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坂口梨乃が好きすぎるので、2024年は文学賞に応募しまくることにした

日プ女子のせいで完全に狂う11月と12月

知らない人もいるかもしれないので一応言っておくと、日プ女子というのは、アイドルとしてデビューする11人の女の子を決めるオーディション番組です。

面白いのは専門家による審査ではなく、完全に視聴者の投票だけで順位が決まるところ。私はこの番組を、「今年はM-1に金属バットも見取り図も出ないもんなぁ、代わりに見るかー」ぐらいの気持ちで見始めました。
完全に暇つぶしです。最近の音楽がさっぱりわからないので、少しぐらいは流行を知ろうと思ったのもありました。
ところがその後、エヴァンゲリオンでアスカに惚れて以来の「バカハマり」する推しを見つけてしまうのでした。

途中まで特に推していなかった坂口梨乃に沼る

沼落ちまでの経緯はそのうち漫画にでもしたいと思っているんですが、とにかく私が最終的にハマったのが坂口梨乃ちゃん。途中までは、大人しそうな見た目とギャップのある強い歌声で話題になった高見文寧ちゃん、CクラスからAクラスにジャンプアップした田中琴ちゃんなどサバ番的なドラマを持った面々に惚れるものの、最終的に「分量はめちゃくちゃ少ないけど全ステージが文句なしに最高だった」梨乃ちゃんが私の推しとなったのでした。
梨乃ちゃんは歌もダンスもできてスタイル抜群のオールラウンダーです。この実力ならすぐにデビュー圏内に入るだろうと思って見ていたのに永遠に順位が上がらず、「は??」と言っているうちにファイナルの日になってしまいました。

結局、梨乃ちゃんは11人デビューのところ12位でファイナルを終えます。私は24時間泣き続け、眠れなくなり40時間起き続け、その結果免疫が落ちたのか今年一番ぐらいに体調を崩し、高熱で動けない日が3日続きました(誇張表現ではなく事実です笑)

この番組の特徴として、梨乃ちゃんがどれだけ完璧でも、票を集める側が頑張らないとデビューできないんですよね。「悪いのはこっち、梨乃ちゃんはあんなに素晴らしかったのに……」と泣き続けました。
梨乃ちゃんは過去にほかのオーディションでも脱落を経験していて、自分について「可でも不可でもない平均点だと言われる」と悩んでいたのです。だからこそ「選ばれる」側になってほしかったというのが正直な気持ちです。

私は多分、梨乃ちゃんがデビューできなかったことに今もキレている

私の人生はずっと「激しい落ち込みの後にキレる」の繰り返しです。とても好きになった人とうまくいかなかったときも最後は「このまま落ち込んでおしまいでいいわけがない、もっといい男と出会うに決まってんだろうが」とキレて立ち直りましたし、ライターの仕事につけなかった時も「私が書き物を仕事にできないなんて間違ってるだろ!」とキレて立ち直りました。
そしてちゃんとイケメンと出会ったり、書き物をさせていただける環境を手に入れて、今を生きています。
気に入らない日常に「NO」を言うことが私の転機であり、ブチギレこそが私の根っこにあるエネルギーなのです。
そして今回も私は思いました。

「坂口梨乃をデビューさせられなかった、世界の方が間違ってるじゃろがい!!」

限界オタクの発想ですね。怖い怖い。
いや、デビューメンバーに不満があるわけではないんです。みんな素敵な子ばっかり。ちゃんと応援していきます。
でもそれはそれとして、私はやっぱりちょっとキレているのです。こんな順位なわけがない、もっと余裕でデビュー圏内にいないとおかしい逸材ですよって気持ちがどうしても捨て去れない。
とはいえもう終わってしまった番組をどうすることもできないし、どんなに大好きでも他人の人生だから、もう何もできることはないわけです。
その結果、イカレたオタクが次に思ったことはこうです。

坂口梨乃が私の人生を変えたことを証明しなくちゃいけない!

いやいや笑 「いけない」じゃないやろ、と冷静なツッコミを入れてくれるあなた、ありがとう。でもそんな冷静さがあったら40歳過ぎて20歳の女の子のトレカや写真を買い集めて騒がないんです!

音楽での私の「大好き」って多分、globeを愛しまくった2000年頃が最後なんですよね。そのglobeも小室さんが逮捕されたりKEIKOが倒れたり二人が離婚したりで、もうまともな活動は期待できない状態で。本当にここまでドンピシャに好みの声を持つ子に出会ったのは久しぶりだったし、ビジュアルやチャレンジの姿勢含めてすごく素敵で、20数年ぶりの「激推し」だったのです。

そんな素晴らしい出会いがもたらされたのに、「脱落です」で終わってたまるかと思ったとき、ごく自然に「坂口梨乃が素晴らしかったことを俺の人生で証明してやる」という思いが湧いてきました。逆恨みみたいなもんですが、私がキレているときって大概こういう感じです笑

応援しながらずっと思っていたこと

11月、12月と梨乃ちゃんを応援しながら、ずっと頭の片隅にあったのは、誰かに「頑張れ」って言ってる場合じゃないだろ、という気持ちです。

ここ2~3年、小説を書く人間としての私がこれでいいのか、ずっと迷っていました。ありがたいことに会社からは貢献を褒めてもらえることが多いし、フリーの活動としても動画を作ったり、記事を書いたりという楽しいこともさせてもらっている。お金もまぁ、平均くらいには稼いでいて、子供がいない身なので好きに自分に使えている。小説を書く時間はどんどん減っているけれど、まぁ文学フリマなどのイベントもあるし、生涯の趣味としてゆるく続けるのがいいよね……。

そう思う気持ちは嘘ではないし、この環境が私にとってけして不幸なものではないこともわかっています。十分すぎるくらいです。

私は20代で大手出版社の賞に何度かトライしているのですが、どこにもかすりもしませんでした。「あなたなら絶対大丈夫」とプロの方から言われたこともありましたし、周りの作家志望者たちより努力している自負もあった私は、だいぶ落ち込んで数回で大手への投稿はやめてしまいました。
小さなコンクールでは何度か入賞し、新聞に小説を載せてもらったことはありますが、それでも大賞を獲ったのはずっと昔のことで、最近では一番上の賞は取れていません。
「あぁ、私は『まぁまぁうまい』だ。そんなもんだと自覚して、実力にふさわしい楽しみ方で付き合っていこう」
そうした諦めに近い感情がどこかにあり、その結果、そんな風に付き合っていくなら、むしろもう要らないよね、と少しずつ文学から気持ちが離れていっていました。

仕事が多方面に忙しくなったこともあり、結局、2023年は小説は何も書けませんでした。まぁこれもいいんじゃないの、もう40代だし、求められているところで応えていくのが正しいよ、と自分に言い聞かせていたように思います。収入自体は増えましたし、満足度みたいなことで言っても、楽しい環境にいるのは確かでした。

「でも本当は違うよね、もっと自分の全部をかけて戦いたい気持ちがあるでしょ?」
番組を見ていると、時々そういう本音が掘り起こされる瞬間があって、あぁ困るな、あんまりそこを考えたくないな、と思っていました。なぜなら、私は絶対に、自分が本当にやりたいことしかできないから。
自覚したら終わりだよ、多分あなたは全部投げ出してそっちへ行くよ、もう若くもないのに、今だって十分幸せなのに、そんなに向いてもいないのに、全部放り出して大変な方に行っちゃうよ、だからあんまり考えないでねって思っていたんですけれど。

デビューしなくても坂口梨乃は素敵

日プ女子を見ていて一番緊張したのは、実はデビューが決まるファイナルではなく、ファイナルに進めるかどうかが決まる順位発表の時だったんです。いざ梨乃ちゃんのファイナル進出が決まったら、逆になんだか静かな気持ちになってきて、「もうあと10日ですべてが終わってしまうんだなぁ」という寂しさが生まれてきました。

最後の20人になると、ずっと見てきた人はここから投票先を変えることはあまりないでしょうから、ファイナル進出時の順位がほぼそのままだろうと考えていました。梨乃ちゃんは12位でのファイナル進出。デビューできるかどうかのボーダーです。

私はこの子がデビューしなかったらどうでもよくなるだろうか。番組終了と同時に、じゃあもういいやってなるだろうか。
そう思ったとき、いやーそれはないなー、多分ずっと、路上で歌うんでも、小さな箱でライブやるんでもちゃんと追いかけて行くだろうなと思いました。
どんな結果になっても積み重ねてきたスキルの高さは失われないし、チャレンジした後に残るのは新しいファンとさらに磨かれた自分で、もしもデビューを逃したとしても、後ろに下がるわけじゃないはずです。

ああ、もうダメだな。

ファイナル前のある日、突然そう思い立って、来年の仕事のうち、かなり大きな仕事を一つ辞める旨の連絡をしました。
「一度も全力でやっていない」この後悔は、今ここで無視しても死ぬまで残るだろうと思ったからです。
そして、過去に努力しても何もつかめなかった自分に対しても少しだけ、「すべてが無駄だったと思わなくていいんだよ」と思うことができました。

とにかく全力でやってみよう。手を抜かないで走ってみよう。本気の本気で取り組んで、それでどうにもならなかったらその時考えよう。

ファイナル前にそう思った気持ち、そしてファイナル後に残った、「坂口梨乃は誰かの人生を変えるくらい素晴らしいアーティストだと、私の人生で証明してやる」という思いで、2024年は文学賞に投稿しまくることにしました。
うまくいったら小説の本を出したいという私の夢も叶うし、賞金を全額坂口梨乃につぎ込めるし、良いことだらけです笑

人生は、予定通りに進まない時が一番楽しい

2023年の頭に会社を変えたのは、フリーで受けている様々な仕事を拡張するためだったのに、年末にまさか仕事を減らしてまで投稿をやろうと思うなんて、自分が一番驚いています。なんでこんなことに……。これは坂口梨乃ちゃんを推してからずっと言っている言葉ですが笑

私はこうやって突然人生が狂っていくのが好きです。真夜中に夜行電車を見かけて急に手ぶらで京都に行ってしまったり、ネットで見つけた素敵な小説家さんにいきなり連絡をとって文学フリマに出ましょうと声をかけたり、高野山に行った帰り道に、比叡山にも行きたいなって言って延暦寺に行ったり、そうやって勢いとテンションに任せて思い立ったことを急にやっているのが一番私らしいと思っています。

だから2024年も、ふたを開けたらまた全然違うところに着地してしまうのかもしれないけれど。今はとにかく一生懸命やってみようと思っています。
というわけでチャレンジの一年を送る私と、いずれデビューして大人気になっていく坂口梨乃ちゃんを、応援してくださいね笑
それでは皆さん、良いお年を!

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