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初めての災害支援の葛藤と失敗、やったこと(ご支援金のご報告)

史上最強の台風が関東に来る…!台風が接近していた日曜の夕方は、横浜スタジアムで1度は行きたかったsuchmosのライブ。カッパを着て怪しい雲行きの中、雨が降ったり止んだりする中でライブを楽しんだ。最高だった。

終わったあとはまっすぐ帰り、大した備えもせず就寝。確かに風は強く何度か目が覚めたけど、その程度。そこまでじゃなかったな〜なんて思いながら翌日もライブの余韻に浸りながら朝も普通に出社しオフィスで仕事していたら、同じシェアオフィスの仲間が「屋根が飛んだ」と出社してきた…。

そこから車内泊して家に帰らず仕事している姿や、SNSで千葉の施設が停電や断水していて大変な状況の情報が日常的に目に入り、私も何か力になれることはないものだろうか…と毎日気になっていた。とにかく気になって気になって仕方なかった。

災害支援、ど素人の失敗

13日の夕方〜、約束していた予定が「千葉の被災した施設に現場職員を送るため現場の調整に入る」という理由でリスケになったので、13日〜14日の昼過ぎくらいまでの時間なら私も何かできるかもと。

でも、介護職や医療職のように発揮できる専門性もなければ、重い荷物を持ち運べる筋力は皆無、使える時間も限られていていて、自分でも何ができるのかよくわからないまま、人員としてその場で使ってもらえたらと思い知人に連絡した。連絡受け取ること自体がこの忙しい中で迷惑かもしれないし、停電中無駄な連絡は充電食うよなとか、いや、猫の手でも借りたいくらいかもしれないとか、送るか送らまいか迷いに迷いながら連絡した。返事はなかった。

「「何かできることがあったら言ってください」というセリフは親切そうに見えながら一番厄介です。何をしてもらうかを被災者に考えさせるという点で最も消耗させます。相手が何が必要であるかは観察によって誰かが的確に判断すること。」

twitterを開いたときに目に飛び込んで来たツイート。これはまさに私のことだと反省。w 

結局悩んでもよくわからなくて何もできないみたいなところで着地しがちなんだろうな〜と自分の感情の動きを見て思った。

初のpolcaで支援金調達

知人のSNSで物資に困っているという情報を見かけたので、これなら何かできるかもと連絡してみた。

「○○さんの投稿見ました。明日夕方から夜にかけてになってしまいますが、食料など持っていくこと可能です!色々もしかしたら集まっているかもしれないので、特にこれが欲しいみたいなものあれば教えてください」と連絡すると、すぐに「まぢっすか?」と、必要物品一覧が送られてきた。

必要なもののリストを見て、高齢者だけでなく幼児の暮らしもかかっていることが伝わって来て、もう後戻りできなくなったなという感覚を覚えた。物資を持っていくだけなのに大袈裟な表現だが、初めてのことなので、とっても勇気が必要だったし、なんなら「一緒に行くよ」と背中を押してもらえなかったら絶対に行けなかった。(意外とビビり)

水の横の備考欄に「おたがいさま」と書かれてあり、停電や断水が続く中、助け合っているんだよな〜と思うと、早くお届けしたい気持ちになった。

ただ・・・・必要なものがあまりに多い。笑 

5万あれば足りるかな?いやもっとかかる?当分洋服買うの我慢しなきゃかな〜とか、貯金いつまでたってもできないな〜とか(笑)、純粋に助けになりたい気持ちの反面、自分が無理してまでやるのは嫌だな〜〜〜って感情も湧いてきた。自己犠牲の上に成り立つ支援は、私は続けられないな〜と。

周りの大切な人が困った時にポーンっと必要資金を出せたりするくらいの力を持てるようになれたらいいなと思いつつ、今は無理なので、でもやらない選択肢はもうないし、せっかく行くのにちょろっと持って言っても仕方ないから、今回は周りの人の力を借りようと、支援金を集めることにした。

初めてのpolca、目標金額50,000円でスタート。

文字数が許す限り、いつ、どこへ、何をするのか具体的に書き、polcaの設定上、もっとも少額の300円から支援をして頂ける設定にしてスタート。仕事から帰って0:30頃公開したのにも関わらず、あれよあれよとシェアが広がり、寝る前には達成。

もうこれ以上伸びても買い出しで使えないと思ったので、プロジェクトを終了しようと思ったら、polcaの仕様上「1日」経たないと終了できないことが発覚!w

無駄な物資を買ってもしょうがないので、支援金余ったら寄付しようと決めて、1日見守ることに。ありがたくも支援の伸びは止まらず、知らない人から「多古町のためにありがとうござます」「千葉のためにありがとうございます」と感謝までされてご支援をいただく始末。

みんな何かしたいけど、何もできないやるせなさみたいなものを感じていて、そのきっかけさえあれば大きな力になるな〜と実感。目標金額を大幅に超える221,700円の支援金が集まりました。ご支援いただいた119名の方、シェアしてくれた方、本当にありがとうございました。

個人的には、polcaの募集ページを見た人の、なんと半数以上もの人がお金で支援してくれて、自分のネットワーク最高すぎることを実感。泣

支援と迷惑の境界のはざまで。

人からお金まで集めている人がするツイートじゃないかもしれないけど、朝はこんな気持ちだった。人の想いも乗っかったお金だから、きちんと使いたかったというのもあると思う。純粋に何か力になりたいという気持ちで始まったものの、「何もしていないなんて」という自分の気持ちを取っ払いたいというエゴもあったし、物資届けて満足するような自分は嫌だという気持ちもあった。

よい支援者とは一体なんなんだろう?と、ぐるぐる。いつもより早めに仕事をはじめたのに、いまいち集中できず(笑)、15時に仕事を切り上げ出発。被災地支援している時間あったらもっと日本の介護の問題に貢献することに時間を使う方が役割なんじゃない?メンバーの仕事手伝ったら?もっと救うべき人がいるとでは?とか、ここでもいろんな気持ちが沸きながら。笑

もう、ほんとうにめんどくさい人間ですね。

多古町に物資をお届けに

レンタカーを借り、オフィス近くのぱぱす、100均、スーパーで、リストとメッセージでもらった必要物資を調達。帰宅ラッシュと重なり渋滞で2時間以上かかり19時前に到着。道は何も問題なく通れたが、ところどころ木が横たわっていたり、何かが割れてガラスが飛び散っていました。基本的に暗くてあんまり見えなかったのですが、この暗さは停電の影響か、田舎ならでは(地元の山口は真っ暗な道とか普通なのでw)なのかよく分からなかった。

目的地の、多古新町ハウスに到着。

到着すると、近隣の事業所の職員さんたち、町の居酒屋の店主?、今日は1日山の掃除をして来たというアートディレクター、支援に来ていた埼玉の大学の先生。みなさんとっても喜んで迎えてくださり、その姿にちょっと安心した。

私たちの物資だけでなく、たくさんの物資がここに集められ、この場所が多古町の災害支援のハブとなり町全体へ届けられているようだった。

多古町の事業所の停電や断水・被災状況、必要物資の情報や、独居高齢者の情報が共有されたり、行政区分的には外れてしまう隣町の近くの特養の情報などまでマップには書かれていた。

ちょうど伺ったタイミングで、「多古町では災害ボランティアセンターの立ち上げはしない」という情報が入って来たばかりで、「自分らでやるのがタコっぽいね〜」と笑いながら話されていた。驚くほど前向きで、適切な表現かわからないが、大変な状況の中でも面白がれる力は強いなと思った。
※数日後ボランティアセンター立ち上がったみたいでした。


支援金のご報告

みなさんからご支援いただいた221,700円は、物資購入費・移動費として使用させていただきました。本当にありがとうございました!

polca 支援金 221,700円
 →10%手数料をひかれて振り込まれた金額 199,314円
知り合いから振込希望で預かった 30,000円
ミーティング調整してくれた取締役から預かった 5,000円
みなさんから頂いたご支援金 234,314円

物資購入費 99,121円
レンタカー代 6,904円
高速道路代 5,810円
駐車場代 1,600円
かかった費用合計 113,435円
振込にて寄付させて頂いた金額 120,879円


今回は多古町と仲間を愛してやまない郡司さん(右)の「多古町ケアシステム」用の口座に寄付させていただきました。今回物資のお届けなど全て窓口になってくだった在田さん(左)からはご寄付の御礼と合わせて、今後のご報告もきちんとさせてねとご連絡いただきました。

今回多古町の支援をさせていただきましたが、弊社のお客さん含む2万件以上停電が続いている状況で心配な状況は続いています。

個人的には今回の災害をきっかけに今後より介護×防災について考え、行動していきたいと思いました。

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