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愛したゲームを遊びたい

この神ゲーを知っているか?

 諸君はGOD EATEという名前の神ゲーを知っているだろうか。かつて小生の青春を彩った素晴らしいゲームである。2010年、バンダイナムコゲームスから発売されたこのゲームは、ハンティングゲームの代名詞とも呼べるモンスターハンターと肩を並べるくらいの名作であった。
 かつて、若者たちはプレイステーションポータブル、通称PSPを片手に、どちらのゲームがより優れているかについての論争を重ねたものだ。さながらきのこたけのこ戦争のように、彼らの派閥争いはエスカレートの一途を辿った。
 一方はリアル志向で、もう一方はストーリー重視。どちらも甲乙つけがたいが、結局のところ、小生の見立てではあるが、モンスターハンターに軍配が上がったと言ってもいいだろう。
 いつしか、ゴッドイーターの名を友人間で聞く事は無くなった。どのモンスターが好きかという話題においても、やれクシャトリガだの、やれフルフルだのと、聞いたことも見たこともない怪物たちばかりがもてはやされる。
 誰かウロボロスの当たり判定について語らえないものか。誰かヴィーナスさんのゲルの中身について、語らえないものか。誰かテスカトリポカの顔面について、語らえないものか。誰かハガンコンゴウの面倒くささについて語らえないものか。
 気が付けばゲーム実況界隈を支配していたのも、モンスターハンターであった。やれ双子の受付嬢がどうだの、やれ気炎万丈な男がどうだのと、知った話ではない。こちらとしては、ヨハネス・フォン・シックザール支部長の声が素敵だの、台場カノンさんに撃たれたいだの、香月ナナのおでんパンが食べたいだの、くだらない話題をしたいというのに。
 結果として、ゴッドイーターの話題は最近しなくなりつつあった。誰も知らない古のゲームについて、一人で熱くなるのも、変な感じがするからだ。さながら調子の外れたトロンボーンを吹く吹奏楽部のようなものだ。きっとその場を支配する指揮者から追放されるのがオチだろう。
 一応、ゴッドイーター3に関しては、購入こそしたものの、始められずにいた。今更やったころで、誰も知らない、見てもくれない。配信者泣かせの結末を辿る気がしてならないからだ。
 それに、もし仮に配信等でリスナーへゴッドイーターの世界観を届けるとするなら、小生は1から見せたいのだ。アラガミとは何なのか。どうして人類は住む場所を追われる羽目になったのか。アラガミを倒すために用いている武器、神機とはいったい何なのか。そしてこの物語は、何を目指しているのか。
 その答えは、世界で初めて神機を扱うために生み出された男の物語から始まる。彼無くして、ゴッドイーターを語ることは出来ない。
 人に最も近い姿をしたアラガミを無くして、ゴッドイーターの世界を知ることは出来ない。月を見上げる度に、胸に込み上げてくる寂しさを、小生はより多くの人に届けたいのである。
 であれば、やはりゴッドイーターのゲーム実況をするならば、1からだ。正確には、GOD EATE RESURRECTIONの実況からすべきだと考えている。
 しかし、残念ながら現状ゴッドイーターを遊ぶことができる媒体はプレイステーションに限られる。大変申し上げにくいのだが、小生は、それを持っていない。
 普段ゲームをする際に使用している媒体は、ニンテンドースイッチまたは、パソコンである。特にパソコンは愛用しており、どんなゲームをするにしても、まず最初にPC版が発売されていないかを確認するところから始まる。
 理由はいくつかあるのだが、その中でも一番大きい理由は、実況者向けであるというとこだ。
 撮影方法は基本的にPCソフトでゲーム画面を録画、自分自身の声を録音、後々PC内の編集ソフトを利用していらないところのカット、字幕付け、BGMや効果音の挿入などを行う。完成した動画は、そのままパソコンからインターネット上へアップロードされるわけだ。
 しかし、外部媒体のゲームを操作する場合は少し話が変わってくる。まず、ニンテンドースイッチしかり、プレイステーションしかり、据え置き型のゲーム機は、HDMI端子を利用してモニター状にゲーム画面を映し出している。ところがこれは、録画ができない。録画をするためには、中継機材をゲーム機とモニターの間に挟み、映像データをパソコンへ流す必要があるからだ。
 これをすると、どうしてもラグが発生する。ゲーム機から送られた信号を中継機材経由でパソコンに送られてくるのだから、当たり前のことである。上司が部下に仕事を直接頼めばいいものを、わざわざ中間管理職を通して指示だしするせいで、末端まで情報が来るのに時間がかかるのとよく似ている。
 このラグ、特に音ズレは激しく、編集ソフトを介して修正するのが面倒くさいのだ。
 だから、小生は基本的に、PCで行えるゲームを好んでいる。
 さて、話を戻そう。
 このゴッドイーターは、プレイステーション版でしか販売されていない。小生が、外部媒体を用いたゲームの撮影に手間がかかると知ったのは、ニンテンドースイッチが最初だ。そう、わざわざ追加でプレイステーションを買う気になれないのである。
 しかも、大抵のゲームは、プレイステーション版のほかに、必ずと言っていいほどPC版が販売されている。Steamと呼ばれるサイトから、PC版を買ってしまえば事足りるため、ますますゲーム機を購入する必要性が感じられないのである。
 ニンテンドースイッチに関していえば、ジャイロ操作という特殊な操作方法が求められるゲームが多いためか、完全オリジナルなゲームが頻繫に出てくる。だから、買っても良かったと思えるが、個人的にプレイステーションはそうもいかない。
 どうしたものか。
 プレイステーションを買ったとしても、今遊びたいものはゴッドイーターだけだ。他にゲームをするつもりも買うつもりもないのに、大金をはたいて据え置き気を追加するのもいかがなものだろう。
 であるなら、いっそ他のプレイステーションで投稿されているゲーム同様、Steam版を出して欲しいものだ。
 ぜひゴッドイーターのPC版を配布してほしい。そう思っていた今日、ゴッドイーター公式Twitterが動いた。

これは新作の兆しか?

 ゴッドイーター公式アカウントが、なんとプレイステーションユーザー向けに、ゴッドイーター三部作が一つになったパックを販売したのだ。しかも価格は一万円行かないくらいの値段。ゲーム一本3000円くらいで遊べる大盤振る舞いに驚きが隠せない。

 是非ともSteam版を出して欲しいものだと心の底から思う。いや、声を大にして言おう。頼むからSteam版を出してくれ。ずっと待っているのだ。こちらはずっとずっとずっと、待ち惚けなのだ。
 さて、その旨をツイートしたところ、Vtuber友達から反応があった。

 Steam版も出ているぞという話である。
 そんな馬鹿な。小生はずっと前からゴッドイーターをPCで遊びたくて、時間があればSteam版が無いか目を皿にして探してきたのだぞ。ところが、最新作であるゴッドイーター3以外、見つけることは出来なかった。絶対にないはずだ。

 狐につままれた思いで、再びSteamの海に漕ぎ出す。さて、心待ちにしていたゴッドイーターは見つかるのだろうか。
 結果はもちろんNOであった。見つからない。どこにもない。どうして……。
 どうやら海外限定のようだ。おかしいだろう。これは日本のゲームだぞ。日本のゲームなのに、日本人がPCで遊べないというのは如何せんどういうことなのか。許せない。
 是非とも、ゴッドイーター公式には、日本でも遊べるように、ゴッドイーターSteam版の日本販売を推し進めていただきたいものだ。
 さて、Steamに関しての愚痴はこれくらいにしておいて、一つ気がかりなことがある。それは、どうしてこの時期にゴッドイーター三部作を一万円未満で販売したのかということである。
 小生はプレイステーションを持っていない。だが、世の中に溢れている多くのゲーム実況者たちは話が別だ。彼らは、きっとプレイステーションを持っていることだろう。そして、もちろんPCに映像データを流すための機材もあるはずだ。
 ということはだ、これからきっと、ゴッドイーターのゲーム実況が賑わいを見せるはずだ。小生は乗り遅れた形になるのが心底悔しいが、ここは我慢しよう。
 ゴッドイーターの実況ブームが仮に訪れるのであれば、今までタイトルすら知らなかった多くの人々が、ゴッドイーターというゲームに興味を示すはずだ。
 それを見越して公式がゴッドイーターのセット販売を行ったとすれば、可能性として見えてくるものがある。
 それは、新作発表だろうか。
 以前、ゴッドイーターの制作チームが、ダークソウルライクゲームとして、コードヴェインというものを出していた。こちらは何と、ちゃんとSteam版もある。いわゆる死にゲーと言うやつだが、ゴッドイーター由来の爽快アクションも多分に含まれている。らしい。
 小生はやったことが無いので詳しくは語れないのだが。
 とまぁ、例の制作チームが、もし仮にコードヴェインで得た収益を元手にゴッドイーターの新作制作に取り掛かっていたのだとすれば、恐らくそろそろ完成の頃合いではないだろうか。
 あれが発売されたのは今から五年前の九月だ。五年間あれば新作の一つくらい作れててもおかしくはない。加えて、今は三月。新作発売を夏頃と見立てているのであれば、なんと今はちょうど半年前と言うことになる。
 新ゴッドイーターの発売予定日より半年前の今日、あえて歴代作品をセット販売することでユーザーの興味を集め、更に宣伝費用を浮かすこともでき、夏にドカンと新作発表。
 これはあり得る話ではないだろうか。
 いや、そうであってほしい。
 であれば、やっぱりPC版を日本人向けにも発売してもらいたい。もしその日が暮れば、小生は絶対にゲーム実況者としてマイクの電源を入れるだろう。いや、是非実況させてほしい。
 小生の青春の一ページを彩った、思い出深い愛しのゲーム。GOD EATE。新たな物語が動き出すその瞬間を、今か今かと心待ちにしている。

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