堤 良一

関西人の言語学者、日本語学者です。最新刊『いい加減な日本語』発売中!  研究者情報: …

堤 良一

関西人の言語学者、日本語学者です。最新刊『いい加減な日本語』発売中!  研究者情報: https://researchmap.jp/tsunko

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団体行動は教えるが単独行動は教えない教育システム

過日、ぼーっと町中を歩いていると、河川敷で高校生の団体らしきグループが、なにやら集まってワーワー騒いでる。 体育祭か何かの応援の練習なのだろうか、皆で声を揃えて同じことを叫んで、同じタイミングで「わっ!」とか言い、同じところで手を叩いている。要するに、同じタイミングでそれら全ての行動がきれいにまとまるように、そういう練習をしている。 こういう教育が、「心一つに」とか「一致団結」とかいうイデオロギーに直結するのだなと思って見ていた。子供達はそれなりに楽しそうに見えたけれど、

    • Grrrl Gang

      インドネシアのインディーバンド。とってもクールでポップ。

      • どこでも韓国語で話しかけられる

        韓国に行っていた。調査目的。 おもしろいデータをいくつか入手することができたが、それはまた研究の世界で。 韓国ではどこに行ってもとりあえず韓国語で話しかけられる。 見分けが付かないからではない。海外に出ればすぐに気がつくことであるが、日本で育った人かそうでないかは見れば分かる。動き、服装、視線などなど、「同じにおい」があるものである。 同じように韓国の方々も、我々が韓国国内で育った人でないことくらいはすぐに分かる。日本から来ていることもおそらくすぐに気づくことであろう。そ

        • コスパ、タイパを劇的に改善する

          コスパだタイパだという。 コスパはまあ、分かる。 同じものなら値段が安い方がコスパがいいだろう。 タイパ。 タイムパフォーマンス。? 同じ結果を得るならば時間は短い方がいいだろうということ、よね? なので、動画は2倍速。 こないだ某説明会の動画を早送りで聞いてみたが、予備知識があるとか、ここは完全に自分とは無関係なので流し聞けばいいところは2倍くらいまでならいける。重要なところは、1.2~1.5倍が限界。 要するに「楽をして得をしたい」というのが人間の性なのだ。 めちゃ

        団体行動は教えるが単独行動は教えない教育システム

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        • おんどれめんどれ
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        記事

          「裾野を広げる」と「選択と集中」

          出張で韓国に行ってきた。 急速に変化している韓国では、言語の変化も早いけれど、文化の変化も早い。 昔は食堂ではベタ座りでオンドルで暖まりながら卓袱台でうまうま言うてたものだが、いま、ソウル市内でベタ座りでオンドルの店はほとんど見ない。 バスの中が賑やかだったのも今は昔、ここどこ? てなくらい静かである。 これはきっとそうなのだと思うのだけれど、経済的な豊さと五月蠅さは反比例する。根拠はない。 さて。 珈琲屋さんが街中に出来ているのも大きな変化だと思う。少し前はthe

          「裾野を広げる」と「選択と集中」

          【本日の音楽】kimbra "settle down"

          ニュージーランドの歌手、kimbraの曲。 およげ! 対訳くん さんの訳ってステキです。 https://oyogetaiyakukun.blogspot.com/2012/06/settle-down-kimbra.html そして、この曲のメッセージもよく解釈されていると思います。 PVもとてもいいです。対訳くんさんのサイトから飛んで下さい。 spotify主催のこちらの動画もお薦め

          【本日の音楽】kimbra "settle down"

          学部生、院生向け 論文・レポートの書式注意点

          論文・レポートを読んでいると、共通して「これはこういうように書きなさい」と指示することが多い。ので、ここを見てくださいと言うためにこのnoteを書いておく。随時更新します。 【表記】 p.とpp.:引用の部分が1ページならp.、複数ページ(連続)ならpp.     例)p.8, pp.8-11     よくある間違い)pp.8, p.8-11, p8(ピリオドがない) 【段落】 とにかく、わかりにくいものが多い。その原因の1つに、「1つの段落では言いたいことを1つにする

          学部生、院生向け 論文・レポートの書式注意点

          【今日の音楽】Frandé 輓歌

          台湾の女性シンガー、Frandé 何を言っているのかはさっぱり分かりませんが、メロディと声とビデオが好き。

          【今日の音楽】Frandé 輓歌

          あそぶんがくぶと言われたらどう言い返すか

          定期的にうちの学生から聞く、「バイト先で理系の学生から『あそぶんがくぶ』と揶揄される」という話。 この点についてどう思うかは、下の文章で書いたことがあるので、同じことを繰り返すつもりはないけれど、考え方自体は変わらない。 つけ加えることがあるとすれば、我々はあそぶんがくぶであるということ。 あそぶんがくぶで何が悪いということ。 また、異口同音に言ってくる人々の創造力、思考力、新しいものを生み出す力の脆弱。 そういうことを感じる。 また、どうしてあそぶんがくぶに誇りを持た

          あそぶんがくぶと言われたらどう言い返すか

          おーん?

          岡田監督の「おーん」についてインタビューを受けた。 この話書いたっけ? 書いてたらすみません。 夜中に思い出したのです。 しかし、「おーん」は結構いろんな新聞で記事になっているのね。 各新聞がいろんな人に取材して分析を試みている。 よほど興味深い現象なのかしらん。 こちらはこたつ記事っぽい。 その他いっぱい。書き切れん。 僕が聞いたところ、これは「うん」のバリエーションのように聞こえる。 自分の言ったことを自分で肯定するというような。 我々もやっているのではないか? け

          妄想言語学

          専門家から見ると「アホちゃうか」と思われることを書こうとしている。 「ワンチャン」ということばがある。 何度書いても「ワンちゃん」というのが出てくる🐾 例文はワカモノでないのですぐに出てこないけれど、もののネットによると、「もしかしたら~かもしれない」というときに使うとある。下のサイトでは、 上の引用の例文の場合、「もしかしたらランチに行けるかもしれない」「もしかしたら勝てるかもしれない」ということを言っている。 この場合、「~かもしれない」の部分が「ワンチャン」に置

          妄想言語学

          仕事が出来る人はメールの返事が早いは本当か

          この手の言説が、やたらthreadsに上がるようになった。 仕事が出来る人、とはどのような人のことを言うのか? まずもって、ビジネスマンではないのでそこのところの定義が分からない。 いっぱい契約がとれるとか、部下の面倒見がいいとか、あとなんや? 仮に、いっぱい契約がとれることを仕事が出来る人と定義するなら、標記の言説は、 「いっぱい契約が取れる人はメールの返事が早い」 と言い換えられる。 これはそこそこ当たっていそうではある。 一方、僕のファイナンシャルプランナー(FP

          仕事が出来る人はメールの返事が早いは本当か

          https://youtu.be/tfOURyD7ljc?si=LkSvUwZGDOH_y7uB Yeaji。韓国系のニューヨークのアーティスト。 めちゃよい。

          https://youtu.be/tfOURyD7ljc?si=LkSvUwZGDOH_y7uB Yeaji。韓国系のニューヨークのアーティスト。 めちゃよい。

          学生のみなさんへ~あなたがたは自分で気づくしかない世界に生きている

          卒論の提出が終わった。 今年のゼミ生は4人。1人が30枚くらいの卒論を書き上げた。 うん。頑張った。 うちの大学では卒論は製本のうえ教務に提出する。 んで、ちょっと研究費に余裕があったので、製本するための表紙をみんなに買った。事務で購入の手続きをしてからみんなに渡さなければならないのだが、ちょうど昼休みだったので、事務の昼休みが終わってから手続きをして渡すから、1時間後に同じ場所に集合ね、ということで昼食に出かけた。 しばらくして、彼らの一人からLINEが入る。 「みんな

          学生のみなさんへ~あなたがたは自分で気づくしかない世界に生きている

          病院の話

          風邪を引いた。 というか、風邪をうつされた。 Aさんが調子悪いのにBさんに会い、Bさんの潜伏期間に僕がBさんに会った。 次の日、Bさんから「風邪引きました」と言われた。 Aさんを恨んでいる。 多分、Aさんにとっては風邪というものは、引いてもちょっと調子悪いくらいで済む類のものなのだろう。 僕の風邪は、ほぼ寝込む。 そして、においが消える。 においが消えるという恐怖を味わったことがあるだろうか。 僕の風邪は、ほぼ毎回、消える。 今回は5日目くらいから消えた。 その日の朝

          先生の文章だと分かりますと言われた

          院生の指導をしていて、何かのときにresearch map(研究者の情報を公開するサイト)を見るようにと言ったら、なぜかこのサイトを発見したらしく、「見つけました」と言ってきた。 「先生の文章っぽいと思いました」だそうな。 どのあたりが? と聞くと、「一つの文をちゃんと切って終わってる」ところなのだそうな。 そんなにきっちりした文を書いているという意識もないのだが…… この学生には今日は一日中、文章の書き方を指南した。 「指南」というとエラそうではあるけれど、研究計画

          先生の文章だと分かりますと言われた