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日記:バイオハザードRE:2とよふかしのうたの話

 ウィザウチュナイ。(BEMANI地方の挨拶)

 GWにやったことをまとめとくかぁ、ということで久々に日記を書きます。タイトルで何やったかオチてるけどね。


よふかしのうたを崩してる

 読書SNSで買ったマンガの記録をつけていった結果、積読マンガが90冊を越えてしまっているようなのでさすがに反省して積読タワーを崩し始めました。

 中途半端に読んでたよふかしのうたに手を付け始めて、いまのところ7巻まで読み終えたんですが、ストーリーのもって行き方の面白さもさることながらやっぱ原曲「よふかしのうた」へのリスペクトがすげえな~~と感心しきりです。

昼と夜の間

 アニメでEDにもなったのでおれがいちいち講釈たれるのはおこがましいのですが、「よふかしのうた」はCreepy Nutsの「よふかしのうた」を意識しながら描かれています。
 言い方を変えると、歌っているR-指定の考え方が反映されています。

お前に手を引かれて出向いた土曜日の溜まり場
同じ周波数のムジナ もれなく社会不適合者

だけど お前は決して誰も責めない
お前は決して何も聞かない
御節介な陽の光と違い俺を正さない

よふかしのうた / Creepy Nuts

 「よふかしのうた」は徹底して社会になじめない人を柔らかく包むような作風になっています。夜という時間が持つ、はみ出し者を許す魅力がにじみ出ていて良い。

 主人公のコウくんは、そんな夜の世界と昼の世界の合間にいるんですよね。ここが上手いな~~~!と思っていて。
 最初は吸血鬼のナズナちゃんに手を引かれて夜の世界に入っていって、夜を楽しむ人々や吸血鬼と出会ってコウくんは自由な世界を満喫する。……んですけど、ナズナちゃんも実は長生きしすぎてて夜という非日常が「日常」になっている……もしくは「夜以外知らない」、ということが明かされる。さらに吸血鬼は自分が人間だったころを忘れていくので、コウくんの知っている「昼の世界の楽しいこと」をナズナちゃんは知らない。仲はいいんだけどちょっとふたりの間にズレがあるんですね。ナズナちゃんに恋をするという条件をクリアすれば自分も自由に生きる吸血鬼になれるけど、思ったようにうまく進展しないし、コウくんはなんとか夜の世界に入ろうともがきながら宙ぶらりんのまま夜をさまよい続けることになる。
 コウくんって、昼でも夜でもなくて半端なんですよ。そこがいいなあと思うんですよね。

 そのへん、原曲を歌っているR-指定やトラックメイカーのDJ松永の半生にも似てるんですよ。R-指定っていう人はHIP HOPが大好きでラッパーになったんだけどもオラオラ系の人じゃなくて、「俺もワルになりたいんだけどどうも俺はワルばっかの世界に馴染めない…」と自分の半端さみたいなものにコンプレックスを抱えていたMCでした。実際、HIP HOPの現場からも「お前はラッパーじゃない!」「なまっちょろい半端野郎が!」みたいなことを言われてきた。
 でもこのR-指定、MCバトルというラッパー同士の口喧嘩がめちゃくちゃ強かった。しかもものすごくたくさんのトラックを聞きこむ人で、対戦相手の過去のナンバーとかも聞いてるので「お前あの時と言ってること違わねぇ?」みたいなサンプリング(引用)をしたりもする。曲を作り、自分をdisってくる相手を打ち倒しながら戦いの中で自分のスタイルを確立してきたんですよね。
 DJ松永もDJ松永で、相方がMCバトルでものすごく成り上がって実力者になってるのに自分はタイトルを持ってない、ということを気にしていた人で最終的に世界一のDJまで登り詰めた経緯があります。

 それを考えると、コウくんが吸血鬼になって夜の世界に入ろうとしてるけど本当の仲間入りができなかったり、ナズナちゃんと釣り合った立場になるのがなかなか難しい…って筋書きが味わい深いですね。

夜の持つ"毒"

 あと、「吸血鬼同士や夜出歩く人同士でも絶対に分かり合えるわけじゃない」っていうのがシビアながらいい温度感だなと思います。
 夜の世界の住人で「そういうことだってあるよな」と理解を示すことはあるけども、社会不適合者と社会不適合者だからっていっつも簡単につるむわけでもない。それぞれ抱えてるものが違う人たちがハイそうですかと言って仲良くなるとは限らない。

視力低下に体力低下
認めたかないがお前のせいさ
起こさないでティーチャー
I'm a day dream believer
俺の若さを日々吸い上げる
まるでサキュバス またはインキュバス
近いうちに朽ち果てる

よふかしのうた / Creepy Nuts

 夜ふかしってのは毒気も含んでるし、怖いものでもあるんですよ。それを「鶯さん」という強敵を差し込んだり、人間時代の記憶が消えることで憧れだった人とすれ違ったり、人を惑わせ悪い利用の仕方をする吸血鬼を出すことでわからせてくる。

 絶対にいいところとは言い切れないし、自分がそのなかに馴染めるとも限らない。でも、夜と夜に生きる奴らに夢中になっちゃって仕方ないんだ……という構図を「吸血鬼とその眷属」に当てはめてスケッチしている。「人間だったころの記憶をだんだん失う」という設定の活かし方も含めてこれはどえらい漫画やで…!と思いながら読んでいます。

 ぜひCreepy Nutsの楽曲を聞きながら読んでほしい漫画ですね。おすすめです。


バイオRE2が思ってたよりも面白かった

 つづいてゲーム方面では「積んでたモンハンライズをサンブレイクのところまで進めなきゃ…」と思ってたんですが、steam覗いてみたらバイオハザードRE:4が発売されたからか過去作のRE:2とRE:3がセットで1500円で売られておりついつい買ってしまいました。こんな金かかってそうなゲームがこの値段ってウソやろ……。

 これがなんか、結構面白くて……。「リメイクっつってもバイオ2やろ?」と思ってスルーしてたんですけど、旧作バイオの特徴を残しながら非常にうまいアレンジがされてたんですよね。

バイオハザードの骨子を残しつつ完璧にTPSに組み替えた

 一般的にバイオハザードファンには「バイオ4より前と後」と分けられるくらいバイオ4から6までのTPS化とアクション路線は分水嶺だったんですが、その二者の持ち味をうまく一本化したな……と思います。

 まずゾンビがめちゃめちゃしぶといんですよ。ナイフで斬ってみるまで倒したのかダウン状態なのかわからない。確かにRE2はTPSとしてヘッドショットを狙えるようになっていたりはするし、人によってはバシバシ倒していけるんですが、仮にこういうエイミングが上手かったところでどのみち「ちゃんと死んだかどうかわからん」という爆弾を埋められているからゾンビの脅威が消えない。
 じゃあゾンビを無視して行こうと考えても、ゾンビの掴み範囲が広すぎてメルブラのさっちんアームかよってくらい判定に吸い込まれるのであんまり近くを通りたくない。まあゾンビも一回死んでるしさっちんと似たようなもんやけど……。となると「う~ん…じゃ やっぱ殺すしかねーな」になる。

 これ、素晴らしい設計だな~~~と思いますね。
 バイオハザードの本質って、リソース管理なんですよ。そのリソース管理にこういったゾンビというプレッシャーがうまく作用してる。
 バイオ4~6って弾の心配があんまりないバイオなんですね。単純に拾える量が多いだけでなく、ナイフで怯みを誘発して体術をかけたりできるのであんまりやりくりに苦労しない。逆にバイオ7が原点回帰を掲げて成功したのは(恐怖の演出に工夫したのもありますが)このカツカツのリソース管理を復古したからでもあります。
 1~3の旧作バイオハザードはラジコン操作のクォータービューであることだけでなく、「弾はあるけど回復アイテムが少ねぇからこのへん掃除しとくか」「今、手持ちの弾が少ねえな……緑赤ハーブが多めにあるからゴリ押しで通って節約するか」そういう手持ちの物資にどっちが多いかによって回復アイテムと弾薬の変換を考えさせるのも特徴だったんですよね。
 それがRE2にうまく取り込まれている。最近ではインディーズゲーのSIGNALISがこのへん上手かったですけど、やっぱ本家カプコンもやろうとすればやれるんだよな……と実感しました。リメイクとして見事にオリジナル版の真髄を落とし込んでいると思います。


でもやっぱりラクーンシティの建築デザイナーは頭がおかしいと思う

 ゲーム性とは関係ない話だけど、やっぱラクーンシティの建物おかしいよ。

 ジョージ・トレヴァーが作った洋館を含め、ラクーンシティの建築物がおかしいのは周知の事実なので「あまりにもバイオやってる人にいままで言われ尽くしてるしおれが改めて言う必要ないか……」という逡巡があった上でそれでもラクーンシティの建築物がおかしいと言ってしまうくらいおかしいよ。

 ラクーンシティ警察署の攻略してるとスペードのカギとかハートのカギとかってのが手に入るんですよ。それによって後からいろんな部屋に入れるようになるっていう謎解き上のシステムがあるんですけど、これ西館と東館で遠く離れた部屋の鍵とかも同じカギで開くんですよ。

 いくらRE2でラクーンシティ警察署が元美術館だったって設定生やしても繕いきれねーよ!
 なんで法執行機関の公共施設がぜんぜん違う遠く離れた部屋の鍵を同じマークかどうかで一本化してんだよ!日常業務しながらどこがなんのマークのカギで開くか暗記しとかなきゃならねーだろ!業者に頼んでカギ替えろよ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 いや、クリスはSTARSだからそんなに複雑なオフィスにはいないけどさ……マービンとか一般の署員は夜勤の当直になるたびに「あそことあそこはスペードのカギで開く……あそこはハートのカギ」とか頭のおかしいクソみたいな見回りしとんねんぞ

公務員がこれやぞ

イカれとるやろ


 おれは警察署編でもう音を上げそうになったがいやいやラクーンシティ、こんなもんじゃない。

下水道の配電盤もチェス駒の形した部品でパズルが仕込んである


 バカヤローーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!


 なんでインフラにまでバカ建築デザイナーが食い込んでんだよ!!!どうしてまちづくりの段階から利便性というものを考慮してねーんだよ!!!!!

 ハァ、ハァッ……このユーザビリティで良しとしている施工責任者にキレすぎてテンションがおかしくなってきた。…うーん…まあ……でも……冷静に考えてみればおれがおかしいという可能性もある…。ラクーンシティではセンスが重要視されるのかもしれん。百歩譲って職員さんが…実際使ってる職員さんが「いいデザインだな」って思って使ってるならいいかもしれ……



 ほらぁ~~~~~~~~ッ!!!!!!!!!!!!!!!!

 困ってんじゃん!!ねえっ!!!職員さん困ってんじゃんッッ!!!!!!!!!!!!

 「だったはずだ」とか言ってんじゃん!ラクーンシティ市民でさえおかしいって思ってんじゃん!配電盤に差し込んでるプラグの位置わかんなくなってんじゃん!!!!
 いらねーんだよ下水道に遊び心は!!!必要なのは整備性!!!!!!下水のトラブルに対処するとき作業員さんがいちいち思い出しながらチェスのパズル解かなきゃいけないって……どういう街なんだよ!!!!!!!!!!!


 バイオハザードRE2自体は楽しく遊んでいるのですが、どうもラクーンシティで天下一バカデザイナー武道会が開かれていた、もしくはここがユーザビリティという観点の欠如した異常設計者が吸い寄せられる魔界都市だったのでは、という疑念が浮上しており、ラクーンシティはゾンビとアンブレラが関与していなくても頭のおかしい街だったんじゃないかと思い始めています。
 …おれのバイオハザードはそんな感じで進んでいます。



 そんなわけでぼちぼちゴールデンウィークも終わりますが、なんか予定外の方向に転がりながらもやっておりました。明日から平日ですけど、まあ適当にやっていきましょう。かしこ。

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