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舞台撮影〜美しさと暗闇とのイタチごっこ〜

今回から、アキテッジが手掛けている撮影について、裏話なども含め少しずつ綴っていこうと思います。
これから写真を始められる方や、仕事としてやっていきたいという方々にとって、少しでも参考になれば幸いです。


第一回目のトピックは「舞台撮影」について。


弊社としても舞台撮影のご依頼というのは全体の中でも多く、コンドウ個人としても大切にしているジャンルの1つです。

というのも、私自身18歳で演劇に出会い、演劇サークル〜演劇雑誌の編集アシスタント〜舞台制作(兼宣伝美術周り)と、20代半ばまでどっぷりと舞台の世界におりました。
今思えば、写真との出会いについても、演劇がご縁でした。

そんなわけで、独立した当初から演劇には関わっていきたいという思いが強く、そこからさらにご縁が広がり、事業の中でも大きなウェイトを占めることになりました。


わらび座「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アキタ」より


ところがこの舞台撮影というジャンル、これがなかなか厄介なのです。

舞台写真の美しさというのは、イコール演出家と俳優・照明が創り出す視覚上のイリュージョンな訳です(音響だけは削ぎ落とされてしまう)。
舞台によっては動きが激しかったり、またアーティスティックな作品に多いのですが、人間が認識できるギリギリの明るさで上演したりというものが多々あります。


“暗い中で激しく動く”


言葉にすればとても情熱的かつ演劇的という感じがするのですが、カメラという道具からすれば、この舞台撮影というのはとてつもなくドSなジャンルとも言えるのです。
そもそも「ブレない」ということと「(人間が認識できる程度に)明るく撮る」というのはカメラの性質上相反する要素なのです。
それらを極めて厳しい条件下で、両方とも高いレベルで実現することを求められ、尚且つ絵としても美しいものを求められる。

そんな、悲しい中間管理職の悲哀のにも似た難しさがある分野…
それが「舞台写真」な訳です。


そんなシビアな世界に救世主が現れた・・・かも。
というのが次回のお話。
それでは、続きはまた来週(あたり)。



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