若手向けに話してと呼ばれた合説に、若手の求職者は1人もいなかった

先日、都内で開催された介護の就職イベントでゲストとしてお話させていただく機会を頂いた。志を同じくする仲間であり、友人でもあるモデルで介護福祉士の上条百里奈ちゃんと初めて2人でのトークセッション。

出番の1時間半前に会って、それぞれが事前に考えてきたことを共有しながら求職者に何を伝えたいのかを整理し、開始30分前に会場に入った。

関係者やお世話になっている出展事業者にご挨拶させていただき、開始まであと15分。約50席ある観客席はガラガラで、何人か座っている人も関係者のようだった。本当に予定通りに始まるのだろうか?そんな不安がよぎるほど、会場に人はいなかった。

開始まであと5分。司会者のアナウンスで、ぞろぞろと集まってきたのは求職者ではなく、出展事業者だ。もしかしたら純粋に私たちの話を聞きたいと思って下さった方もいたのかもしれないが、その多くは私たちに気を使ってくれたのだと思う。1人だとしても、100人だとしても話を聞いてくれるのであれば本気で届けたいと思っているが、なんだこの気まずい環境は、と思ったのが本音だ。

トークセッション中、私が前から見る限り把握できた求職者は2名。求職者ではなく私たちの話を聞きにきてくれた参加者を合わせても4名。オーダーをいただいたメインの対象の「未経験者を含む若者層」はおそらく1人もいなかった。 

出展事業者に知り合いの社長さんがいたので、「今日、どうですか?(人いませんね…)」と声をかけた。「今日ここにいる全員が現場に行けば、どれだけの人が救われるだろう」と言われていたのが印象的だった。

そしてイベント終了後に、同じ社長さんからメッセージが届いた。

「どこも人材不足ですが、コンビニやファミレスが24時間でなくなっても誰も死なない。でも介護サービスが24時間でなくなったら、翌日死ぬ人がきっといる。 アマゾンが当日や翌日配送してくれなくても誰も死なない。でも介護サービスが当日や翌日提供されなくなったら、死ぬ人がきっといる。 私たちの人材不足は絶対負けられないのだよな、と。」

このイベントの失敗のしわ寄せは、近い将来の要介護者やその家族にいくのだ。イベント終了後は、なんとも言えない気持ちになって、何も手につかなかった。


繰り返される、人が集まらない合同就職説明会

こうなることは依頼前から、分かっていた。1〜2ヶ月前に同じ合同就職説明会が異なる場所で開催されたときも、参加者は少なかったからだ。。 そして、こうなることを一番分かっていたのは運営側の人たちだと思う。

今回に限らず、人が集まらない合説は開催され続けている。人材不足が課題の昨今、その対策のために予算が付き、出展事業者もどうせ人が集まらないことを知りながらも、行政や社協主催の合説の多くは無料で出展できるため、1人でも出会えるのではあればという可能性にかけて出展し続ける。

そして終ったあと、出展事業者は「やっぱり人が集まらなかった」と帰っていくのだ。主催や運営関係者は、事業の失敗を「介護だから人が集まらない」「介護は不人気」だという理由で片付ける。さらには主催は委託業者の責任にし、委託業者は主催団体の非協力的な態度に不満を覚えるのだ。

行政・委託業者・出展事業者の立場はそれぞれ違えど、目的は同じだ。もっと関わるプレイヤーが協力して力を最大限に発揮できたら、もっともっといいものが生まれるのではないだろうか。

誰も言葉にはしないが、「人が集まらない合説」にはもう、誰もがうんざりしているのだから。


私も同じ失敗をしたから

言葉が過ぎるのかもしれないが、このなんともいえない空気が、私にはもう耐えられない。人ってものすごく可能性があるのに、それが全く活かされていない。その環境は、ただただ時間を消費するかのようにその人を動かし、それが当たり前になっていく。

学生の頃からお世話になっている方たちが運営にも関わられていて、しかもゲストとして招かれている立場として、最低な行為なのかもしれない。

私も昨年から同じような合同就職説明会を委託される立場になり、合説の人集めの難しさは嫌というほど分かっているつもりだ。そして、同じように関わった合同就職説明会に人が集まらず、同じような失敗をした。しかも2度も。

微妙な結果は、とくに誰から責められるわけでもなく、それがまた苦しかった。悔しくて、悔しくて、悔しくて、私がお招きしたゲストさんと出展事業者さんとの懇親会でビービー泣きながら、二度とこんな悔しい思いをしたくないと思ったのだ。(付き合って下さったお2人には本当に感謝だ。)私の中で最悪のエピソードとして刻まれているからこそ、違う立場とはいえ同じ状況が繰り返されている現状にはもう、耐えられないのだ。私も失敗したからこそ、そろそろやめよう、変えてこうと叫びたい。


「介護だから人が集まらない」は、ウソ。

この失敗を糧に、うまれたと言っても過言ではないのが、船橋で昨年初めて開催された介護・福祉の就活イベント「PORT」だ。

これは、第1回目の写真で、学生の参加者は67名であった。今年の1月に開催された一般の参加者を対象にした2回目は、参加人数112名。課題はもちろんあったものの、比較的盛況に終ったのではないだろうか。ちなみに第1回目が終ったあとも安堵とやりきったあとの充足感で泣いた。笑

もちろん私だけの力ではない。行政、業界団体、出展事業者、学校やハローワークなど、あらゆる地域のプレイヤーが思いを共有し、一緒に力を合わせて連携しながらつくったからこその結果だ。詳しくは改めて書きたいと思う。

決して正解はないけれど、それでもまだまだ工夫次第で人は集まるのだ。毎年1,000名のエントリーを越える人気の介護会社があることが、そのことをとっくに証明してくれている。介護のおもしろさを知っている私たちが、この仕事のおもしろさを伝えることを諦めるには、まだ早いのではないだろうか。

さて、こんな強気のブログを書いている私は今、今週末に船橋で開催される“合説”のことで頭がいっぱいだ。3回目の開催とはいえ、参加者が集まる確証は持てていない。当日フタを開けるまで、何人来てくれるのかわからないこの類の仕事は、胃が痛い。そしてさらに追い打ちをかけるかのようなブログを自分で書いてしまっている。

ことを、結果を持って示せたらいいのだけど…。くぅーーー!

7月22日(土)、想いを込めたこの企画が、多くの学生さんに届きますように。 詳細はこちら


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