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幸福な記憶はフラグ『カムカムエヴリバディ』(初回)

3人のヒロイン(上白石萌音さん・深津絵里さん・川栄李奈さん)が織りなす、ラジオ英語講座と共に歩んだ家族100年の物語『カムカムエヴリバディ』の初回。「安子はこの上なく幸せな女の子でした」の締めが、将来の波乱万丈を予感させるフラグでした。

1925(大正14)年、日本でラジオ放送が始まった日。岡山の和菓子屋にヒロインの橘安子が誕生。あんこの香りに包まれた温かい家庭で幸せに暮らしていました。

前作『おかえりモネ』は違ったものの、今回は定番の子役パートからスタート。演じているのは、網本唯舞葵(あみもと いぶき)さん。朝ドラ『まんぷく』にも出ていたようですが、秋ドラマ『ムショぼけ』で、少年時代の主人公に交換日記を持ち掛け、告白する女の子役で出ています。

モノクロスタートから城田優さんの英語を交えたナレーション、そして賑やかな商店街がカラーへ。それなりに裕福、かつ優しい人たちに囲まれた安子の描写にまずはホッ。『おちょやん』は初週から厳しかったからなあ。

安子が8歳ということは、1933年(昭和8年)あたりと思われます。満州国樹立(1932年)から日中戦争勃発(1937年)の間ということになりますが、初回ではまだ戦争の陰は描かれず。ラジオから流れてくる放送内容も平和そのもの。

のどかな情景で終わるかと思いきや、初っ端から安子の兄・算太(濱田岳さん)のラジオ窃盗事件発生。妹想いということなのか、算太(=サンタ)の言葉遊びなのか、はたまた彼がこれから引き起こす、もっと大きな出来事のフラグなのか。なかなかのくせ者っぽいですね。

お菓子のシーンはもちろん、家族+弟子たちの大所帯で食べる食事シーンなども目を引きました。『みをつくし料理帖』の藤本有紀さんの脚本なので、その辺りも期待。『ちりとてちん』の人でもあるので、初回から落語「始末の極意」も入れてきましたしね。今後が楽しみです。


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