコメントを貰って手応えを感じるジェムファン。

 続いて流れてくるオマフレで落ちサビになった瞬間、先ほどでコツを掴んだのか一斉に配布されていたUO(ウルトラオレンジ)を掲げる。
 うたちゃんはその光景を見ながらも必死に堪えてプロ根性で歌いきるも、
実はしっかり者として知られているひなちゃんが歌おうと顔を上げると『午後8時のVRシアターで見えた夕日』に言葉を詰まらせながら涙ぐみました。

 そしてそのひなちゃんの涙に会場のジェムファン全員の感情が極まり大号泣。

 続く形而境界のモノローグでは5公演中最大レベルのコールが大発生。
 それに対して叫ぶ「ラストォッ!!!」という言葉に私達は喉を枯らしながら叫び続けます。
 曲が終わろうとも鳴り止まぬ大アンコールの声。誰一人手を抜かずただひたすらにアンコールと叫び続けます。
 そしてジェムファンはメンバー全員と一緒にアンコール曲であるライブ仕様のフィナーレJGJに熱い想いを乗せて全力のコールをします。

 ファンが枯れた喉など関係なく全力で叫ぶ!
 アイドルも音程など関係なく全力で叫ぶ!
 
 秋さんは全ての公演で泣いてはいましたが、この時ばかりはずっと流れ出る涙を拭う時間すら惜しみながら叫び続けていました。この最後の時間を噛みしめる為に。

 最後の各メンバー名乗りで声を出せない柚希ちゃん、その後の歌で「なんとなくじゃなくて、これでなくちゃダメな……」と歌う場面で撫子さんがまさかの涙声になっており、そして最年少の完璧主義者である長谷みことちゃんがその直後泣き崩れました。
 この瞬間、会場のジェムファン、メンバー、運営スタッフ、そしてあの齊藤陽介Pすらが大号泣。
 
 本当の意味でフィナーレに相応しいJAMGEMJUMP!!!が終わり、メンバー全員が舞台で一礼。手が真っ赤になろうとも気にせず会場が割れんばかりの拍手が送られます。
 舞台袖にはけていくメンバー、流れる終わりのアナウンス。
 それまでの公演では終わると同時に帰る準備をしていたのに、今回に限っては誰もが席を離れない。ずっと拍手を送り続けます。

 そして誰もいない舞台に向かって観客席から叫ばれるのはたった一つの言葉でした。
 このMagicBoxという空間に対して全員が同じ一言を叫び続けました。

 「ありがとう!!!」

 他にも言いたい事はたくさんあったはずなのに、観客から出てくるのはただただ感謝の言葉でした。
 MagicBoxという名の1stLiveの大成功を物語っていたように思えます。


私達がMagicBoxを開けて、そこに見えたのは…

 1日目『MC うたひな』
 2日目『MC ERINGIBEAM.』『MC citross』
 3日目『MC MATULIP』『MC fulfill』
 その全ての公演にドラマがあり、ジェムカンメンバーやジェムファン、運営スタッフ側と共に駆け抜けた3日間でした。
 また多くの方がMagicBoxの感想で「まるでそこにいるように感じる魔法」と言う名の技術力を絶賛していました。触れた人にそう感じてもらえる為に運営側も一生懸命作り上げてきた事もひしひしと感じました。

 だからこそ秋さんはそれだけじゃないと、声を大にして言わせてほしい。
 この3日間こそは『魔法の箱の中でGEMSCOMPANYに関わった全員の成長の物語』であったと。

 初日のプレッシャーと緊張、それをわずか1日で立て直すメンバーの尋常ではない努力。
 アイドルライブなんて初めてのジェムファン達が回を重ねるごとにどんどんその声量を増していく大合唱のコール。


 GEMSCOMPANYだけではダメだった。
 ジェムファンだけでもダメだった。
 会場にいた全員が流した涙や声を枯らして叫んだあの瞬間。
 暗い会場に燦然と輝くサイリウムの光の海。
 みんなが一緒になってMagicBoxの成功に向かい走り続けた3日間。

 間違いなく、私たちは魔法にかけられたように。

 あの一瞬、あの光景を忘れる事なんて出来ません。
 
 MagicBoxは終わりの時を告げ、かけられていた魔法はとけました。
 まだまだ彼女達はこれからも全力で夢に向かって走り続けていきます。

 今こそ胸を張って言おう。
 GEMSCOMPANYは、いいぞ。


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