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カレンちゃんと不思議ないちごの国

カレンちゃんと
不思議ないちごの国


カレンちゃんはいちごが大好きです。

カレンちゃんは

いつもいちごのことばかりを

考えています。

カレンちゃんは大きくなったら

いちごさんになりたいそうなんです。

かわいいですね。

カレンちゃんにはいちごが

宝石のように

キラキラ輝いて見えてるみたいです✨

いちごをたくさん集めてみたい。

そんなことばかり考えています。

あるときカレンちゃんはママに内緒で

そっと、、

ポケットのなかにいちごを

忍ばせました。

「いちごさん、

いっぱいにならないかな。」

そんなことを思いながら

ニコニコしています。


カレンちゃんは

お母さんといっしょに公園に行きました。

今日もトンネルの遊具で遊んでいます。

トンネルを駆け抜けると

いつもお母さんが待っていてくれます。

お母さんに抱きしめられるのが大好き

なんです。

カレンちゃんは

トンネルの中を駆け抜けました。

すると公園ではないある

場所にたどり着いてしまったのです。

辺りを見まわしても

お母さんの姿も見えません。

カレンちゃんは悲しくなって

泣きそうになりました。

あらあら、、

大変です。



「そこのお嬢ちゃん見かけない顔だな。」

そこにはひとりの男の子が立っていました。

「お兄ちゃんは誰なの?」

男の子は答えました。

「オレ様はいちごの イノッチって名乗るもん

だ...。 お前さんは?」

「わたしはカレンよ

いったいここはどこなの?

ママはどこ?」

「ここはいちごの大国

ストロベリーランドさ!!

お嬢ちゃんは一人でそこに立ってたぜ 」

周りを見渡すと大きないちごがたくさん

ありました。

イノッチやカレンちゃんよりも

はるかに大きないちごが

たくさん生えているではありませんか。

「お前さん、いったいどこからやって

来たんだ?

それに変なかっこうしてんな?」

イノッチはイチゴのかぶりもをしています。

ここはイチゴの王国。


カレンちゃんは不思議の国に迷い込んでしま

ったみたいです。

「お兄ちゃん、カレン、、ママのところ

に戻りたい。」

イノッチは困りました。

どこから来たのか見当もつきません。

それに

カレンちゃんは見慣れないかっこうを

しています。

いったい

どこの国の子どもなのでしょうか?

「うーーん?

とりあえず、ウチに来なよ。

それから考えようぜ。」

カレンちゃんはイノッチに連れられて

歩きだしました。

「ばあちゃん、ただいま。」

どうやら

イノッチのお家に着いたようです。

「イノッチ、おかえり。 あら、

今日はかわいらしい

おともだちを連れて来たんだね。」

「そうだよ、ばあちゃん。

でも、コイツ変わってるだろ。」

おばあちゃんも、カレンちゃんがこの国の

子どもではないことに気がつきました。

「あら、ホントだよ。 お嬢ちゃんは

イチゴの国の子どもじゃないんだね。」

おばあちゃんは部屋の奥から洋服をもって

来ました。

「この国の子どもたちが着ている洋服だよ。

こっちに着がえな。」

おばあちゃんはカレンちゃんの

洋服を着がえさせました。

最後にイチゴの形をした帽子をかぶせてあ

げたのです。

これで見た目はこの国の子どもたちと

同じになったね。よその国の子ども

だって気づかれないよ。」

鏡でその姿を見たカレンちゃんは

嬉しくなって少し元気を取り戻しました。

「おばあちゃん、ありがとう。

カレン、、

大きくなったらイチゴになりたかったの。」

「そうかい、そうかい、それはよかった。」

おばあちゃんは

やさしくほほえみかけました。

いちごの国の子どもになったカレンちゃん❤️

夢はすぐに叶いました。

「ばあちゃん、、

コイツ迷子みたいなんだよ。

話しを聞いてもちんぷんかんぷんでさ。

どうしたらいいかわからなくて。」


「あら、やっぱり迷子だったのかい?

それはそれはかわいそうに、、。

お嬢ちゃんは

どこからやってきたんだい?」

「カレンね。公園にあるトンネルをくぐって

やってきたの。いつもならトンネルを抜けた

らママが待ってくれるてるのに。」

「公園? トンネル?」

おばあちゃんは聞きなれない言葉にちょっと

戸惑いました。

「イノッチや、、。この子と出会った場所に

何かないかもう一度行ってごらん。何かわか

るかもしれないよ。この子のお母さんも心配

しているだろうしね。」

「わかったよ、ばあちゃん。コイツと出会っ

た場所に行けばいいんだな。」

暗くなりはじめた夕暮れどきに

二人は歩き始めました。

すぐにイノッチはランタンに明かりを

灯しました。

しばらくするとおばあちゃんがふたりのあと

を追いかけてきました。

「イノッチや、これをご覧よ。カレンが着て

いた服から出てきたんだよ。」

おばあちゃんの手のひらには光っている

いちごがあるではありませんか。

「俺、こんなのみるのはじてだよ。

ばあちゃん。」

「これは、噂に聞く時空のイチゴだよ。

100年前にもこんないちごをもったこども

がこの国にやって来たことがあるって

噂で聞いたことがあるよ。」  

「あっ、このいちごはカレンがポケットに

ナイショで入れていたいちごだよ。なんで

こんなに光ってるんだろう?不思議。」

「ばあちゃん、もしかしてこの辺りに時空を

開く扉みたいなのがあるってことなのか

な?」

「おそらくね。見てごらんよ。植物たちが

ざわめいているよ。このイチゴのせいだと

思うよ。」

おばあちゃんがイチゴをポケットにし舞い込

むと、ざわついていた植物たちもおとなしく

なりました。

「やっぱりだな、、ばあちゃん。」

イノッチとおばあちゃんの話しを聞いていた

カレンちゃんはふたりの話を聞きながらも

空を眺めて言いました。

「お星様がとってもきれい。カレン

お星様も大好きだよ。空もお星様もだぁーー

ーーい好き。」

イノッチもうなずきながら言いました。

「空は最高さ。夜空ノムコウには無限に星空

が広がってるんだぜ。」

ふたりは目を輝かせながら星空を見上げまし

た。

「お星様みたいなイチゴ。」

「そうだな、、カレン。」

「明日、大婆様のところに行こう。大婆様な

ら何か知ってるかもしれないよ。

今日はもう遅いからお家に帰ろうかね。」

おばあちゃんはそう言って二人をお家の方へ

うながしました。

次の朝、早い時間から大婆様に会うために

おばあちゃん、イノッチ、カレンちゃんは

出かけました。

「こんにちは。」

イノッチとカレンちゃんは

大きな声であいさつをして大婆様の住む

お家へ入って行きました。

「いったい、どこの誰かな?

おやおや、イノッチかい?

また、大きくなったねぇ。

それに、このかわいらしいお嬢ちゃんは

誰だったかな?」

「おばあちゃん。わたしはカレンよ。

はじめて、ここに来るの。」

「おやおや、今日は何の用事でワシのところ

にやって来たんだい?」

「大婆様、お久しぶりです。このカレンの

こと何です。100年前に時空を越えて別世界

からやって来た少女がいたことをおっしゃっ

てたでしょ?」

「うむ、うむ、大昔のことだけどそれだけ

は覚えておるよ。ん?、、まさかこの子も

なのかい?」

「そうなんだよ大婆様。コイツ、森の中で

突然あらわれたんだぜ。」

イノッチのおばあちゃんはカバンに入れて

いたカレンちゃんのイチゴを取り出しまし

た。」

薄暗い大婆様の部屋の中が突然明るくなった

かのようにカレンちゃんのイチゴは光を放ち

はじめたのです。

「これはまぎれもなく、時空のイチゴじゃ

よ。お前さん別世界からやって来たんだ

ね?」

カレンちゃんはキョトンとした顔をして

います。

「カレンよくわからない。」

「間違いないよ、、大婆様っ。どうやったら

コイツを元の世界に帰らせてあげられるか

な?」

イノッチは真剣な顔で大婆様に質問しまし

た。

大婆様は答えました。

「想いじゃよ。想いが満ちた時に時空の扉は

開くのじゃよ。」

「愛、、空に奏で、、想い満ちる時に扉は開

かれる。」

大婆様は小さな声でつぶやきました。

「わしの幼かった頃の出来ごとじゃよ。

一人の少女がワシらの国に迷い込ん出来ての

ぉ。たしか、、カリンって名前の子じゃっ

たよ。突然現れて、突然いなくなった。

花を愛でるとても心優しき娘じゃった

の〜。」

「カリンだって、変なの。

カレンのママのお名前みたい。」

「100年も前の子どもなら、今はシワくちゃ

のばあちゃんだぞ、、カレン。」

「そっかぁ。」

大婆様は古びた写真を2人に見せました。

「見てごらんよ。この子がカリンじゃよ。」

イノッチはその写真をみてびっくりしまし

た。

「へぇ〜。なんかカレンにそっくりだな。」

カレンちゃんにそっくりな女の子

が写真に写っています。

これは一体、、、。

「もうひとり写っている女の子は誰なの

大婆様?」

「娘時代のワシじゃよ。」

イノッチはさらにビックリしました。

「これが大婆様、、、。信じらんねぇ。」

今とのあまりの違い驚いたのです。

あまりの可愛らしさに、、

「そんでさ、大婆様っ 結局オレたちどうして

らいいんだ?」

イノッチは大婆様にたずねました。

「そうだったね、、、イノッチや。」

大婆様は古びた地図をテーブルの上に

広げました。

ある場所を指差しました。

「ここじゃよ。カリンが帰って行った場所は

は。」

大婆様は遠い目をしてそう言いました。

「大婆様ここに行けばいいのか?」

イノッチは真剣な目で質問しました。

「とても透き通った歌声をしておったよ。

カリンは、、、。愛に満ちた声と高くて

心地良い響き。

光と共に帰って行った。きっと何かわかる

に違いないさ。」

大婆様はニッコリと微笑み、

イノッチとカレンちゃんを励ましました。

翌朝、イノッチとカレンちゃんは大婆様から

教えてもらった希望の丘へ行くことにしまし

た。

その日はとても快晴で気持ち良い朝を迎え

ることができました。

イノッチのおばあちゃんはふたりに

サンドイッチをもたせました。

カレンちゃんは遠足に行くときの気持ち

の様にルンルン気分でお出掛けました。

「カレンはいつものんきだな。うらやましい

ぜ。」

「えへへ。」

ふたりで大笑いしました。

「向こうに戻れてもまた遊びに来いよな。」

「うん、わかった。」

ふたりはイチゴの森を抜け地図で見た場所

に近づいて行きます。

「希望の丘まであともう少しさ。

がんばろうなカレン。」

「うん。」

カレンちゃんは大きくうなずきました。

ぐうぅぅ〜。

イノッチのおなかが鳴りました。

カレンちゃんは大笑い。

「腹がへっては戦はできないな。」

ふたりはおばあちゃんが作ってくれた

サンドイッチを食べて元気をとりもどしまし

た。

希望の丘へ向けて再び歩みをすすめたのです

す。

どんどんと希望の丘が近づいて来ます。

ふたりはがんばって、がんばってたくさん

歩きました。

歩いて、歩いて道が途切れる場所までやって

きました。

「ここが希望の丘、、、。」

はるか遠くまで続く森と知らない街。

そして、はじめてみる海をみたのです。

「すげぇ〜。

海が見えるぞカレン。」

「すごいね。イノッチ。

カレンはじめて見たよ。」

ふたりは広がる景色に見とれてしまいまし

た。

こんなに広い空をみるのは初めてでした。

「カレン、、、ママにもこのお空を見せてあげ

たい。ママに早く会いたい。」

カレンちゃんは感動の涙とお母さんに

会いたい気持ちがいっぱいにあふれてきまし

た。

「カレン、、、。おいで。」

「ママの声が聴こえる。」

「オレっちにも聴こえたぞカレン。」

イノッチもビックリした顔で言いました。

「ママぁ〜。」

カレンちゃんは突然駆けだしました。

時空の扉が突如として現れたのです。

カレンちゃんは怖がることなく、その中に

入っていったのです。

「良かったな、、、。カレン。

また遊びに来いよな。」

イノッチはひとり呟きました。



カレンちゃんは声の聴こえる先に

走り続けました。

突然、かれんちゃんは抱きしめられました。

いつものいい匂い。

「ママだ。ママぁ。」

カレンちゃんはいっぱい泣きじゃくり

いっぱい甘えました。

「どうしたの?カレン?」


あれから数十年の時がたち

ひとりの見知らぬ少女がある場所に

通されました。

「大爺様、こんにちは。」

村の少年がひとりの少女を連れてきのです。

「おお、これはこれは可愛らしい

お客さんじゃの。お前さんの名は?」

「おじいさん。わたしはカノンよ。」

少女は答えました。

おじいさんは身体を震わせながら

言いました。

「愛、空に奏で、、想う。

奇跡、、が起きた。」

歴史は繰り返されるのです。



おしまい

























































































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