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福岡が「首都」になる世界線

2016年の夏季オリンピック国内選考は2006年に行われ、東京都と福岡市が争い、東京が選ばれましたが、IOC総会で落選。リベンジで、次の2020年夏季五輪の誘致には成功しましたが、現状、開催できるかどうか不透明な上に、経費は案の定、肥大化。今となっては福岡市が落選して本当によかった。

当時の石原慎太郎都知事は、福岡市の立候補を“身の程知らず”と鼻で笑っていたものですが、一般会計と特別会計を合わせた予算規模が、東京都15兆円超、福岡市2兆円弱ですから、彼の傲慢さは差し引いても、太刀打ちできなかったのもたしかでしょう(そもそもJOCが仕組んだ出来レース説)。

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現実では、東京>地方都市の力関係は中々ひっくり返りませんが、フィクションの世界なら、東京が滅んで福岡が首都になる作品があったりします。例えば、マンガ・アニメ『攻殻機動隊』シリーズでは、関東は核攻撃により壊滅。福岡市が新首都となっています。

また、かわぐちかいじのマンガ『太陽の黙示録』では、大震災により東京など日本各地が水没。単独での復興が不可能だったことから、米中に分割管理され、福岡と札幌にそれぞれ首都が設けられます。

あるいは村上龍の小説『半島を出よ』。北朝鮮の特殊部隊が福岡に侵入し、福岡ドームを占拠。日本政府の対応が遅れている間に、福岡市は制圧され、独立を宣言、というストーリー。荒唐無稽と思われるかも知れませんが、朝鮮戦争時にも似た話がありました。

戦況は北朝鮮側が圧倒的優勢で進み、最後の砦である釜山が陥落寸前となり、李承晩政権は山口県への亡命政府樹立を打診。一方で、日本国内の共産主義者たちも呼応し、九州に革命政府を作り、日本から独立させるべきだとの主張もあったとか。

九州が「独立」し、福岡が「首都」になる世界線。リアルがフィクションを超える可能性はいつだってある。

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