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舞浜戦記・序章:総合案内所(ゲストリレーション)

みなさんこんにちは! 舞浜戦記へようこそ。
私はこの舞浜戦記の筆者・あっくんです。

みなさんは東京ディズニーリゾートへ遊びに行ったことはありますか?
私はかつて東京ディズニーランドでキャストをやっていました。
混雑時は1万名を超えるキャストがTDRの両パークで働いています。
キャストというのは従業員。テーマパークを支える、なくてはならない職業です。ただし、ディズニーリゾートの主役はミッキーやミニーたちキャラクターです。

TDRには様々な施設がありますが、僕が携わっていたのはアトラクション。全部で7つのアトラクションで勤務したことあります。最も長く勤務していたのがスプラッシュ・マウンテンです。
日々刻々と変化するテーマパークを間近に感じながら、その進化を眺めてきました。

思いつくままに書き連ねてきたら、ずいぶんとっ散らかった駄文だらけになってしまいました。

最初は時系列順にきちんと書いていこうと思ったけど、マイルールが少しずつ崩壊しつつあるので、あまり気にしないで続けようと考えています。

とは言え、手を付けにくい記事であることは承知の上なので、一応ライナーノート的な解説文を用意しました。

ディズニーといえば専門用語が横文字オンパレードです。知らない人が聞いても何がなんだかさっぱりだと思います。それなのにその専門用語を連発して書いているので、ディズニーのテーマパークに興味がない人が読んだらどれだけチンプンカンプンか。本当にすみません……

と、言うわけで、せめて用語解説はしておこうと書いたのがこれ。

1.基礎知識編

舞浜戦記のトリセツですね。
あ、スピールとはキャストが声を出して告知をする「セリフ」のことです。

続いて、本当に役に立たないキャスト用語。

紹介した用語があまりにも偏り過ぎていて、ただひたすらイケてないな。紹介するならもっと基礎的な用語を載せなきゃ。

でも自分一人だけウケてるこの微妙な雰囲気、悪くないぞ(自画自賛)。


東京ディズニーランドに入園して、メインエントランスから一番奥の奥地に、クリッターカントリーは位置しています。
本当にランドの片隅で、僕はずーっと勤務していました。

時々あちらこちらの別のエリアへ行ったりして。それもまた楽しかった。でもまずは、クリッターカントリーから描写しておかなきゃな、と。

僕が現役でキャストをしている間、幾度も考えたことの中に、マイベストシーン・ランキングがあります。
自分が見た最も素晴らしい光景は?というのを常にランキングしていました。どんな場面が最もステキだったか、面白かったか、エキサイティングだったか。でもキャスト目線で書いているので、遊びに来た人にとってはあまり響かないだろうな。

そして次は……書かなきゃよかった(笑)。

明細の間に挟まったウォルトの名言を翻訳すると、こんな感じかな。
世界で最も素晴らしい場所を、誰もが夢に見、創造し、デザインし、作ることができる。だがそれを実現するのは人なんだ

仏像は誰でも作れるけど、そこに魂を込めるのは人なんだよ。ということですね。

でもウォルトの言葉で、僕が最も好きな言葉は別にあるんですよ。
そのうち紹介しますね。

失敗談。懐かしく恥さらしで、かつ他人事のよう。
いや、もっとでっかい失敗もあるけど、さすがに公開できない……。

気が向いたら書くかも。
最終章あたりでスゴいのを出さなきゃな。

さて、ようやくアトラクションの話へ行きます。

2.蒸気船マークトウェイン号

園外まで響き渡る鐘の音:蒸気船マークトウェイン号・01

僕がキャストになって初めて配属された蒸気船マークトウェイン号でのできごとです。デビューしてまだ半月足らずだったのに、いきなりゲストに殴られた話。

タイトルは、舞浜駅から伸びるペデストリアンデッキを歩いて出退勤していると、パーク外にいても蒸気船の汽笛が鳴り響いているのが聞こえて来ます。
ああ、自分がいない時も船は動いているんだな、と一発で分かる、というシーンをイメージしています。

キャストの最も重い罪は遅刻である:蒸気船マークトウェイン号・02

キャスト経験のある人なら誰でも共感してくれるであろう、時間厳守のお話。キャストって本当に時間に厳しいのです。「一分でも遅刻は遅刻」この言葉を何回聞いただろう。
僕も当初は遅刻を重ねてしまい、リーチがかかったお話です。

最初から期待されていなかった僕:蒸気船マークトウェイン号03

遅刻を連発した僕は、マークトウェイン号でいわくつきの新人になってしまいました。このままでいいのかっ!と一念発起したのが、僕の原動力となりこの後のキャスト経験の基盤となっていくのです。もしこれがなかったら、すぐ辞めていたかもしれません。

そう考えると、何がこの先の人生を決めるのか、本当に分からないですね。

そしてコスチュームのダブル貸与は禁止になった(前編):蒸気船マークトウェイン号・04

本当はこの話、書くのやめようと思ったんですよね。だって直接僕がやらかした話ではないし、あの後Kご君はほどなく卒業して退職してしまうので。

ただコスチュームの話って、デザインくらいしか話題にするネタがないじゃないですか。実際の着心地はどうかとか、本当は何を着たかったとか値段はいくらくらいか、とかは面白そうだけど。

ちなみに、ホーンテッドマンションの女性キャストのメイド服は一着10万円もするそうですよ! 当時は最も高額なコスチュームと言われていました。今はどうなんだろ。TDSのコスの方が高いのかもね。
でもあのメイド服、彼女たちに聞くとかなり○○臭いらしい……(笑)。

ちょっと珍しい、他の人が触れないようなネタだったので書いておきました。ダブルイシュー禁止は、のちのちまで悪影響を及ぼしたので印象に残っていたのです。
あの事件のせいで、どれだけみんな迷惑したことか(笑)。

そしてコスチュームのダブル貸与は禁止になった(後編):蒸気船マークトウェイン号・05

そう言えば、ここに掲載したイシューカードだけど、2000年代に入って以降、複写式からレジロール形式の熱転写プリンタで打ち出す用紙になったんですよね。
これが外気にさらしていると印字が薄くなっていって見えなくなる。新しい用紙も持っているけど、ほとんどアイテムの名称が薄くて読みにくくなっています。

あ、上の記事で、ビッグサンダー・マウンテンのバンダナの巻き方をイシューキャストが教えてくれなかったと書いたけど、本当は知っていたのかもなぁ。でも僕の時は、確かロケーションで教えてもらって下さい、って言われたと思うんだけどな。

人は自らの性格を変えることができる〜蒸気船マークトウェイン号・06

春のアメリカ河の自然は、生命がキラキラ輝いていてここが埋立地だとは思えないほど。匂い立つ草花の新緑、やや塩素くさいアメリカ河の水面、鳥たちが舞い飛んで森を賑やかに彩る。明るく暖かい日差しが照りつけて、夏の到来が間近に迫っているのに気付かされます。
そんな中を蒸気船が航行していくのです。
のんびりした船旅が、ちょっと単調ではあるけれど、趣のあるひととき。

スプラッシュ・マウンテンに異動した後も、この独特の世界観は自分の中でひときわ思い出深く記憶に刻まれています。

またカヌーキャストの面々とも仲良くなったり。途中アメリカ河のルールの解説がありますが、アトラクション同士がお互いに譲り合って動いているんだと分かっていただけたら本望です。

テレビ取材で僕が受けたダメ出し〜蒸気船マークトウェイン号・07

なんか僕、何気にテレビに出た自慢してますね(苦笑)。
ネタが薄いので関係ないことばっかり書いてます。汽車の話は別の機会に書こうと思っていたのに思いっきり書いてるし。

この時マークトウェイン号の取材に来たテレビ局は、確か四国の地方局だったんですよね。高松?高知?うーん覚えていない。

こうやっていろいろ思い出してみると、実はマークトウェイン号とスプラッシュ・マウンテンって近いだけあって、因縁を感じるできごとがいくつもあるんですよね。

たとえば、僕がマークトウェイン号の勤務に入っている時に、スプラッシュ・マウンテンの第一号採用キャストが見学でマークに乗りに来たことがあったりとか、某スプラッシュのオープニングキャストが何度もインパークして乗って来たとか。
僕が一緒に勤務したマークトウェイン号のリード4名が、その後F原さん以外がみんなスプラッシュへ異動してきたとか(ありえないだろ!)。
これはあとで書いてみるつもり。

操舵室の僕が、船を止めた:蒸気船マークトウェイン号・08

これはけっこう珍しいアクシデントで、マークってあんまり緊急停止することってないんですよね。おそらくマークキャストの経験者でも船を止めたことってあんまりないんじゃないかな。僕も一年半くらいやってて、この時一回きりだし。

実はこの時のエピソードで最も印象に残っているのは、船を止めたことではなく、他にあります。それは……おっと、今はまだ言えないぜ(笑)。
楽しみは後に取っておくタイプなんで。

マストにひるがえる旗と、船の最大の弱点:蒸気船マークトウェイン号・09

マークトウェイン号に掲げられた旗のお話です。
実は、あの旗が何枚あるか知らないんだけど、数ヶ月おきにクリーニングしてるんですよね。コスチュームと同じで、洗濯に出して、数ヶ月おきに交換するんです。

で、クリーニング済の旗をリードが持って来て、今まで使っていたのと並べてみると、もう色が全然違う(笑)。

一日中マストに掲げていると、やっぱり汚れるんですよね。雨が降れば当然濡れるし。
結論:舞浜の空気はすこぶる汚い。クリーニングした旗はめっちゃきれいで色が鮮やかなんですよ。

船着場の隣は新アトラクション建設現場:蒸気船マークトウェイン号・10

いよいよマークトウェイン号とスプラッシュマウンテンの関連性が色濃くなってきます。

つくづく僕が幸運だと感じるのは、こうやって思い出をほじくり返してみると、マークからスプラッシュへ異動したのは何かの因縁だとしか思えないんですよね。

だって、隣のマークトウェイン号にいたからこそ、スプラッシュの出来上がってくる過程をじっくり毎日観察できたんだし。
あのジオラマ模型だって、最初見た時はまさか自分がこれに関係するとは夢にも思っていなかった。

マークトウェイン号の航行するアメリカ河のすぐ横で、クリッターカントリーは建設されていたんだけど、工事現場で働く作業員達は園内とは無関係。船上から見ていると、斜面の土手でよく作業員達が寝転がってこちらに手を降っていました(笑)。

でもこれはバッドショーなので、船着き場に戻るとリードに報告する。そして工事関係者へ電話で連絡しやめさせるように依頼するのです。だって夢壊しまくりですからね。
ひどい時は、ロープを張ってそこに洗濯したぞうきんを干したりしていた。やりたい放題だったなぁ。

つまり、T住さんにはあらためて大感謝ということかな。


蒸気船に別れを告げるとき:蒸気船マークトウェイン号11

スプラッシュ・マウンテンへの異動が決まったエピソードです。

今でも思うのは、この時スプラッシュへ行けなかったらどうなっていただろう、ということ。実はこの話から数年たった時期に、マークトウェイン号のトレーナーが何名か、スプラッシュへ異動したりクロスで一時的にやって来たりしていたんですよ。

ということは、たとえこの時点で行けなかったとしても、その数年後に、僕もひょっとしたら行けたかもしれないな、と思ったり。

自分の希望するアトラクションへ行くことはほぼできないけど、同時に奇跡はどこかに眠っているんです、舞浜には。

それで奇跡があったから、この舞浜戦記が書けたんですよ。とうまくまとめてみる。

年末年始のクライマックスはカウントダウンパレード:蒸気船マークトウェイン号・12

おっと、大事なエピソードを忘れていた。

冒頭が非常に分かりにくいぞ(汗)。後で修正します。
つまりアトラクション・キャストって、自分のアトラクションでの勤務以外に、パレードのお手伝いもしている、と言いたかったわけ。
そのパレードも三種類あって、昼間のパレード、夜のパレード、そしてカウントダウンパレード。年に一度きりの貴重なパレードについて書いた回ですね。

訳も分からずにいきなり入れられてしまったカウントダウンシフト。
やる前の何の興味もない状態→やってみたら超面白くて夢中になる
このパターンってけっこうあるんですよ。
キャストの仕事にハマる人って、絶対誰でもこういう体験をしているはず。


後から思い出してみると、まだまだネタはあるけど、とりあえずこれでマークトウェイン号編はいったんおしまい。






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