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お父さんとママ、お母さんとパパ

2021年3月に2つの家族が一緒に暮らし始め、最初は毎日ケンカ、話し合い、誰かが泣く、騒ぐ、怒る…
それはお腹のベビーもびっくりするほど騒々しい毎日でした。
引っ越し前、お互いの家族と何度かキャンプにも行き、家に泊まりで遊び&ご飯を食べに来たこともあり、急に住み始めたわけではなくて、お互いの家族の事情もわかっているつもりでした。

でも実際暮らしてみると、そこらじゅうに不満やイラつきの源が転がっているわけです。まだまだ中学生は子供で…いつも気をつけていても、ついつい忘れてしまうこともあります。

例えば鍵のルール。
家を出る時は鍵をかける、帰ってきたらすぐ鍵をかける、これは彼ファミリーにとっては至極当たり前の事だけれど、私ファミリーにとっては、初めての習慣。
なぜなら、私ファミリーにとって家は安全な場所で、泥棒以外の人が家に入ってくることはあまり考えられなかったけれど、彼ファミリーにとっては、自分達の母親から身を守らなければならない、という理由があったから。
ついつい忘れてしまうと、鍵開いてたよ!誰?と犯人探しが始まり…こんな調子で、家の中のルール作りをして、みんなが前習え!のように同じことができるまで数ヶ月かかりました。

5〜6年生男子の気持ちや態度、行動がわからず、いろんな人に聞いて、理解するように努力した日々でした。女子とはやはり成長スピードが違いすぎて、頭ではわかっていても、目の前にする彼を理解する、言動を受け入れるまでに私も勉強のが必要な日々でした。

5番目ベビーが生まれて1ヶ月くらい経ったある日、急に3番目君(当時小6)が話しかけてきて、みんなの前で言ったのが、
『ねぇ、ママって呼んでいい?だって〇〇さんって面倒だし、みんな呼んでるし、いいよね?』

こんなに簡単に、ママって呼んでもらえるんだー!別に拒絶する理由もなく、あ、うん、の二つ返事。
『よっしゃー、じゃあ、お前も呼べよ!』
と、妹にも呼ばせようとしていました。

そこは、なかなか簡単には『うん』と言えない4番目小1女子。
『無理しなくていいよ、呼びたかったら呼んだら〜』と軽く話は終わらせて。

時は3ヶ月ほど経ち、4番目女子から1通のお手紙をもらいました。
『ママへ』
から始まり、〇〇〇〇…
その日はそのまま彼女は寝てしまいましたが、私も返事を書いて翌日渡しました。
『かわいいむすめの〇〇へ』
渡す時に、ママへって書いてくれてありがとうね、と伝えると、少しはにかみながら頷く彼女の顔は忘れられません。その日から、躊躇うことなく、ママ、と呼んでくれるようになりました。

上の女子2人は相変わらず彼の事をお父さんとは呼びません。私と同じように名前で〇〇さん、と読んでいます。自分達の父親の事はパパのままです。
彼の2人の子も自分達の母親の話をする時はお母さん、と言って話しています。

呼び方なんて何でも良いのかもしれないけれど…
ママと言ってもらえた事は、一つ前進した気分で嬉しい事でした。

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