売れないお笑いトリオ・マクベスと、彼らのファンになるファミレス店員・里穂子（有村架純さん）とその妹（古川琴音さん）が織りなす青春群像劇『コントが始まる』の初回。上質な大人向けドラマでした。

ファミレス常連客のマクベスの3人、春斗（菅田将暉さん）・瞬太（神木隆之介さん）・潤平（仲野太賀さん）の隠れファンとして、初めてライブを訪れた里穂子でしたが、トリオ解散という重大発表！呆然と帰路についた里穂子は、突然、春斗から声をかけられて…。

“ジャニーズ御用達女優”という言い方がありますが、本作の脚本を担当した金子茂樹さんは“ジャニーズ御用達脚本家”といえるでしょう。フジ時代から日テレに移ってからも、ほぼ一貫してジャニーズ主演作を担当。そんな金子さんだけに、今回の“非ジャニーズ”なキャストにはちょっと驚きました。

前半は里穂子の視点、後半は春斗の視点とリバースされ、軽く伏線回収になる緻密な構成。マクベス3人の10年の夢と現実と挫折が、まさに王道の青春群像劇で引き込まれ、クスッと笑える要素も散りばめつつ、心揺さぶられる感動も。完璧な脚本と演出、そして圧倒的な演技力。

前作『俺の話は長い』が高く評価され、向田邦子賞などを受賞した金子さん。今回、ちょっと野木亜紀子さんを彷彿。野木さんも“原作もの”作品で信頼を勝ち取り、満を持してオリジナルの『アンナチュラル』を出してきたように、ジャニーズ縛りから解き放たれた金子さん、ギア上げてきました。

予告サプライズで、中村倫也さん＆芳根京子さん。なお、本編終了後には、『マクベスの23時 ～皆様の質問に本当に答えます～』というスピンオフ的な即興芝居を、Huluで配信することが発表されました。予想通り。

最後は、美容クリニックの敏腕経営者ハルコ（大地真央さん）に、編集者のいづみ（松本まりかさん）が翻弄されいく、痛快毒舌エンターテイメント『最高のオバハン　中島ハルコ』の第2話。

名古屋メシ企画で、ハルコとともに再び愛知にやってきたいずみ。老舗ひつまぶし屋の経営危機と、老舗ういろう屋の跡継ぎ問題の相談を受けたハルコは、「政略結婚」を言い出し…。

いずみの不倫問題が決着した前回。今回は、人望のあるハルコが、相談してきた老舗の問題にズバッと切り込み、新商品の開発を提案したと思わせ、実は後継者の息子と娘をくっつけようという深謀で、見事に「政略結婚」へ持っていきました。

尾張と三河のおでんの違いなど、愛知（名古屋）あるあるも毎回あって楽しい。ハルコが路上ライブした場所やサーキット場などのロケ地も、愛知県民だったらピンときて、もっと楽しめるんだろうなあ。