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秋田県大潟村の野鳥 冬の鳥編

こんにちは、大潟村地域おこし協力隊のよっしーこと畠山佳枝です。
大潟村の野鳥を4コマ漫画で紹介する「とりっこフレンズ」を運営しています。
大潟村は年間を通して270種もの野鳥が観察できます。
干拓地という独自な環境をもつ、まるで北海道のような田畑が広がるすばらしい村です。
今回は、今大潟村で見られる冬の野鳥をご紹介します。


ガン

ガンは色々な種類がいて、人気もののハクガンをはじめ、マガン、ヒシクイ、シジュウカラガンの主に4種類のガンが見られます。
加えて、めったに見られませんが、カリガネやサカツラガンなどもいるかもしれません。

ハクガン、シジュウカラガン、ヒシクイは絶滅危惧種で、マガンは準絶滅危惧種です。
マガンとヒシクイは国の天然記念物にも指定されています。

マガンとヒシクイ
ハクガン
ハクガンとヒシクイがいるところへ合流するシジュウカラガン

ガンはかつて日本ではどこでも見られる水鳥でしたが、様々な人間活動によって数が激減してしまいました。
しかし、1971年から狩猟の禁止やさまざまな保護活動などにより数が回復してきています。
大潟村は、大切な中継地、越冬地になっています。

ハクチョウ

オオハクチョウとコハクチョウがいて、くちばしの黄色い部分の大きさとからだの大きさの違いで見分けることができます。
黄色い部分が大きいのがオオハクチョウ、小さいのがコハクチョウです。

オオハクチョウ(全長約140cm)
日本の鳥のなかで一番重く成鳥の体重は10Kgほどもあります。
首が長く、くちばしの黄色い部分が大きいのが特徴です。
「コホーコホー」と鳴きます。

オオハクチョウ(全長約140cm)

大潟村では、コハクチョウよりオオハクチョウが多く、昼間は田んぼで落穂を食べたり、休息する姿をみることができます。

コハクチョウ(全長約120cm)
オオハクチョウに比べからだは少し小さく、くちばしは太くて短く、黄色い部分が小さいのが特徴です。
「コホッコホッ」と鳴きます。

コハクチョウ(全長約120cm)

オオハクチョウよりも南の地方で越冬する傾向があります。
昼間は、田んぼなどで群れや家族で過ごし、日が暮れると承水路や沼などで休みます。

ハクチョウは大潟村の村の鳥で、大潟村の商店街のモニュメントにもなっています。

カモ

色々な種類のカモを残存湖、池、承水路などで見ることができます。
車を横付けするだけで、サーと遠ざかってしまうので、草陰から驚かさないように観察するのがコツです。

4種類の特徴的なカモをピックアップして、ご紹介します。
マガモ(全長約59cm)
オスの頭は緑で、くちばしは黄色、メスは全体に茶色い見た目です。
全国どこでも見られるカモの代表とも言える水鳥です。
「グェー、グェー」と鳴きます。

ミコアイサ(全長約42cm)
白と黒のパンダのような見た目がオスで、ほっぺからむねまでが白く頭とからだが茶色いのがメスです。
「アイサ」とはカモ目カモ科アイサ属に属する鳥の総称で、美しくて小さなアイサなので、ミコアイサと名付けられたそうです。
愛称は「パンダガモ」。
漢字では、巫女秋沙、神子秋沙と書きます。

コガモ(全長約38cm)
日本で見られるカモの中では一番小さなカモです。
オスは頭が茶色く、目の周りが緑色で緑のめがねをかけているような見た目で、メスは全体に茶色いです。
秋早々に北から渡ってきて、春遅くに北へ帰ります。
秋の水路では夏鳥のツバメと一緒に見られましたよ。

ホオジロガモ(全長約47cm)
頭が深い緑色、くちばしの根元に白い斑点があるのがオスです。
頭が大きくおにぎりのような形をして通称「おにぎりガモ」とも呼ばれています。
潜水して小魚やエビや水草の種子などを食べます。

オオワシ・オジロワシ

オオワシ
カラフト北部やオホーツク海沿岸などで繁殖し、冬に越冬のため主に北海道で見られますが、少数が本州にも渡ってきます。
絶滅危惧種に指定されています。
オス全長約88cm、メス全長約102cm。
魚が大好きな、日本で一番大きなワシです。

11月中頃に遠くに見えたオオワシ

オジロワシ
北海道東部や北部で繁殖し、冬は主に北東北に渡ってきます。
絶滅危惧種に指定されています。
尾羽が白いのが特徴です。
オスは全長約80cm、メスは全長約95cm。
魚やカモなどを食べます。
承水路近辺で見られることが多いです。

一部凍った水路にたたずむオジロワシ

冬の小鳥

ベニマシコ、ツグミ、ヒレンジャク、ウソ、ミソサザイ、ヒガラなど、渡り鳥の冬鳥や山から低地に渡ってきた小鳥を見ることができます。

ヒレンジャク

ヒレンジャクは、冬鳥として西南日本に多く渡ってきます。
「チリチリチリ」と鳴きます。
赤い木の実やヤドリギの実が大好きです。
ヤドリギを見つけておくと、冬にレンジャク類(ヒレンジャク・キレンジャク)に会えるかもしれません。

ヒガラ

紅葉をバックに生態系公園で会えたヒガラ

ヒガラはシジュウカラなどのカラ類の仲間で、一番からだが小さく、頭頂部のとんがり頭が特徴でシジュウカラの様な胸のネクタイはありません。
冬になると、シジュウカラやコガラ、コゲラ、エナガなどで混群をつくり一緒に行動することが多くなります。

ウソ

水路脇の藪で草の種を食べるウソ(オス)

ウソは繁殖期は亜高山地帯で過ごし、秋冬になると平地へわたってきます。ウソという名前は日本の古語で「口笛」という意味からついたそうです。
口笛(のような鳴き声)が聞こえたら、ウソが近くにいるかもしれませんね。

年間を通じて見られる鳥

チュウヒ。羽をV字に飛ぶ

チュウヒ、カンムリカイツブリ、アカゲラ、シジュウカラ、カルガモ、ハシボソカラス、スズメ、キジなどを1年中見ることができます。
ただ積雪量によっては餌をとることができず、南下する種類もいます。
夏羽が冬羽に衣替えしたり、幼鳥が大人の装いに変身する姿が見られたり、冬は群れて行動するなど生活スタイルも違う様子を観察できます。

くびを縮めて休むカンムリカイツブリ

野鳥の観察&撮影はマナーを守って楽しもう!

野鳥観察や撮影時には、鳥や人、環境などへの配慮を忘れずに、下記のマナーを守って楽しみましょう。
●生息地の保護のためごみは持ち帰る
●田んぼや畑などの私有地には入らない
●鳥の生息地を明かさないことで、適度な観光。狩猟や密猟から鳥を守る
●鳥を観察、撮影するときには、近づきすぎず、張り付かず、追いかけ回さないようにする
(ハクチョウやガンが首を延ばしている様子は、警戒しているサインです。それ以上近づかないようにします。特にガンは警戒心が強いため、十分な距離を保ち、車の中から観察しましょう。)
●プライバシーを尊重する。人家などにカメラを向けないようにする
●SNSに投稿するときは、鳥を守るためリアルタイムは避け、希少種、絶滅危惧種、珍鳥の扱いには十分注意を払う
●間違った情報の拡散を避ける
●暗くなってから観察する際は、鳥を驚かさないようライトや照明は控える
など。
雪の状況にもよりますが、2月中旬から2月末にかけて北へ帰る冬鳥が大潟村を中継し帰ります。
ピーク時には、多くの種類の冬鳥を観察できることでしょう。
鳥や環境、地元に住む人、田畑などにも配慮した行動で、野鳥観察を楽しんでいただきたいと思います。

とりっこフレンズ情報

最新の4コマ漫画を2つご紹介します。

一富士二鷹三茄子
初夢で見ると縁起がいい夢です。
富士山は、「不死」「無事」、茄子はものごとを「成す」という意味があります。
タカは生態系の頂点に立つ野鳥で、「高い」という意味があります。
でも、カモにとってタカは天敵なので、夢にもでてほしくない相手かもしれませんね。

野球チーム名には鳥の名前がつかわれています。
野球やスポーツのチーム名には、鳥の名前が採用されていることが多いです。
「東北楽天ゴールデンイーグルス」はイヌワシ、
「東京ヤクルトスワローズ」はツバメ。(キャラクターの「つば九郎」も有名ですね)
「福岡ソフトバンクホークス」はタカ。
メジャーリーグでも3チームあり
「セントルイス・カージナルス」はコウカンチョウ、
「トロント・ブルージェイズ 」はアオカケス、
「ボルチモア・オリオールズ」はボルチモアムクドリモドキ。
野球と鳥のイメージが合致することが多いのかもしれませんね。
とりっこフレンズSNSとHP
『とりっこフレンズ』秋田県大潟村の干拓地でみられる鳥たちを4コマ漫画などで紹介しています。
大潟村は、年間を通して約270種の鳥を観察できる野鳥の楽園です。
季節の鳥や風景なども写真や動画でも掲載しています。
●『とりっこフレンズ』インスタグラムhttps://www.instagram.com/torikkofriends/
●『とりっこフレンズ』X(旧Twitter)
https://twitter.com/torikko_friends
●『とりっこフレンズ』HP
https://museum.vill.ogata.akita.jp/torikko

© 2024 とりっこフレンズ.c 2024 とりっこフレンズ

とりっこフレンズは大潟村干拓博物館で展示しています

近隣道の駅などで置いている「とりっこフレンズ」のチラシにクリアファイルプレゼントクーポンがついています。
ぜひ大潟村干拓博物館に持参し、交換してください。
なんと、2月末までどなた様も無料で入館できますので、この機会にぜひお越しください。

大潟村干拓博物館 
住所:秋田県南秋田郡大潟村字西5丁目2番地
TEL:0185-22-4113
開館時間:通年 9:00~16:30 (入館は16:00まで)
休館日:4月~9月:毎月第2・第4火曜日(祝日の場合はその翌日)
    10月~3月:毎週火曜日 (祝日の場合はその翌日)
    年末年始:12月31日~1月3日
入館料:一般・大学生300円 小・中学生・高校生100円
※15名様以上の団体は50円引き
※障害者手帳・療育手帳をお持ちのお客様は付添人も含めて無料です。

【参考書籍】『野鳥-日本で見られる287種判別のポイント-』
監修者:真木広造/発行者:永岡修一/発行所:株式会社永岡書店

【著:大潟村地域おこし協力隊 畠山佳枝】


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