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OM-1というカメラの話

大切にしているカメラがあって、いつか仕事に活かせたらいいなと思っています。母方の祖父のカメラです。

祖父は明るくせっかちで悪戯好き。日記は朝1番に書き終える。何かを決めたら、脇目もふらず突っ走る(さすが亥年)。「超」がつくほどアクティブな人でした。計画好きで行動力に欠けるわたしとは正反対。
祖母に叱られては、隠れてニヤッと笑ってわたしに目配せする姿を覚えています。愛想がよく老若男女誰とでもすぐに仲良くなるというヒーロースキルの持ち主です。

母に兄弟は居ないから、祖父にとって、孫はわたしと年の離れた姉だけ。わたし達にとっても最高のおじいちゃんでした。
そんな祖父が亡くなって、見つかったのがOLYMPUSのOM-1というフィルムカメラです。

母にお願いして、私が譲り受けることになりました。壊れていると聞いていたけど、修理に出すとあっという間に使えるようになりました。

あちこちに持って行っては写真を撮る、それが私の楽しみになりました。

時々、シャッターを切りながら、ああこんなに楽しいことがあるんだとびっくりするような一瞬があります。砂浜に膝を押し付けたり、瓦礫の隙間を覗き込んだり、友達の作ってくれた朝ごはんに感謝しながら。
そんな瞬間がとても嬉しい。

そんな時にはよく、祖父が笑って見守っているのを感じます。
だからもっと写真を続けていきたいと思うし、もっとOMと上手くやっていきたいと思うのです。

祖父はきっと、こう言ってくれるはずです。
よう分からんけど、面白か。
楽しかごとあって、よかな。


ねえ、そう思うやろ?

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