1000円の価値は

NovelJam参加者のみなさん、運営のみなさん、お疲れ様でした。
そして、NovelJamに注目しているすべてのみなさん、ありがとうございます。
これから1月末まで、グランプリ戦が繰り広げられます。各陣営で様々なアクションが起こると思いますので、どうぞお楽しみに。

さて、わたしたちチームGOMERAもいろいろ準備をして、びっくりしていただこうと画策中であります。それはもうとてもつもなく盛り沢山な感じでどんどん仕掛けていきますので、楽しんでください。

今回はちょっとお金の話。マネーですね。
日本人はあまり得意ではないですね。出版業界はとくにその傾向が強い。
そんなお金のお話。

わたしたちは
『川の先へ雲は流れ』
『【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!』

「1000円+税」というお値段でリリースしました。「強気の値段」というお言葉もいただいております。そんな価格です。

もちろん、販売競争の中で有利なポジションを得ようという戦略価格なのは言うまでもないのですが、そればっかりでもないのです。
前回までは200円+税が相場でした。
NovelJamは1万文字以下の短編が1本ですからね。そんなに取れない、という意識でした。それが適正価格であると考えていました。

しかし、この半年いくつかの経験により、考え方が変わってきました。
「マッハ新書」(※筆者注:イベント名は「マッハソン」でしたわ)というイベントを覚えている方はいらしゃいますでしょうか。NovelJam経験者からも何人か出場した、1日で新書を作ってしまおうという企画です。主にIT系のお仕事をされている参加者が多かったように思います。そこで聞いた辛辣な言葉。
「安い本ってことはそれだけの価値しか無いって自分で言ってるってことだよね」
「高いほうが売れる」
数千円のコンパクトな文書が次々に売れていく様を見て、気づきました。
安いから買うわけではない。安くすれば買われるわけではない。
価値のあるものは高くても買ってくれる。
そして、価値は自分で決めていいのだ、と。

わたしたちは今回、チームビルドの一番最初に、相談をしました。
「1,000円で売りたいと思う」
また、こうも言いました。
「出来上がって、その価値がないと思ったら安くする」
と。
メンバーは、すぐに同意してくれました。やってやろうと。
このやり取りはチームのモチベーションを高く保ってくれました。
提出期限まで妥協することなく、最高の作品になるまで粘ってくれたのです。

そしてわたしたちは、1000円というNovelJam史上最高値の作品を送り出すことになりました。
そしてそれは、1000円分楽しませなければならないという十字架でもあります。

ただ短編作品を1本載せているだけで1,000円というのは無理だと思っていました。ではどうしたらいいでしょう。

中身が充実していれば、納得感も増すはずだと考えました。
まず、2人の作家にお互いに5分間で取材をさせ、20分で紹介文を書いてもらいました。これは2人の技量を見るためでもありますが、1,000円にふさわしい付加価値の一環として掲載するための原稿でもありました。一石二鳥です。
また、それぞれに手持ちの短編を追加提出してもらいました。これを巻末付録として掲載しています。

ひとまずテキストのボリュームは増やしましたが、これは本筋ではありません。ほんのサービスといったところでしょうか。

最終的に値段を決めたときに考えていたのは、こういうことです。

「この1,000円は、わたしたちが提供するGOMERAワールドへの入場チケットなのだ」と。
『かわくも』と『センコロ』の2つの作品は、GOMERAが提供するさまざまなアトラクションの基本ユニットです。そこでそれぞれ1,000円をお支払いいただくことで、1月末までお楽しみいただけるGOMERAワールドにどっぷり入ることができるという寸法です。

また、1,000円にすることはもう一つ重要な効果があります。

藤城孝輔の『川の先へ雲は流れ』は流麗かつ繊細な文章で、うつろうストーリーを楽しんでいただくわけですが、1回だけではその良さを味わい尽くせないのです。少なくとも2回。できれば3回は読んでいただきたい。読むたびに細かく仕上げられた藤城ワールドの真髄に近づくことができるわけです。しかし200円でそれを売っても、おそらく2回目は読まないでしょう。1000円という価格だからこそ、「元を取りたい!」というナチュラルな消費マインドが、繰り返しの通読を促し、より一層作品への理解を深めていただくという相乗効果が見込めるのであります。

一方の西河理貴『【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!』においても、さらなる事件のディテールを掘り下げようと繰り返し読んでいただき、容疑者の心理を深く深くトレースしていくだけるようになっております。また、そこに触れておくことで、今後展開するアナザー・ワールド「Side.M」への理解も深くすることができるのであります。

また、毎週金曜日に開催するNovelJam Reading Fridayの参加料も1冊買うごとに1回サービスになります。来場希望の方は、ぜひお求めの上おいでください。同じ本でもストアが違えば、1回無料になりますよ。
その他様々なサービスを展開して、必ず元は取らせます!

以上、チームGOMERAの1,000円戦略をご紹介しました。

1,000円の価値を決めるのは、誰か

それは、あなたです!

GOMERAワールドチケットのお求めはこちらから

『川の先へ雲は流れ』藤城孝輔
https://bccks.jp/bcck/156976/

『【大好き】センパイを双子コーデでコロしてみた!』西河理貴
https://bccks.jp/bcck/156977

では、またお会いしましょう。

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