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【秘書ネタ】米国上級秘書資格(CAP) 合格までのステップ(ざっくりバージョン)

2022年4月に米国での上級秘書資格といわれるCAP (Certified Administrative Professionals) の認定試験を受験し、当時50歳で合格しました。受験に際してはネット上にも試験問題に関する情報があまりなく、手探りでしたが参考書や受験コースを使い自分なりの勉強法で約4ヶ月学習。
少し時間が経ってしまっているので覚えてる範囲で受験までの経験で思い出したことを共有できたらと思います。


1. CAP はオフィス事務のプロの資格

米国公認秘書資格、Certified Administrative Professionals とは米国のIAAP (International Association of Administrative Professionals) が認定する資格でありオフィス事務のプロの資格です。日本ではあまり知名度はありませんが、日本の秘書検定等とは全く異なる勉強が必要となり、英語の能力とオフィス業務の実力を証明することのできる、外資系企業などでの秘書経験者にはぜひ取得をオススメしたい資格です。
年2回(3月、9月)実施(オンライン受験)
詳細情報:IAAP ウェブサイト
https://www.iaap-hq.org/page/CAP_Certification

2. 英語力は必要

英語力についてはネイティブスピーカーが受けるテストなので、3時間で選択問題(4択)200問から225問を解くための読解力は必須です。
主観ですがオフィス業務の経験者で留学していた、しているとか、または現在英語を使って仕事をしている方ならあまり問題ないと思いますし、試験勉強することでさらに実力もつきます。試験の範囲を見れば、いわゆる日本企業の秘書向けでないことも明らかで、試験は以下6つのドメインと言われる領域にわたっており、IAAPの試験概要 "Body of Knowledge" に沿った出題がなされます。アメリカのテストなので法律などは米国がベースになっています。

1. Organizational Communication
2. Business Writing and Document Production
3. Technology and Information Distribution
4. Office and Records Management
5. Event and Project Management
6. Operational Functions 

この領域を見て長年ずっーとビビっていて、自分に縁遠い資格だろうと思いこんで受験する決心ができなかったです。文章の書き方からIT知識、マネジメント論、プロジェクトの進め方、財務会計知識についても問われます。でも、急に「やってみようかな」という気分になってしまって、50代でも最後までやってやったゼ〜という感じなのです(笑)。

3. 試験準備に使った参考書、受講したコースなど

1. IAAPのCAP Study Guide 

IAAPのウェブサイトから購入できるCAP試験範囲の概要が書いてある参考書です。私はIAAPのメンバーになってハードコピー版を購入しましたがメンバーシップが年200ドルくらい、メンバー価格でStudy Guide が150ドルぐらい(その頃のレートは113円)なので決してお安くはありません。

分厚い参考書です!

2. MRH Enterprises LLCのCAP Study Group 

IAAP のウェブサイトにCAPの準備コースを提供しているスクールのリストが載っていてその中から、MRH Enterprises LLC のコースを2021年の12月から開始。15週間にわたってテスト範囲をカバーする週1回、2時間のオンライン授業、直前のテストセッションと試験後のフィードバックセッションなどコスパがかなりいいコースです(当時100ドル)。予習でかなり参考資料を読むため準備が必要なので試験を受ける頃には読解力もかなりつきます。ライブでなくても録画を聴いて何度でも復習可能です。Marie Herman先生の授業は明るく楽しいので、私はCAPに合格した後も再認定のためのコースをいくつか受講しています。

3.BABEL のCAP受験対策コース 

CAPに絶対1回で受かりたいと思っていたので、日本で唯一IAAPから認可されてCAPのコースを提供している翻訳学校BABELの合格コースを受講しました。土曜日の午後1時から5時、各ドメインを1週ずつ学習する6週間のオンラインコースでした。日本人のCAPホルダーである講師からZoom講義で押さえておくべきところを説明してくれました。受講料が高いので余裕があれば受講するのがいいと思います。

4.受験申し込みから受験当日の流れ

1.試験申し込み 

受験申し込みはIAAPのウェブサイトから行います。
学歴の証明として、大学卒業の証明書が必要だったので英文のものを取り寄せPDFにし、受験申込書とアップロードでOK。受験の申し込みを行うと、後日別のメールで試験を受けたい日程と場所をテストのプラットフォーム上(Kryterion)で指定するように連絡がきます。試験はオンライン受験で、Kryterionでの試験が受けられるテストセンターで受けます。私は東京秋葉原のテストセンターで受験しましたが、テスト期間が3月31日から4月20日までとなっていても、テストセンターで受けられるのは2日間しか割り当てられていませんでしたが、時間は当時は比較的自由に指定できました。

2. MOCK Exam  

IAAPの模擬試験が50ドルほどで受けられます。私が受けた時はFAIL(不合格) だったのでかなり凹みましたが、若干問題が古いなという印象で、テストの雰囲気、時間配分等を知るために私は受けました。前項で紹介したMRH のコースで直前の模擬試験のセッションがあり、そこでより試験問題に近いものに触れることができた印象です。

3. 受験当日 

念の為がすぎますが、試験前日はテストセンターの近く(秋葉原)に宿泊しました。当日あらかじめ指定した時間までにテストセンターに行き、受付で事前に連絡のあった受験番号等を告げるとテストセンターの係の方がPCを設定してくださいます。テストセンターは他にも別の試験を受けている受験者がいて、開始時間もまちまちのため、結構タイピングの音もします。終わったら係の人に知らせてテストをシステム上提出し終了です。200問くらいかなと思っていたら225問あったのでちょっと焦りましたが、一応トラブルなく終了できました。

5.まとめ- お金はかかるけど挑戦の価値あり

準備期間は2021年11月終わりから実際の受験日(2022年4月1日)まで4ヶ月ほどでした。結果のメールにPASSの文字を見た時は日本は夜中ですが「やったー」と叫んでしまいました(笑)。
独学での合格は可能かといわれると、どんな問題が出されるかが情報があまりないので、独学だと厳しいかなぁと思います。個人的にはコスパの良いMRH のコースがおすすめです。受験についても情報を提供してくれますし、受講している他の方(ほとんどがアメリカ人)と一体感があって、頑張ろうって思えてきます。BABELのCAP対策コースは少人数かつ丁寧に教えてもらえるので日本語と結びつけて記憶に落とし込みたい場合には有効だと思います。

かかった費用はざっくり以下ですが、IAAPメンバーになるといくらかはお得ですが、円安になった今ではさらに費用がかかりますね。。。

- IAAP Membership Annual Member Fee - $200
- CAP Exam Guide $150 (メンバー価格)
- CAP Exam Fee $375(メンバー価格)
- Mock Exam Fee $50
- Marie Herman CAP Study Group Course $100(当時)
- バベル CAP受験対策コース 約100,000yen (授業料と入学費)

私はCAPに受かったのが区切りとなってセカンドキャリアにこころおきなく移行できました。現役でExecutive Asssitant やアドミ業務をしていて英語の資格は一通りあるけど、さらに武器になる資格が欲しいということでしたら受けてみる価値はあると思います!

余談・・・社会福祉士国家試験の出題範囲とかぶる項目あり

社会福祉士国家試験の範囲の中にリーダーシップ理論、動機付け理論、マネジメント理論などが出てきましたが、CAPでも出題範囲に入っていました。また、20数年前に留学していたときに勉強した秘書理論や文章の書き方(英語)もCAPの範囲となっているので、昔勉強したことも無駄にはならないと本当に感じました!

2年前の受験なので変わっていることもあるとは思いますが、ざっくりと当時の準備を思い出して書いてみました。
もし機会があれば具体的にどんな勉強をしていたのかもポストしたいと思います。


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