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映画のリメイクって感想文なんですよね

正月テレビではたくさんの映画番組をやってました。

専門チャンネルでは年中やってますし、テレビ以外のデジタル端末ではネット経由で自由に観ることもできるので昔のように特別感はないですが。

小説や漫画を原作とする映画や同名作品のリメイクなどでは必ず賛否が分かれるものの、それでもたくさんの作品が作られるということはそれなりに需要があるということなのでしょうか。

特に最近、昔のアニメを実写化したものが多く、ぼくの好きだったアニメなんかも軒並み実写化されていきましたが、そのまま楽しめるかといえば、少し難しいものもありますね。

どうしても原作と比較して話すと否定的になりますが、配給会社や企画会社は様々なことを考慮したうえで制作を決めるわけで、それなりの理由がそこにあるんだと思います。

内容としてデジタル技術を駆使したものやワイヤーアクションでのスタントもの。そして原作を意識したキャスティングで構成されたものなど、それぞれに特徴のある演出で制作の意図はよく伝わってきますね。

で、観た感想になると、原作を知らない映画はそれなりに楽しめるけど、原作を観て育った人にとっては全く別物で受け入れられないとする感想が多く見受けられます。まあ、これは今に始まったわけではなく、コンテンツを扱う全ての業界にあるジレンマのようなものかもしれません。

ぼくも思い入れのある漫画やアニメがデジタル技術の乱用でメタメタにされてしまって ! ってなったこともありましたけど。

でも、よく考えてみると、その映画を制作している人達も原作世代だったりするわけで、リメイク作品を制作するということは、思い入れが有る無しに関わらず、原作のテイストを理解するために多くの時間を費やして昔の作品と向き合っていることは間違いないと思うんですね。

それを思うと、少し作品の見方も変わってくるように感じます。要するにリメイクであろうとなかろうと映画は監督をはじめ制作者の作品であり、それ以上でも以下でもないということです。

昔観たアニメのヒーローは『闘うことを拒みながらも宿命を背負って生きてゆく……』みたいな洒脱さのないイメージであっても、リメイクでは敵をやっつけた後カッコよくポーズをとったりしてるんですね。

これって、今はこうしないとウケないとか、最近の演出はこうだとか言う人もいるかもしれませんが、それは少し違うと思うんです。もし制作者が本気でそんな考え方で演出をしているとすると、それは原作の制作意図が見えてないか、企画側に対して説得できなかっただけだと思います。

そうではなく、リメイク作品のテイストは監督などが原作を観て感じたところ、またはおもしろかったところが強調されたものだと考えると納得できるように思うんです。

黙して語らない孤高のヒーローをカッコいいと思って観ていたのはぼくであって、それがぼくの感想なわけで、リメイク作品にあたった監督は別の感想を持ってあたりまえですから、その演出もぼくのそれとは違うのも当然ですね。

ですからリメイク作品を観るときは『あの作品をこの監督はどう観てたのだろうか』というふうにして観ると別の角度から作品を観ることができるし、純粋に楽しんで作品を観ることができるのではないでしょうか。

全ての原作世代を唸らせる、納得させるリメイク作品ってたぶん存在しないんでしょうし、あえて原作アニメと同じカメラアングル、カット割り、声、SE、で実写化しても『コレじゃない』と言われるでしょうね。

作品を観て多くの人が良い悪いの感想を言い合うことでリメイク作品は完成されるのだとすれば、それが大きな話題となってはじめて成功であると言えるのかもしれません。


お話書いてます。


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