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春の日の花と輝く

アイルランドの国民的詩人トマス・ムーア氏の詩を堀内恵三氏が訳した。
言葉とはその国のニュアンスや意味があり直訳では決して伝わらない感性があると思う。その意味で翻訳とは責任がかかる重大な仕事だ。
訳されたこの歌を私は名訳と思っている。上田敏氏もそうだが、日本語でありながら描かれるのは異国の情景であり心情だ。我々には描けない愛。優しく微笑ましく、胸に染み渡る想い。恋だけではなく愛だけでもない。共に歩んでいくだろう年月すらも愛おしいのだと彼は告げる。

曲がついて歌えるようになっている。
春の晴れた日に歩き出す度、曲を思い出しメロディを口ずさむ。
綺麗すぎて、優しすぎて—―物語の世界がそこにある。
「こうして二人は末永く幸せに暮らしました」
お伽噺のラストを信じた遠い日の世界がこの中にある。
こちらも曲として聴いてみることをお勧めする。やはり歌として聴いてこその良さがある。
これもまた、一度聴いたら忘れられない春の歌の一つだ。

春の日の花と輝く麗しき姿の
いつしかにあせてうつろう
世の冬は来るとも
わが心は変わる日なく
御身(おんみ)をば慕いて
愛はなお緑色濃く
わが胸に生くべし

若き日の頬は清らに患(わずら)いの影なく
御身いまあでに麗し
されど面(おも)あせても
わが心は変わる日なく
御身をば慕いて
ひまわりの陽(ひ)をば恋うごと
永遠(とこしえ)に思わん


※歌詞の漢字や並びなど訂正を入れました。
 こちらのほうが正しいと思います。
 確認不足でした。


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