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店員が2人しかいない料理店にみる、人材不足のその先のカタチ

7月25〜30日、早めの夏休みをもらいインドネシアのバリ島のウブドという町で行われたソーシャルイノベーションの最前線を学ぶツアー「IMPACT BALI」に参加した。そこでの体験が素晴らしかったので、少しずつブログにも書いていきたい。

今日はツアー4日目のランチで訪れた、ベジタリアンのお店「9Warung(ナインワルン)」での体験について。

緑に囲まれた素敵なお店は、全てセルフサービス。

空いた席を取ると、店員さんにお茶やメニューを出されることはなく、こんな感じで自分で食事を取りにいく。私たちの後に来た観光客の様子を見ていると、最初は席に着き店員が来るのを待っていたが、近くにいた別のお客さんにお店のシステムを教えてもらい、食事を取りにいっていた。

私が選んだのはこちら。ご飯は3種類で白米、レッドライス、イエローライスがあり、野菜を使ったお惣菜(と言っていいのか…)の種類も豊富だった。 そしてどれも美味しい!

これはメニューと値段表。それぞれのメニューがいくらかが書いてある。1スプーンの金額が決まってて、自分の好きな分だけ盛りつける。

そして支払いは、机に置いてあるビンに“自己申告”で入れるのだ。

ビンを目の前にいくら入れるか考えている様子(笑)ちなみに私は500円くらい入れた。(実際に計算してそのくらいだったので)

そして食事が終わったあとは自分でお皿を洗って帰る。なんとも楽しそうw

私たちが訪れたときにいた店員さんは2名。2人は料理を作っていた。それ以外はお客さんが盛り付け、支払い、食器の片付けも全てやってくれるから必要ないのだ。

今、人材不足への対策として移民の受け入れや、人工知能やロボットでの代替されつつある職業もある。**足りないものをどう補うかという思考に陥りがちだが、あるものをどう活かすかという視点に立ったとき、まだまだ見えていないものがあるような気がした。 **

自己申告で支払うという人の善意をベースに設計され、「お客」「店員」という役割の既成概念を崩し、「お客」の主体性を引き出すとてもユニークなお店。このお店をつくったのが、上の写真の右のTHONYさん。左にいるのが、お店に案内してくれたあすかさん。

あすかさん「なんでこんなお店のスタイルにしたの?」

THONYさん「普通の人生って退屈でしょ」

あすかさん「笑!! お金を払わない人はいないの?」

 THONYさん「いるよ。でもそれは別の場所でも同じでしょ。この店を必要とされたら人が来てお金を支払ってくれる。必要とされなくなったら店をたたむまでさ。貧しくて払えない人は、お店の仕事を手伝ってくれたらいい。

人の善意で成り立っている9Warungは、なんと店舗展開もしているんだとか。とーっても心温まるお店で、幸せな気持ちになりました。


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