見出し画像

波野Pのストラタ運営ジャム日記

まえがき

どうにか第4回ノベルジャムの開催にこぎつけて、これから超絶忙しくなるだろうから、少しここまでの歩みを振り返って、カンタンにメモっておいて、いつか手記を書くときの道標にしたい。

わたしとノベルジャム

第1回(市ヶ谷ステージ)はすんごい数の希望者が殺到したとか聞いていたので元群雛スタッフとしては迷惑かなと思って参戦は控えていたら、編集が足りないって悲鳴が聞こえたのでひと肌脱いだ結果、担当した2人の作家に、優秀賞(澤俊之)、米光賞(米田淳一)を獲得せしめた。2冠。

第2回(八王子ステージ1)もデザイナーが足りないというのでふた肌めを脱いでデザイナー参加(ぼくはなんでもできるウェイ)。結果、編集担当のじー先輩とのタッグで、優秀賞・鈴木みそ賞(天王丸景虎)、グランプリ(ふくだりょうこ)を獲得せしめり。3冠。トータル5冠。

第3回(八王子ステージ2)はさすがに今度は作家で出たいぞと、5000字のコメントを添えて申し込むも、やっぱり編集者が足りず、三肌めを脱ぐことに(もはやすっぽんぽん)。骨まで晒して、デザイナーほさかなおと二人三脚で、米光賞・グランプリ(西河理貴)、藤井賞(藤城孝輔)を獲得させ、3冠増。トータルでは前人未到の8冠を頂戴した。

で、まあ、作家としてはまだ出てないけど、もういいのかな、と思ったよ。

同盟、NovelJamやめるってよ

春頃に、こんな噂を聞いた。「もう3回やったし、NovelJamはもういいんじゃない?」という説があると。第3回でグランプリを受賞した「センコロ」の舞台が打ち上がった頃のことだ。運営陣がそうとう苦労していたという話は聞こえていたので、無理もないとは思いつつ、これで終わりってのもなーという複雑な心境ではあった。これで終わってしまうと、せっかく運良くゲットしてきた8冠が、ふわっとしてしまう。以下の2つのセリフを比べてみて欲しい。

Aパターン
わし「昔3回だけやったNovelJamってのがあってな、わしゃ8冠だったんじゃよ」
キャバ嬢「ふーん。フルーツとっていい?」
わし「ダメじゃ」

Bパターン
わし「今年もNovelJamの季節か。孫よ、こう見えてもわしゃ8冠だったこともあるのじゃよ」
可愛い孫「じいちゃんすごい! 肩もんであげゆ」
わし「ふぉふぉふぉ」

QOL=クオリティ・オブ・ライフがダンチじゃねえか。ノージャム・ノーライフ。継続こそが筋トレである。
そして、NPO法人日本独立作家同盟は、NPO法人HON.jp(ほんじぇーぴー)に改名された。そこで正会員でもあったわたくしが、盟友である杉浦アニキらOB有志で連れ立って総会に出てみると、NovelJamに関する新たな取り決めが発表されたのである。そこには鷹野さんの力作というがっつりした文書が作られていた。過去の事例を元にした、手引書ともいうべきNovelJam引継書は、カンタンに言うと「やりたい人がいるならやっていいよー」というものだった。というわけで、NovelJam2019部会を立ち上げ、わたくし自らが部会長に立候補した、というのが、事の発端でござる。

続ける人々

旧部会は解散となったので、2019用に新部会を発足させた。担当理事は理事長の鷹野さん。部会員は5名。
まず旧部会からまつもとあつしさんが残ってくれた。拠点を新潟に移しているので限定的とはいえ、内情を知る人が残ってくれたのは心強い。
そして、第2回出場、第3回運営ボランティアだったフリー編集者の藤井創さん。顔が広いし、イベント系の経験が豊富で頼りになる人材だ。副部会長・ディレクターとして会場・放送などを担当していただくことに。
第1回著者、第2回編集として参戦し、第3回は運営ボランティアの和良さんもいる。群雛からの付き合いなのでもう結構長い。会社で経理系の実務者だったこともあり、会計を担当していただく。あとおやつ。
第2回、第3回とデザイナー参戦したライバル兼盟友であるところの杉浦・アニキ・昭太郎氏は2人めの副部長とアートディレクターを務めていただくことに。「NovelJamやろうぜ」はぼくと杉浦さんとの合言葉でもあったので、このポジションは指定席であるのことよ。
そして、わたくし波野Pが、部会長および総合Pとして、次回NovelJamを実現すべく、水の枯れた干潟に船を漕ぎ出したのである。
いまどき全員男なのが気になるが、一応募集はした結果であるので、しょうがないです。門戸は常に開いているので、ミーこそはと思う方はいつでも来てください。てかもう男女の均衡とか自然に任せちゃうわよ。

変えないと継続できない

第4回を企画するにあたって、最大のネックは予算である。
まずは八王子セミナーハウスを使っての2泊3日開催を踏襲する方向で検討してみる。が、これが難しい。よく2回もやったなと。なにしろ経費がバカでかい。会費もそうだが、スポンサーも必要だし、いろいろ必要だ。この時点で6月であるので、あまり時間もない。同じままで、もう一度やるのは無理だと判断せざるをえなかった。金がない。足りない。足らせられるか。無理ぽい。足りないと、できない。じゃあやめるのか。やめません。変えます。まずは実現可能になるまで変えてみて、「それじゃNovelJamじゃないじゃん」みたいなことになりそうなら、少し戻して。そういう試行錯誤をするしかないなと腹をくくったわけである。

三つのネック

変えたくないけど変えざるを得ないポイントは3つあった。まずは、2泊3日である。3日間の束縛というのはなかなかに厳しくて、とくに編集者が二の足を踏む原因になっているのは間違いなかった。そして、3連休でないと開催できないという建て付けでは、日程の選定において大きな制約となる。費用がかさむ原因にもなっているので、ここのボルトを外してしまいたかった。
なぜ3日間なのか、というと、やはり開催中の行動スケジュールが問題なのである。3日目の朝8時に作品提出という制約は、当日審査を行うことに起因していた。ぶっちゃけ3日目は制作してない。BCCKSの製本・発刊作業はあるが、本文制作はもう終わっている。夕方のプレゼンまではヒマといえばヒマである(編集とか製本担当は忙しいけど)。
思えば、第1回の当日審査は審査員の皆さんにとてつもない負荷を強いたらしく、それもあって第2回から3日間日程になったのだ。当日審査はNovelJamの肝であり、書いて即時審査され、発表の直後に懇親会で審査員に食ってかかれるというのは、たしかに魅力的である。間違いない。だが、それゆえに、人が大きく動く。ひとが動くということは、コストがかかるのだ。
また当日審査はチーム数にも制限を与えている。当日読めそうな量になる分しか参加できないのである。いくら申込みが多くても、審査できる数しか受け入れができない。故に8チーム16人という体制が固まった。しかしそれは同時に、参加費収入が固められてしまっているという大きな足かせにもなっているのである。客は並んでるのに、スープが切れたと追い返すラーメン屋のように、機会損失が発生しているのである。

家訓は「コストカット」

第3回参加者の合言葉は「家訓」であった。これは講師として来てくださった三木一馬さんの示した言葉で、著者と編集者が迷ったときに道標にする合言葉を決めておき、悩んだらそこに戻るようにしようというものだ。「センコロ」のときは「絶対殺す」が西河さんとわたしの合言葉だった。結果、ヒロインはああなった。
第4回NovelJamの家訓は「コストカット」である。継続するために、重装甲をパージして、低燃費で飛べるようにしないと、アムロはホワイトベースに戻れない。ぼくたちは、NovelJam4を開催できないのである。
企画立案の過程で相当なコストカットを行ったがその最たるものは「当日審査」のオミットである。正直悩んだ。が、来年再来年そして未来へとバトンを繋いでいくためには、ここで最も重い装甲を降ろさなければいけないのである。作品審査を当日からアワードまでに変更すると、2日間開催が可能になる。まずそれが大きい。会場費が大きく削減できるし、人件費もじゃんじゃん軽減できる。参加者の負担額も下がる。そして、参加者数を増やすという悲願も同時に達成できるわけである。これで一気に実現可能性が高まった。安く借りられる会場も、スタッフ総出で探し回った。そして、いくつかの候補から、条件のよい三鷹の会場に決まったのである。
まずは、身軽な最低予算で組み上げて、そこからクラウドファンディングなどで予算に余裕ができれば、懇親会の実施や、各種アメニティの充実などでどんどん参加者に還元していく方針だ。NPO法人なので。
当日スタッフも絞り込んで人件費をカットする! 汗を流すぞ。

変動するチーム数

今回は募集時に、チーム数に幅があった。8チームから12チームと。
8チームは過去実績から判断した、最低催行人数である。なにがなんでもそこまでは集めますよという数。ここまでは今日の時点で達成している。
そして12チームは、開催可能最大数である。現時点ではそこまで編集とデザイナーが揃っていない。このため、参加確定者をお伝えすると同時に、「保留中」という残酷な通知をお送りしている参加希望者もいる。一人でも多くの方に参加していただけるよう、まだ諦めず、クラウドファンディングの締切である10/12までは、引き続き調整を続けていく所存である。これを読んで、そういうことなら編集で出てもいいよ、または、デザインできるよ、という方がいればぜひともお声がけいただきたい。編集でもデザイナーでもメタクソ楽しかったですからね(経験上)!
わたしはここにいます>https://twitter.com/fuliefool

前回までのチームビルドをおさらいする

短縮開催にともなって、チームビルドのルールを大幅に変更した。
第1回は運営がチームマッチングを決めて、編集者にのみ1週間前に伝えるというスタイルだった(著者には言っちゃダメという注釈付き)。ぼくはこのルールを活用して、事前に自ら宿泊場所を公表していた米田淳一と同じホテルをこっそり予約して、アドバンテージとした。夜のうちに赤字入れが済ませられたので、この作戦はうまくいった。
第2回は編集者がプレゼンを行い、著者とデザイナーが希望する編集を指名し、かぶったらくじ引き&じゃんけんという方法だった。このときは大手出版社に勤務する編集者に人気が集中し、ほとんどの参加者が結局くじ引きという残念な結果になってしまった。これに不満を抱えて帰った人もいたようである。
第3回は少し改良が加えられ、まず編集がプレゼンし、デザイナーだけが指名入札。そこで決まった編集&デザイナーのチームに、著者が希望を出す、というものだ。だいぶうまくいった感じではあったが、それでも多くの著者はじゃんけんで結果が決まるという、結局運ゲーじゃねえかという声が上がるものだった。
ここまでの試行錯誤は順当なもので、仮にくじ引きやじゃんけんで決まったチームでも、高いパフォーマンスを発揮しているところも少なくはなく、これはこれでなんら問題はなかったのだが、やはり結果が出なかった場合には「じゃんけんで勝っていれば」「くじのせいだ」というネガティブな感想のやり玉に上げられてしまうのはどうしても不可避なんである。
「著者が編集者を選ぶ」という魅力的なルールだったわけなのだけど、君たち結局くじ引きとじゃんけんで決まってて、それで良かったの? と疑問符が生えざるをえない感じだったんじゃないの、と思った。現場で。見てて。実際、結果に対する不満の声聞こえたしね。想定通りに行かないのは仕方がないが、なんらかの修正はしたいと考えた。

まだルールの全貌は明らかにできないが

NovelJamにおける編集者とは、ぶっちゃけチームリーダーである。FWを2人前線に送り出すMFがごとき存在といえばわかりやすいだろうか。いや、そんなのサポじゃないとわかんないよね!
いずれにしても、編集者の戦略性というものをもっと全面に押し出していただくために、今回のチームビルドは編集者主導方式にさせていただいた。
参加確定した著者には通知してあるが、以下のような手順で事前チームビルドを行う計画である。詳しくは10/18に行うオリエンテーションで発表するが、ここに概要を示しておきたい。

STEP1 参加が決まった著者は、SNSなどで参加表明をして自己PRをする
    ※参加表明はしなくてもよい(サブマリン著者)
STEP2 編集者はSNSなどで参加する著者を発見し、1位指名を決め運営に入札する(ドラフト)
    ハズレ1位指名も行い、全チーム1位が揃ったら、2位指名に移行
STEP3 参加を公表していない、または指名のなかった著者に、2枠埋まっていない編集者のリストを送付。サブマリン著者からの逆ドラフト入札を行う。全員決まるまで繰り返す
STEP4 決定しても事前に各自にチームメンバーリストは配布せず、当日会場で発表する
    ※著者同士はチームメイトがわからない
    ※著者は最終的に誰に指名されたかわからない
     指名した編集が著者に連絡するのはいいが真偽はわからない
    ※編集者はドラフトで獲得していない著者は誰かわからない
    ※その他いろいろわからない。主にサブマリン著者への配慮
STEP5 デザイナーは当日入札なので、プレゼン後、チームで相談してドラフト会議を行う。
    ※組み合わせは、全チーム決まるまで公表しない

こんなところです。一見ややこしいですが、実際はそうでもないので、ご安心を。ドラフトが始まるのは、10/18のオリエンテーション以降なので、今は何もわかってなくて大丈夫。

まあ、ドラフトの過程で結局くじ引きなんじゃん、というのも事実ではあるが、伏せてあるくじ引きと目の前でやるくじ引きは違うわけでね。

今日のところはこのへんで。波野Pでした。

〈つづく〉

Photo credit:www.twin-loc.fr on VisualHunt /  CC BY

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?