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ドラマ日記『ばらかもん』&『こっち向いてよ向井くん』(初回)

五島列島を舞台に、書道だけを支えに孤高に生きてきた都会育ちの青年書道家・半田清舟(杉野遥亮さん)が、五島列島で出会った島民たちとの交流を通じ、書道家として、そして人間としても成長していくハートフル島コメディー『ばらかもん』の初回。

清舟は、高名な書道家・半田清明(遠藤憲一さん)を父に持ち、新進気鋭の書道家としてもてはやされてきた。だが、書道界の重鎮・八神龍之介(田中泯さん)から批判されたことに激高。清明は、そんな清舟に「人間として欠けている部分がある」と告げ、長崎県・五島列島で頭を冷やせと命じる。

島が舞台のドラマというと、吉岡秀隆さん主演の『Dr.コトー診療所』シリーズ(2003年~2022年)や、成海璃子さん主演の『瑠璃の島』(2005年)などありますが、近年ですと朝ドラ『舞いあがれ!』(2022年)で同じ五島が舞台の一つになりました。

一人きりで書に集中できると思っていた清舟でしたが、住むことになった家は小学生の琴石なる(宮崎莉里沙さん)らの秘密基地になっており、近所の大人たちも押しかけ引っ越し手伝いなど、なかなか清舟を一人にさせてはくれず。

なるの後を追って防波堤から海に飛び込んだ清舟は少しだけ変化。朝ドラ『あまちゃん』の夏ばっぱ(宮本信子さん)のセリフを引用するなら、「飛び込む前にあれこれ考えだって、どうせその通りになんね。だったら、なんも考えずに飛び込め。なんとかなるもんだ」てことですかね。

『舞いあがれ!』では度々使われていた「ばえ~」という方言は何度か出てきましたが、全体として方言は少なめ。一応、方言指導はついているようですが。ロケ地もオール五島ではなく、千葉やスタジオでの撮影も。

33歳の会社員・向井悟(赤楚衛二さん)は、仕事もできるいい男なのに、気がつけば10年恋をしておらず。久しぶりに恋をしようと試みるのだが…恋愛の仕方を忘れちゃってる“恋愛迷子”男子の物語『こっち向いてよ向井くん』の初回。

悟は実家で暮らす33歳会社員。雰囲気良し、性格良し、仕事もできるイイ男、なのに元カノ・美和子(生田絵梨花さん)との別れを今も引きずって、気づけば10年恋をしていない。そんなある日、向井くんの職場に中谷真由(田辺桃子さん)がやってきて…。

回想シーンの多いドラマ。10年前に向井が美和子に「守ってあげたい」と口にした途端、「守ってあげたいって何?」と切り返され。当時の自分が頼りなかったからだと勘違いしていた向井。

義弟・武田元気(岡山天音さん)の店で知り合った坂井戸洸稀(波瑠さん)にそのことを話すと、「守りたいって、見下されるていると感じる」と言われ、自分の勘違いに初めて気が付いた向井。

毎回、ゲストヒロインが登場する本作。初回は演技力に定評があり、今期『癒やしのお隣さんには秘密がある』に主演中の田辺桃子さん。彼女演じる中谷真由が向井の職場に派遣社員としてやってきて、二人はいい雰囲気に。これは10年ぶりの彼女になるのかと思わせて…失恋。

後半、田辺側からの視点で向井の勘違いが描かれる、やや意地悪な演出。中谷が苦手そうにしていると向井が思っていた後輩社員・河西翔太(内藤秀一郎)でしたが、実は早い段階で中谷と河西はいい関係になり、むしろ向井が邪魔していたという恥ずかしさ(笑)。

アップデートされていない男性の女性観、あるいは認知の歪みという見方もできるでしょうが、単に視点が違えば見方が違う、他人を100%理解することなどできないという、結論に落ち着くのかな。

余談:このドラマの波瑠さんの立ち位置が興味深く。ここ数年、基本的に連ドラは主演ですが、今回はヒロインですらない。赤楚さんと同じ事務所ならば、先輩として一肌脱いで、とも考えられますが、それでもない。

毎回向井がゲストヒロインに振られて、最終的に求めていたのは坂井戸だったと気が付く、『青い鳥』エンドに落ち着くならば、やっぱりヒロインだったのね、という話になりますが、さてどうでしょう。

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