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絵本からやさしさを知った日

約10年程前のおはなしです。

我が家は男の子2人兄弟
学年にして3つ離れている。
現在は長男23歳。次男19歳(今年20歳を迎える)

その時期はちょうどお引越しをした年
アパートから持ち家へお引越しをし
トイレが2箇所になり、子供達が2階のトイレを使っていました。

絵本『みんなのこびと』に夢中の次男

当時次男は絵本『こびとづかん』にはまり
その後、発売された絵本『みんなのこびと』に夢中になりました。
その中でも推しのこびとは【かくれももじり】
お人形を買い
工作でかくれももじりの家を作り
餌をあげ、生きているかのように飼育していました。

そんな次男を私達家族は可愛いなぁ・・・
なんだか自分の子供の頃を思い出し
とっても懐かしい気持ちになりました。
今、振り返るだけでも、ほっこり気分になります。

【かくれももじり】の他に【シノビイエコビト】も次男の推し

【かくれももじり】の他に
【シノビイエコビト】がいます。これもまた次男のお気に入りのこびと
   ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
   コビト網 虫操目
   退触頭科 イエコビト属
    ⚫︎知らないうちにトイレットペーパーが三角に
     折れているのも彼らの仕業
   ✼••┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈••✼
と、大人には難しい
こびとの属性や、こびとの特性が絵本にかかれていました。
なんだか大人が読んでいてもワクワクするおはなし
子供は感受性も強く、想像豊かなので
おとな以上に楽しめるお話なのでしょう

とうとう我が家にもこびとがやってきた

ある日、突然
【シノビイエコビト】が我が家にやってきた。
子供達がよく使っている2階のトイレに!
次男が起きて、いつものようにトイレに行き
すると、トイレの中から
『トイレットペーパーが三角になっている!』
『こびと来たんじゃない』と大声で叫んでいる。

私と夫は顔を見合わせ微笑み
私・・・『夫よ!活かした事するではないか!惚れなおしたぞ!』
夫・・・『妻よ!相変わらずこういうこと好きだよね』

この時に、とっても幸せな気持ちでした。
はぁ、家族って素晴らしぃ。
なんて、幸せなんだと・・・

そう、思っていると
興奮して次男がトイレから飛びだして
階段を駆け降りてくる。

大声で
『ねぇ。ママやろ。やったの?』
そこで私は夫の優しさにのった
『違うよ。こびときたんじゃないの』と、私
 
次男『じゃぁ。パパやね!』
夫よ!どんな神対応するのかと期待する私
夫『違うよ。ほんとに知らない、
  こびとも我が家にお引越ししてきたんじゃない』

おう。なんて素敵な言葉。
さすが、私の旦那様❤︎

すると、また2階へ駆けあがり大声で

次男『にいちゃーん。こびとがきた
   シノビイエコビト!!』

長男『どうせ、パパかママやって』

次男『2人とも違うって言った』
  『僕が来てほしいって思ってたからやってきてくれた!』

大喜び、大興奮

その日は、一日中落ち着かない様子
かごと網を準備し何度もトイレへ行く次男

だけど、朝1回だけで・・・
その日はコビトはあらわれませんでした。

その夜も次男は
『もう、来ないかなぁ。
また来てほしいな』と眠りにつき

私達家族もとっても幸せ気分で眠りについた事を思い出します。

次の日もやってきたシノビイエコビト

翌朝、またトイレに入った次男が
『また!きてる!トイレットペーパーが三角
 ねぇ。みんな来て』と大声で叫びはじめた・・・

おっと、今日も来たのか!と
夫、私、長男でトイレへ行くと・・・
本当にトイレットペーパーが三角に
なんだかちょっと、いびつな形

私、『夫よ。そのいびつさも演技なのか』
夫、『妻よ。相変わらず不器用だなぁ』

2人の心の声が聞こえたようだ。

そして、その日は一日に何回も
こびとがやってきた。

行くたびに次男が『今日、2回目!』
『えー。またきた。えっと3回目!』

そのシノビイエコビトは2週間位やってきた

毎日やってくるシノビイエコビト
特に決まった回数ではなく
その日によってバラバラ
1回の時もあれば、数回の時もあり。

2週間程過ごしてみると
なんだか、規則性がみえてきた
土曜日と日曜日に回数が増えている。

2週間目位になる頃、私は夫に言った。

『よく毎日続くね。その日によって回数が違うのも
 リアリティあるよね。優しさをありがとう』

すると、夫より
考えてもいない返事が返ってきた・・・・
『いやいやお礼を言うのはこっちだよ。
 ママがやってるんでしょ。ありがとう。』と

その時に、
えっ。ホントに来てるんじゃない!シノビイエコビト
と、思ってしまう程
大人の私達も不思議な感覚を経験した。

よく『こびとが見える大人がいる』と
某テレビ番組で話題になった事があったので

本当にシノビイエコビトがいるのではと
信じてしまう程だった。

そう、思い始めた日からシノビイエコビトはこなくなった

私達夫婦がザワザワと騒ぎ始めた頃
パタリと姿を表さなくなった。

実際、見た訳ではないが・・・
正確に言うと。
トイレットペーパーが三角になる事がなくなった。

そんな日々が続き・・・・
次男も騒がなくり、ちょっと寂しい気持ちをしていた頃・・・。

今度は、また面白い出来事がおこる・・・

私の父が次男と甥っ子に提案!『こびと探し』に行こう!

じいちゃんと、孫2人という関係性
2人とも同級生になる
そして、甥っ子の母親は私の妹。
彼女も子供の頃から
創造豊かに遊んでいた子だ・・・・。

父の話に私たち姉妹でのっかった。

父が夏休みになって電話をしてきた
『こびと捕まえにいくぞ〜』と
『かごと網と餌がいるなぁ』
『山に行く前に店に寄って買って行こうか!』
と、父も大はしゃぎ。

私と妹はそんな父の姿をみながら
どこか懐かしい感じがする気がした
自分たちの子供の頃と同じだ。
子供のわくわくを一緒に楽しんでくれた父

今度は孫とじいちゃんで
そんなわくわくを経験させてくれた

やっぱりこびとはみつからなかった

夕方、3人は汗だくで帰ってきた。
『やっぱり、みつからなかった』
『暑すぎたのかなぁ』
と、孫たちが色々反省会

すると、じいちゃん(父)は
『今度は、曇りで太陽がでていない日にいってみるか!』と
孫達はおおはしゃぎ
『じいちゃん。いつ?
   明日?
夜がいい?』

じいちゃん。
『夜は、あぶないのもいるかもしれないから
 今度、曇った日に行こう』と

そして曇りの日はやってきた

次男は早速電話をはじめた
『じいちゃん。曇ってる。今日行こう』と
じいちゃん(父)『おう、準備はいいか!行くぞ!』と

また、甥っ子も誘い3人で山へくりだす
やっぱり、こびとはつかまらなかった。

子供達はがっかりしてるけど
じいちゃん(父)はとっても嬉しそう。
『じいちゃんは楽しかったぞ!
お前達の笑顔は最高じゃ!』と

『また行くぞ〜』と

そんな楽しい夏休みは
孫達3人が小学6年生まで続いた。

夏がくると思い出す

孫達3人が小学校を卒業するまで
楽しい夏休みの思い出をたくさん作ってくれた
今、思うと
父が1番楽しんでいたのかもしれない。
だからこそ、
孫3人は、夏休みなるとじいちゃんと
おでかけするのが恒例行事になっていたのだろう。

夏休み前にになると思い出すエピソードばかり
とっても幸せな時間を
私たち家族に贈り続けてくれました。

ありがとう
お父さんのおかげだね。

きっと、いまでも
私たち家族の幸せをどこかで見ているような気がします。

さてさて、その後のこびとの存在は・・・・。

我が家は『こびとたち』にたくさん楽しませてもらった。

我が家にやってきた『シノビイエコビト』の出来事から数ヶ月たった頃
私は長男に言った。
『あのトイレットペーパーのこびとはあなただったんだね』
ありがとうね。
パパとママもなんだか優しい気持ちになったよ』と
伝えたところ・・・・

長男『え?なんのこと?
  『だけど、弟の喜ぶ顔って可愛いね』と・・・・

そして、また数ヶ月経ち
今度は次男へ聞いてみた
『もう、こなくなったね。『シノビイエコビト』』

次男『兄ちゃんも楽しんだんじゃない』と
驚きの言葉が帰ってきた。

えっ。とびっくりする私に

『だって、あのトイレットペーパーの三角
すげー、おもろい形やったやろ』
『僕ね。こっそり兄ちゃんの行動見てたんだよね。
 トイレから出てくる兄ちゃんの顔。なんか、楽しそうやった』
『僕が小人が来たって騒ぐと兄ちゃんも喜んでくれたよ』
『その顔を見るのが途中から嬉しくなってきたんだよね』と

最初は、シノビイエコビトの存在を信じ
楽しい時期を過ごした後に
兄の優しさに気づいた次男はもっと幸せだったのかもしれませんね

お互いを思う気持ちに私達夫婦は2人の成長を感じました。

一冊の絵本から
こんな楽しい日々を過ごす事ができてとっても幸せです。

こびとさん。
我が家に遊びにきてくれてありがとう。
また、来てくれると嬉しいな。
お待ちしております。

幸せをありがとう


なばた としたか 先生
幸せな時間をありがとうございました。

「こびとづかん」は2006年に初めて出版された、なばたとしたかの絵本とその書籍シリーズ。

1冊目の絵本の中で主人公の「ぼく」が見つけたのが、昆虫でも植物でもない不思議な生き物「コビト」です。



「コビト」は昆虫でも植物でもない不思議な生き物。突然冷蔵庫のモーターが鳴ったり、テレビがピシッと音がしたり、トイレットペーパーの角が三角に折られていたり…。 正体不明の不思議な出来事、それがもし「コビト」と呼ばれる生き物の仕業だとしたら。



初めて見ると一瞬「ぎょっ」としてしまうインパクトのあるビジュアルで、過去には大ブームを巻き起こした「こびとづかん」。現在は幼稚園や保育園、小学校で読まれる「定番作品」となり、純粋に「コビト」の存在を信じる子どもたちやその家族を中心に愛されています。

書籍や映像シリーズで紹介される「コビトの捕まえ方」にならって、子どもたちの間では「こびと探し」遊びが大流行。

そして、いるかいないかが度々議論になり、日本中のお父さんやお母さん達を悩ませています。


「いるわけない」なんて言わずに、耳をすまして、目をこらしてみてください。
きっとあなたにも、不思議なコビトの気配が感じられるはずです。

こびとづかん公式サイト

















   


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