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仕事が終わらない深夜、カレーメシを食う宇佐美リトと出会った

2023年7月20日、僕は仕事の納期に追われパソコンと向かい合い、延々と手を動かし続けていた。
作業は朝9時から始めていたものの、23時45分を回ってもなお終わる目途が立たない。
ちなみに在宅フリーランサーなので、自分にブラック労働を課しているだけである。

7月はやたらと忙しかった。
暑さもあって日が落ちてから買い出しに行くだけで、ほとんど外出はしていない。
ずっと仕事をしているとよくあるのだけど、独身一人暮らし個人で働く僕は、誰かと話す機会がほとんどない。
コンビニに行って「袋ください」という言葉がカッスカスの声でしか発せられないことも多い。

しばらく、笑ってないな~と思っていた。

仕事をするだけの孤独な夏の深夜、あまりにも気が滅入りそうだったので、音楽を聴くことにした。
なんとなく賑やかな曲を聴きたくなって、YouTubeを開く。
そのとき、出てきたのがこの配信だった。

音楽を聴くときはApple Musicを使うことが多く、HIPHOPを主に聴いている。
で、YouTubeを使うときは(僕の基準で)賑やかそうな曲を聴きたいときだけだ。
確かに以前、YouTubeでVTuberさんの「歌ってみた」を聴いた覚えがある。
その履歴をもとに、この配信が出てきたのだろう。

タイトルにもそそられた。

「腹減ってるんだろ?」

その通りである。20代後半に入ってから夜中に何かを食べると、翌日胃痛が気になることが多くて、夜食はできる限り控えている。
その日も夕食はいつ摂ったのか覚えてないほどおざなりで、めちゃくちゃに腹がすいていた。

カレーメシとは、日清食品から出ている栄養とおいしさのバランスを突き詰めた「完全メシ」シリーズのインスタント食品である。

この配信を見るまでは、見かけたことはあったものの食べたことはなかった。

ただ、僕はVTuberについて聞きかじりの知識しかなく、「あれっVTuberの配信ってゲームしたり歌ったりするだけじゃないのか?」と疑問に思った。
2Dを動かすために、実食しようと食べているところは描写されない。
普通にどんな配信なんだ?と気になった。
音楽を探すのをやめて、すぐにその配信をクリックする。

始めの3分ぐらいは見逃したものの、すぐに雷に打たれたみたいなカラフルな待機画面が切り替わり、宇佐美リトさんが出てきた。
爽やかだけど顔つきは繊細で、頼れる兄貴分、本当にヒーローアニメに出てくるキャラクターのようである。

「カレーメシを今から食べる。君たちは、そこで指をくわえて見ているように」
「おお、楽しみだなあ」
「混ぜたらカレーになった!ご飯がふっくらしてる」
「インスタント食品ってここまできたんだ……」
「具がゴロゴロしてる」

「ちょっと、話しかけないで。おいしいから。ガチでうめえ……」

仕事をしながら配信を流すだけにしようと思っていたが、無理だった。
臨場感と抑揚たっぷりに宇佐美さんがカレーメシを解説する。
いつの間にかカレーメシ実食に夢中になっている。

宇佐美さんが煽りのセリフを吐くたびに、コメント欄はわっと騒ぐ。
カレーの悪魔め、最低、許せないなどなど、いわゆる「プロレス」というのか、言葉の応酬が飛び交う。
(のちに知るが、悪魔め!はノートルダムの鐘・フロロー判事のセリフから来たそう。ノートルダムの鐘が好きなので、とても親近感がわいた)

楽しそうにコメントと話す宇佐美さん、さらに食べたものの感覚をズバリと言い当てる語彙センスがずば抜けている。
もう無理だ、この仕事が終わったら絶対にカレーメシを買いに行く。

そのうち、短い深夜の実食配信は終了した。
仕事はとにかく放っておいて、宇佐美リトさんは何者なのかすぐ調べた。

ANYCOLORというのは、VTuber事務所の中でも大手。ホロライブを率いるカバー株式会社と並ぶ企業というのは知っていた。
宇佐美さんは、そのにじさんじに所属する「新人ライバー」さんだった。

同期が宇佐美さん以外に10人いて、全員が「ヒーロー」ということもその後に知った。
詳しくないので明言はできないが、悪がはびこる世界で活躍するヒーローの一人が宇佐美さんなのだろう。

また、これは現在の宇佐美リトとは関係ないのだろうがANYCOLORのVTuber育成プロジェクト、バーチャル・タレント・アカデミー出身ということも知った。

カレーメシを食う宇佐美リトに出会ったとき、そんなにデビュー間もないVTuberだとは気づけなかった。
安定感があり、何より面白い。

カレーメシ配信の最後の方、すごい勢いでカレーメシを完食した宇佐美さんにリスナーがもう食べ終わったの?「少食だね」という言葉をかけた。
そこで、宇佐美さんはこう言った。

「は?少食じゃないし。言ってなかったけど、俺今カレーメシ100個食ったから」

とても懐かしい気分にさせられた。
宇佐美さんの配信で感じるのは、圧倒的な親近感だ。
まるで、大学生のころ仲の良い後輩と一緒に、一人暮らしのマンションで酒を夜な夜な飲んで騒いでいたときのような感覚がある。

その気楽な友達と、今では思い出せない本当に中身のない、バカみたいな冗談を言ってふざける。
そんな気分になって、思わず笑っていた。
仕事を詰め込んでいたものだから、久しぶりに声を出して笑った。

自分で選んだものの、自宅でたった一人で行う仕事中は孤独に陥りやすい。
今年の夏は狂ったように暑くて、食欲不振も続いて笑うことも少なくなった。
だが、あのカレーメシ以降、僕は寂しくなると宇佐美リトの配信を見に行き、思いきり笑う。

彼の配信では何かを食べることも多くて、あまりにもおいしそうにレビューするものだからつられて次の日に買いに行き、夏バテも緩和されている。

カレーメシは徹夜で仕事を終わらせて、朝一番にスーパーで購入した。
悪魔のようなうまみがにじむ、極上のビーフカレーだった。

僕が好きな配信を勝手に宣伝したい。

韓国製ゲームの「ひたすら頂上をめざし登る」というOnly Up!の耐久配信。
およそ11時間ある。
時々深い哲学や宇佐美さんの人生観を語る場面もあり、作業用にと流しているけれど配信に夢中になることも多い。

人生縛りのドラクエ。
懐かしさが極まって、少し涙ぐんでしまった。
が、配信時間を見るとわかるように、きちんと即終了している。

先ほどの「ヒーローたち」の一人、同期の佐伯イッテツさんとのコラボ耐久配信。
エルデンリングはやったことがないが、二人があまりにも面白そうにプレイするために今購入を検討している。
57時間ではなく、恐らく60時間ぐらいある。
長いけれど終始展開が熱く、友達の家でわいわい騒ぎながら徹夜でゲームに夢中になるみたいな雰囲気がいい。
(まだ全部見終えていないので、王になったのかはわからない。頑張れ!)

カレーメシ配信のあと、即登録して宇佐美さんの配信を見るようになったが、いわゆる「VTuberに入った」のが宇佐美さんが初めてなのでよくわからない。
けれど、比較的男性も見やすい配信のように思える。
これからも宇佐美さんの気さくすぎて「昔一緒に遊んだよね?」と思えるほどの配信を楽しみにしている。

なぜ、このnoteを書こうかとしたのかというと、エックス(旧ツイッター)でこれを見つけたから。

イラストレーターの風間雷太さん!?(宇佐美さんのキャラクターデザインを手がけた方でした。どおりでヒーローらしいと)

そして宇佐美さんがお誕生日!
来週とのことで、とてもめでたいです。
仕事次第だが、リアルタイム視聴というものができるように調節しようと思った。

宇佐美リト、お誕生日おめでとう。
カレーメシを食う宇佐美さんを知り、夏バテがマシになり食べることが楽しくなり、配信を見ては毎日笑って元気をもらっています。
夏生まれ、眩しいオレンジのイメージカラー、ダチのような距離間の配信、どれも宇佐美さんらしいなと思います。

これからも宇佐美リトという配信者を尊敬し、応援していこうと思った。

今年の夏はいい夏だなあ!