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春はあけぼの

春は、あけぼの。
やうやう白くなりゆく、山ぎは少し明りて、
紫だちたる雲の細くたなびきたる。

あまりにも有名な清少納言「枕草子」の一節だ。
古典について書いてみようと思ったとき、まず最初に浮かんだのがこれがった。
作者である清少納言は平安時代中期の女流作家。あまりにも有名なのでこれこれと説明することもないだろう。中宮定子のお気に入りの女房として宮仕えしながらその才能をいかんなく発揮した人だ。
色々と為人など文献を読んでみると、お付き合いをするには私には少し荷が重いかもしれないなと思ってしまう。才気がはち切れんばかり、物おじしない自分を見せることを躊躇わない。うらやましいほどの陽キャがそこに浮かんでくる。
きっと彼女なりの葛藤も悲しみも憂いも苦しみも嘆きもあっただろうに、私たちがいま目にできるのは彼女が残した溢れんばかりの輝きの痕跡だけだ。

春はあけぼの

あまりにも絵画的でインパクトがあって、何とも言えず爽快な気分にさせられる文章。
強く主張しているにもかかわらず、「うん!そうだよね!」と納得し絶賛するしかない言葉が描き出す風景。現代に転生して写真家になったなら佐須や有名なーーーーーいや、コピーライターだろうか。CMなど任せたらさぞやインパクトある言葉を紡ぎだしてくれただろう。

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