見出し画像

大学生活は砂漠の中のオアシスか【大学生活振り返り】

「学生は、小さな町に守られているんだよ。町の外には一面、砂漠が広がっているのに、守られた町の中で暮らしている
町の中にいて、一生懸命、砂漠のことを考えるのが、君たちの仕事かもよ。」

昨日今日とサークルの追い出し会や卒業式の電車の時間読んでた小説にこんな一節がありました。

伊坂幸太郎さんの『砂漠』は大学生活を描いた作品で、大学一年生のときに一度読んだときは
「わたしもこの小説のキャラクターのように頻繁に麻雀をやったりホストに巻き込まれたり処分期限当日のシェパード犬を引き取ったりすんのやろうか」
と淡い期待を抱いていたのですが、全くそんなことはありませんでした。

この四年間はともかく人と出会う日々でした。

入学してすぐいったベルギー・イーペルの猫まつりでまいちゃん、鈴子さんと出会い
帰国してすぐにAPRフォーラムに参加することを決めてボーイスカウトの先輩方、アジア太平洋地域のスカウトたち、全国のスカウトの方々と出会い

ボーイスカウト以外にも
あかりといった屋久島で似顔絵描いて渡したり
その屋久島ゲストハウスで出会ったカップル方がのちに結婚式をあげるときウェルカムボードを書く縁をもらったり

彼の影響を受けてカメラに興味を持ったり
登山グッズを揃え、季節の花を求めて登山をしたり

ラーメンズ好きでつながった人と実際に会いにいったり
卒論でラーメンズ研究をする際、全国のラークラさんから貴重な資料を貸していただいたり

高校の生徒会同期とは定期的に会っていつものノリの良さを実感したり
本気の泥団子をつくったり

月一で会うゆるーい濃い会合を四年間続けたあかり、
あかりを通じてしりあったいづみと企てた壮大なサプライズ

好きが講じて1ヶ月尾道のゲストハウスで泊まり込みしたときに出会った方々

就活で病んで飛んだセブで知り合った方々と
セブのエメラルドグリーンの海を眺めてうっとりしたり
のちにエジプトで古代の文明に圧倒されたり

帰国してやさしい人に囲まれながらイベントを主催したり参加したり

タバコにイラつきながらカフェで働いたり
お寺で働いたり
スーパーで新作のビールを売り込んだり

出会いが出会いを生んで
そのなかでロゴマークやブログやイラスト、イベントなど何かがどんどん生まれていく不思議な連鎖が続いた日々でした

『砂漠』の登場人物の1人である西嶋が

「俺にとっては黄金時代は今ですからね。この今しかないんですよ。過去のこととか先のことはどうでも良くてね、今、できることをやるんですよ。」

といってたけど、今できることを前のめりでやってきた日々だったなぁと振り返って思いました。

逆に、就活で書ける資格頑張っときゃよかった
もっと大学内で居場所つくっとけよー
など嫌なことから逃げてきた借金はあるに違いないです。たぶん。

今日実際の式辞では「理想の未来を実現するには、予想するのではなくつくりだせ!」だとか「頼りになる勇気のある人になれ」だとかのメッセージをもらいました。

式典が終わり帰り道にちょうど卒業の章を読んでたら、物語の中の学長はこんなことを言ってました。

「学生時代を思い出して懐かしがるのは構わないが、あの時は良かったな、オアシスだったな、と逃げるようなことは絶対に考えるな。そういう人生を送るなよ。
人間にとって最大の贅沢とは、人間関係における贅沢のことである」

理想の未来をつくりだせる頼りになる勇気のある人になれるかどうかは未定ですが、人間関係は最高に贅沢だった日々だと自負しています。

オアシスを出て過酷な砂漠で生きていくのか、砂漠をオアシスと勘違いしたまま生きていくのか、主観でどうにでも変わる、ということはあるのでしょうか。

スキを押すと、2/3の確率で冬にうれしい生活雑学を披露します。のこりはあなたの存在をひたすら誉めます。