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リゾート/マンガ39P






読んでいただきありがとうございました。





以下解説です。
作品自体の解説というよりこれを描いた前後の自分を振り返ってという感じですがご興味ある方は読んでみて下さい。

解説
2012年の9月頃3331ArtsMarketというイベントにでる時に書き下ろした作品。クロッキー帳にボールペンで殴り描いた物をコピーして製本してなんとか本の形にして売りました。たしか15部程度しか作らずほとんどが知り合いにあげたり売ったりでお客さんに売れたのは5部程度だったと思います。後の13年6月にはこの作品を元にした「New人生」という81Pの作品を書き下ろし個展を行いました。(こちらでNew人生の冒頭20Pをお読みいただけます/ちなみに通販は現在も行ってます)

まさに自分の方向性に迷っていた頃の作品です。今回の公開にあたって久しぶりに自分で読みなおしたのですが、正直面白かったです。この頃は今と比べて迷いに迷いまくってたはずなのになんでこんなにキレキレだったんだろう(笑)たしか2日で書き上げました。後に「New人生」というタイトルでみっちりしっかり腰を据えて3ヶ月程時間をかけて書き直したのですが、キレっぷりはこっちの方が上かもと思ってしまいました。(New人生はマンガ表現としてかなり突き詰めて中々いいとこまで到達した作品だと思うのでお時間あればお試し読みだけでも読んでみて下さい。完売したら公開も考えます。)


追加の解説(Twitterからの転載を少し改変)
この「リゾート」というマンガは後に個展用に書き下ろした「New人生」というマンガの元になっているのですが、そもそもこの「New人生」って言葉は自分で考えたものじゃなくて自分の絵の中の描線がそう読める(読もうと思えば…)っていう偶然?からインスピレーションを得ているんです。

そもそも「リゾート」自体何も決めず一発書きで描いたものなんですが、こういう自動筆記に近いやり方との付き合い方というのが「リゾート」を書いた時には掴みきれなくて、というかそれでいいのかというやり方として認められないような葛藤が少なからずありました。
つまり、こんな何も考えないやり方でいいのか、直感とか感覚とかそういう不確定なものに頼っていいのか、他の人はもっと…というようなあまり生産性のない葛藤ですね。ただ、過去の経験上時間がないとかの制約があって覚悟を決めて自動筆記でもなんでもいいから書いたものってのは後から見直した時にかなり面白いことが多い。ということにはなんとなく気づいてはいたんです。ただ、そういうやり方を認めない、というか認められないような感覚がずっとあった。面白い/面白くないではなく、やり方として正しくないのではないかというような葛藤です。
ただ、「リゾート」を書いてしばらくしてから見直した時にこれはもっと大きな物語の一部なのではないかということに気づいたのです。「リゾート」はその大きな物語を描くためのステップの一つに過ぎないのではないかと。そんな描き方は今までしたことはなかったけれど直感的にそう思いました。それなら理解されるとかされないとかそういうしがらみを無視して徹底的にその物語を書き切ってやろうと思いました。しかもそれを人に見せる必要があると思ったのでそのマンガを個展で展示することにしました。つまりマンガを今まで以上に純粋に表現として書けないかと思ったのです。それが個展「New人生」になるわけです。結果、たくさんの人たちから本当に様々な感想を頂きました。そして、その感想を受けての自分の感想は、「色んな感想があるだけなんだ」でした。面白いも、期待はずれも、よくわからないも、全て飽くまで感想であり、正しいも正しくないもないのだと気づいたのです。そしてどんな感想を言われたときも等しく嬉しかったのです。そう気づいた時、やり方をどこか正しい/正しくないで考えていた自分が崩れて行くのを感じました。やり方は飽くまでやり方でしかない。そうするとやっと冷静に自動筆記的なやり方だって、いつも書けるわけではないし書くためには相応の準備もいるということに気づきました。そしてそれを含めて自分が何が得意で何が苦手なのか、また苦手なことが必要な場合どうすればそれに対応できるのか、つまるところ「自分はどうすればマンガが書けるのか」の研究が始まったのです。
まだまだ研究は途上ですが、今人生で一番マンガがかけているので方向性は間違っていないようです。そしてその研究結果の一部が日々マンガというわけです。他の研究結果についてはこれから見せていければと思っています。(もちろん過去作以外も)そしてその発端がこの「リゾート」というマンガなんです。

大谷秋人



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