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【舞浜逗留亭:特別編】スペース・マウンテンのヘッドセットについての、誰も暴露してくれない話

みなさんこんにちはー!
あっくんさんです。

僕は普段、舞浜逗留亭というブログを書いています。



今回は特別編ということで、noteにお邪魔いたします。

今回テーマに取り上げたのは、ジャーン!
スペース・マウンテンです。

スペース・マウンテンの入口から入場し、列が進んで、いよいよ乗り場に到達すると、もうすぐ乗れるという期待感でいっぱい。
周りを見る余裕はないですよね。

おぉーロケットが動いてる〜、と見とれていると、あっという間に乗り場に降りていき、案内されて気がついたらもう乗ってる。そしてガーッと出発して暗闇の宇宙空間へ。

だからほとんどの方は、乗り場の様子なんか覚えちゃいないと思います。
ましてや、キャストがヘッドセットを装着していることなど、記憶の片隅にすら残っていないでしょう。

しかし!
あえて言いたい。

スペマンのキャスト達にとってヘッドセットはとても重要なアイテムです。決しておしゃれだからとか、いかにも未来チックだからという理由で付けているわけではないのです。

とても、とても重要な役割があり、あれがないとロケットは動かせない、と言っても過言ではないのです。

そこで今回は【舞浜逗留亭】特別編の超限定版として、スペース・マウンテンキャストがつけているヘッドセットについてのお話をお送りします。
運営上の秘密に関わることですので、あまりおおっぴらにしたくない。知られたからどうだってことでもないけど、誰でも知ってていいってものでもないかな、と。

でも正直、キャストさん達はどんな会話を交わしているんだろう?って気になりますよね(笑)

さあどうするか、と考えた末、有料版でお届けすることにしました。
理由は本当に知りたい人だけに教えたいのと、ノイジーマイノリティ除去のため。
と言っても手の届きやすい、僕にスタバのコーヒーを奢ってくれるくらいの感覚で手に取れるような価格を設定しました。
500円です。

途中までは無料エリアですので、お読みいただいて続きが気になったら購入でもいいかと思います。

良心的な価格だけに、あまり多くの人には行き渡らないようにしたいので、場合によっては途中で販売停止にするかもです。
めちゃくちゃ興味がある人だけ、お読みください。
(まあたぶんないと思うけど)

あ、念のためお断りしておきますが、ここに書かれた内容は、大昔に僕がやっていた時代の運営方法です。おそらく現在は相当に異なった方法・手順・システムになっているはず。
ですので今は違うじゃんというご意見は、ありがたくスルーさせていただきます(笑)

いつものごとく、あくまで昔話としてお読みください。
というわけで、今回は特別編です。

それではみなさん、いってらっしゃーい♪
キーン!


ヘッドセットは乗り場キャストだけが装備する

さっそく解説に入ります。

ヘッドセットは、乗り場のキャストだけが装着しています。
ごくたまーに、屋外の入口付近にいるキャストがつけている場合もあります。ただしかなり珍しいです。それは何か理由があって、館内の状況を把握しておきたい時ですね。ほぼないですが。なにせ電波が弱くて、屋外でつけていてもよく聞こえないみたいです。

列に並び、乗り場の広い空間に入ると、何人かのキャストが配置されているのが見えます。

その中でヘッドセットを装着しているのは全部で3名います。と言っても、ゲストとして実際に会えるのは2人。

まず1人目は降り場側のコンソールについているキャスト。(今は乗り場側も装着していますね)
2人目は、ロケットが出発して少し進んだところにいるキャスト。
3人目は、タワーのキャストです。

タワーって、どこかって?
タワーとは、ロケットに乗って進むと進行方向の正面、上の方に大きな窓があります。あの中に人がいますよね。あれがタワー(管制塔)です。
(ひょっとしたら今は館内が暗いので見えにくいかも…)

この3人は常にいつでも交信できるように備えています、いざという時のために。
いざって、いつ?
と、思いましたよね?ね?

そう。そんな時が、来るんです。笑

その話の前に、まずはおさらいです。

すでに読んでます?
なら大丈夫ですね。話を続けましょう。

上の記事で、最後にちょっとだけ触れた、ロケットの引き込みという作業。

記事を読むのが面倒な方へ、簡単に説明すると、ジェットコースターは一本の軌道(コース)上に複数の乗り物が走っています。様々な理由で、台数を増やしたり減らしたりするのですが、減らさないといけない状況が発生します。それが『引き込み』という作業です。

引き込みは、進行する軌道(レール)を切り替えることで、支線に乗り物を逃がす作業です。ストレージという格納スペースがありますが、そこへ入れます。

よくYouTube動画で秘密のコースなどと紹介されている場所です。
簡単に説明すると、こんな感じですかね。

スペース・マウンテンの乗り場概略図

超簡単な図ですみません(笑)大きさとかは僕のイメージなので、実物とは異なるかもですが。
まあこんな感じで時々格納されます。

で、その際に、ヘッドセットを使ってキャスト同士が交信することでロケットの引き込みを行うんですね。

さて、ロケットの引き込みを行うには、軌道(レール)をストレージ側に切り替えたり、元に戻したりします。前方、真っ直ぐ進んでいったん止まる場所、あそこに切り替えポイントがあるんです。ロケットをストレージ(格納庫)へ入れるには、そこを切り替えるんですが、それを操作するのはタワーキャストです。

タワーコンソールには、トラックスイッチを切り替えるツマミがあります。
ということは、
(よし、ロケットを引き込もう!)
と、判断するのは、タワーキャスト?と思いますよね。

違います。なぜなら、タワーキャストは、乗り場の状況を目の前で見ていません。だから判断はできないんです。
見ようと思えば正面なので見えますけど、上から見ているので少し遠い。あのガラス窓の中から乗り場を見ると、けっこう遠くて、ロケットが動いてるなー、くらいな感じで。よーく見える、とまでは行きません。安全確認がしにくいんです。

じゃあ誰が?
乗り場でさまざまな事象が発生し、あっ引き込もう、と判断できるのは乗り場キャストです。その中でも、ロケットの近くにいるキャスト。

乗り場側、乗車列(ゲートの中)にみなさんを案内するキャストは違う方向を見ているので不可能です。ゲートの外側や降り場側のキャスト達が判断します。
乗り場の状況を見ていて必要な時が来たら、タワーに連絡します。その連絡手段がヘッドセットなんですね。

連絡するだけなら他にも手段はあります。コンソールパネルには電話がついていて、全ての機器はタワーに連絡する電話機があります。
しかし、その場へ行って受話器を取り上げる時間はないのです…

モタモタしてたら、次々とロケットが戻ってきて滞留し、すぐ運営停止してしまいます。ここは(ロケットを引き込む時は)1秒でも早く対応しなければならない場面なんです。
引き込みを判断するキャストと操作するキャストが違う。これが、スペマンの運営を難しくする要因の一つなんですね。

ヘッドセットの機器解説

ヘッドセットは頭に付けるスピーカー部分とマイクと、バッテリー部分に分かれています。まあ普通のヘッドセットですね。

最近はWi-FiとかBluetoothでつなぐヘッドセットがどこでも買えますが、ああいうのとは違う種類のものだと思います。おそらく無線機に近いのかと。劇場などで使用される専用の周波数帯を使用した機器でしょう。ラジオマイクっていうやつかな。
僕らは単にヘッドセットとしか呼んでいなかったので正体は不明です。

特徴的なのはバッテリー部分。頭に装着する部分と、コードで接続された本体部分に分かれています。
タバコの箱くらいのサイズです。タバコよりちょっと厚みがない。そこにマイクのスイッチが付いています。トグルスイッチという小さな棒みたいな部品をカチッと倒すことでオンオフできます。

それで、先日YouTubeを見ていてバッテリー部分が映っているのを見て懐かしい!と思い出したんですよ(それで今回書こうと思ったのです)

バッテリー本体はベルトにかけるホルダーが付いているので、コスチュームのスラックスの腰のベルトに引っ掛けることもできます。腰に付ける人と、コンソールパネル上の2つ横に並んだボタンの間にかける人がいました。

多くの人が、コンソールの大体真ん中あたりに並んだ2つのボタンの中間に、斜めにして引っかけて置く。ちょっとバランスが危ういんですが。
えっ、どこかに置けよって? いや、当時のコンソールパネルは表面が斜めだったので物を置けなかったんです。だから仕方なくボタンに引っかけるという。

先日見た動画で、ボタンに本体を引っかけているシーンを見たんですが、どこだったか忘れてしまい、見つかりませんでした(泣)
見つかったら追記します。

なんでそんなことするのか?
バッテリー本体を、腰のベルトにつけるとスイッチを入れるのが面倒なんですよ。常に周囲の安全確認をしていないといけないので、視線を落とすことができない。スイッチを入れるために手探りでスイッチを探す無駄な時間が発生する。どこだどこだ…とやってるうちに、指示を出すのが遅れる、その短い時間が惜しいんです。
それくらい時間に厳しいアトラクションなので。ほんの1秒の遅れが命取りになるのがスペマンなんです。

ボタンの間にかける人、結構いたんですよね。これだと手の近くにあるので、素早く反応してヘッドセットで喋りたい時にすぐオンにできるんです。
でも反面、うっかり落としそうでそれも気になる。
僕は両方とも試してみて、最終的に腰のベルトにかける方式で落ち着きました。手を滑らせて本体を落とすと、はずみで頭につけたヘッドセットが落ちそうだから。

じゃあ、そんなにヘッドセットでひんぱんに交信するなら、常に電源オンにしておけばいいじゃん、と思うでしょ?

それが、ダメなんですよ。
なぜかというと、オンにしておくと常に自分の声を拾う状態なので、何か喋った声が全部マイクに入って他のヘッドセットを付けたキャストに聞こえるんですね。
しかも普通に喋るだけならまだしも、大抵は大きな声を出します。乗り場はとても騒がしいため、普通の声では相手がゲストでもキャストでも、聞こえません。多少声を張り上げないと相手に届かないんですね。
だから喋る時以外はオフにします。

たとえばコンソールは、ロケットから降りてきたゲストに話しかけられることが、たまにあります。

「すみません、トイレってどこにありますか?」とか。
「あっはい、トイレは…」

と、元気よく答えるわけですが、その時にヘッドセットのスイッチが入ったままだと、その大きな声がヘッドセットをつけた全員の耳に入ってきます。大きめの声量がそのまま入ってくるのでビビります。タワーは普段静かであまり音がしない部屋ですが、突然誰か(ほぼ100%コンソール)の声が飛び込んできます。

それくらいならまだしも、時々ホールドサインを出す時があります。
ホールドサインとは、安全上問題が発生した時に出すサインで、ロケットを急に止めたい時などに出します。大抵は大きな声でホールド!と発声します。というか声を張り上げます。
「ホォールドォ!!!!!」です。
めっちゃ気合いを込めて叫びます。もちろん周囲のキャスト全員に知らせるためです。

そんな怒鳴り声が、もしヘッドセットのスイッチが入ったまま放たれたら…分かりますよね。耳がキーンです。ロケット発車音どころじゃありません。

しかもあれ、自分の出した声が自分自身の耳にも返ってきて聞こえます。自分が怒鳴って自分の鼓膜がキーンですから!笑
うっかりやらかすとしばらく耳鳴りが…。もちろん僕もやらかしたことがあります…(悲)

おっ、この動画を見たら、バッチリ写っているシーンがありました。さすがはYamatostyleさん。

ほう、今は横に置く場所があるんですね…羨ましい!

YamatoStyleさん:YouTube動画より


僕らの時代は、コンソールパネルの表面が斜めに傾いていて側面の隙間もなく、物を置くことができなかったんです。彼は脇にバッテリー部を置いてスイッチを操作してますね。いいなぁ。

ヘッドセットがないと運営できないシステム

さて、いよいよここから有料部分に入っていきましょう。

何度も言いますが、これはすべて昔の話ですからね。
現在はどうなのか。実際に見に行けば、ある程度僕も把握できると思いますが、そこをあえて行かないのが僕のスタイル。全然見当違いなことを言ってたら笑ってやって下さい。

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