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AWS re:Invent 2023で私が気になったことまとめ ~設計・アーキテクチャ編~【AWSシリーズ】

哈儸大家好!あっきーです。
新年快樂!

皆様、本年がより良い年となることをお祈り申し上げます。

前々回の「コスト編」前回の「生成AI編」に引き続き、「AWS re:Invent 2023」の話題です。

今回は設計・アーキテクチャ編で、最後のまとめになります。

アップデートのうち、設計やアーキテクチャに関わりそうなもので、私がサイボウズのWebチームとして気になったことを、ピックアップしてみました。

例のごとく、完全に個人メモのようなものですが、ご興味のある方はぜひ読んでいただければ幸いです。


設計・アーキテクチャ関連

今回は自分たちの設計やアーキテクチャにかかわりそうなアップデートたちです。

ALBのトラフィック制御に、障害検知でのアルゴリズムの選択肢が追加

L7ロードバランサーのサービスであるALBですが、Automatic Target Weights (ATW)という新しい負荷分散のアルゴリズムがサポートされました。
以前は、ALBからのヘルスチェックさえ通っていれば、バックエンドで障害があっても見逃してしまうということがあったのですが、今回増えたアルゴリズムでは、バックエンドの障害(5xxエラーや、パフォーマンスなど)に基づいて、自動でトラフィック量を調節してくれるようになるそうです。

制約はあるかもですが、より柔軟になってきたなぁと思います。

Amazon EFS Replicationがフェイルバックをサポート

ファイルシステムのマネージドサービスであるEFSでは、リージョンをまたいだレプリケーションをする機能(Amazon EFS Replication)がもともとありました。

ただ、これを活用したフェイルオーバーを行うと、どうしても差分が出てしまう点が問題だったのですが、今回のアップデートで、フェイルオーバー後のフェイルバックの際に、自動でプライマリ・セカンダリ間の変更の同期ができるようになりました。

フェイルオーバー時の差分が出てしまって難しくなるのはよくある話ですが、ここが任せられるのは素敵ですね。

コンソール操作からInfrastructure as Code (IaC)が簡単に生成できる、AWS Console-to-Codeが発表(プレビュー)

コンソールで操作した内容を、IaCのサンプルコードとして生成してくれるAWSサービスが発表されました(プレビューですが)。Chrome拡張「Console Recorder for AWS」が似たようなものとして聞いたことはありましたが、ついに公式から出るようですね。

慣れていないようなサービスの設計構築で、1からコードを書かずとも、とりあえずポチポチしてざっくりのコードを作るなんていうやり方ができそうだなと思っています。
私みたいなコーディング苦手勢には本当にありがたいアップデートです。

(あと、実はこれも生成AI系なので、前回の題材が正解だったかもと後から気づきました笑)

Amazon GuardDutyがEC2のランタイムモニタリングをサポート(プレビュー)

AWS全般のセキュリティを守ってくれるGuardDutyですが、実はここ数年で一気に機能が追加されています。その中には、コンピューティング系を守る機能も増えていましたが、今回EC2のランタイムまで監視されるようになりました。

EC2に限って言えば、従来のEC2関連の操作(Trail)ログ・トラフィックの監視に、マルウェア監視がオプションでありました。そこに今回のランタイム監視が増え、EC2で実行されているプロセス関連までカバーされたことになります。こちらもオプションではあるので、プレビュー段階で試す場合は有効化してみましょう。

Lambdaのスケールアウト能力が強化

サーバレスコンピューティングサービスのLambdaですが、スケールアウト能力が強化されたそうです。この時期は裏側のアーキテクチャの見直しとかもあるので、各種性能アップ系も出てきますね。

今回は同期的な呼び出しのみの強化なようですが、Lambdaをヘビーな処理に使っている方には十分うれしいのではないでしょうか。

Amazon S3 Express One ZoneストレージクラスとAthenaを組み合わせて、クエリを高速化可能に

純粋なアップデート情報というより、気になった内容だったのでピックアップしてます。

まずそもそも、今回のアップデートして、S3に「Amazon S3 Express One Zone」という新しいストレージクラスが追加されました(こちらも気になりますね)。
これは、S3 Standardのクラスと異なり、オブジェクトのデータを、単一のAWSアベイラビリティゾーン(AZ)内の最適化された専用ハードウェアに保存するようになっており、高速なデータアクセスとリクエストコストの削減を可能としたものです。(なお、耐久性はそれでも99.999999999%(イレブンナイン)です)
このストレージのデータにAthenaの分析を組み合わせることで、高速化できるというのが本筋の紹介したい内容でした。

うちの環境ではまだここまでパフォーマンスにシビアなデータ活用はないのですが、分析基盤の設計としては結構変わる可能性がありそうと感じています。1AZのデータ耐久性とコスト&解析パフォーマンス、これらがトレードオフになりますが、今後は検討するのもいいかもしれません。

おわりに

設計・アーキテクチャ編、そして全3回にわたってお送りした「AWS re:Invent 2023で私が気になったことまとめ」は、こちらで以上になります。

いかがだったでしょうか。

ちなみにちなみに、本ブログもサイボウズ Webチームのアドベントカレンダーの記事にもなっています。
空いてる12/20の記事にしますが、クリスマスにも年越しにも間に合ってないんですね、ごめんなさい。

お坊さんが走っている画像
12月は師走って言いますしね。今年は子育ても増えたし、年末はとっても忙しかったんです。。。(言い訳)

そんな感じでゆるゆる進めてきたWebチームのアドベントカレンダーも、いい感じに埋まりました(土日は除く笑)。
きっと最後の25日は、アドベントカレンダーに関するまとめのブログが書かれるはず、と勝手にスルーパスを出しておきます。

それではまた!

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