ワイルドスピードX3 TOKYO Driftはすごい。

ワイルドスピードシリーズというのは、要するに「車、ウェイウェイ、アクション、申し訳程度の恋愛要素」といったものからなるウェイウェイ映画である。

完全にいろいろヤバイ感じのでヤンキー映画で、基本的になにも考えていない。何か考えながら観るのはよろしくない。

ワイルドスピードシリーズは無印の公開が2001年、それからX2、X3と続き、いまや押しも押されぬ大ヒットシリーズに成長した。

という評判を聞いていたので、なんとなくX3(以下東ドリ)をみた。舞台は東京だ!

話はいろいろはしょると、アメリカで問題を起こした高校生が少年院を回避するため来日。そこで出会ったドリフトキングにぼろ負けするも、別のドリフトキングに弟子入りして修行する話。東京とは思えないほどのウェイウェイしたパーティーに、地下駐車場ではDJがダンスミュージックをかける横で、ウェイウェイした女子が踊り狂い、ウェイウェイしていない者は自動車のハンガーを開けている。

東ドリは奇妙奇天烈な学園モノであり、自動車レースものであり、湾岸ミッドナイトで、頭文字Dである。当時、国際的にアピールするために映画なんかで東京の道路を使って良い制度ができて、渋谷の交差点を猛スピードでドリフトするシーンが話題をよんだ。

東ドリの学園シーンは不思議だ。天井のところにカタカナで「オアシス」と打ち出されている紙が張り出されていたり、古文の授業中ノートパソコンでみんなテキストを開いていたりする。

「文明国における古典の必要最低限失礼じゃない形での需要」を表したものだろう。ナタリー・ケリーのJK姿はなかなか見応えがあった。

映画サイトなどでは軒並み評価の低い〈ないし「普通」)な本作だが、「示唆に富む」という点では稀にみるほどの良作だろうと思う。ワイルド・スピードシリーズはアメリカ国外を舞台にする作品も多い。「EURO MISSION」もそうだ。もともとハリウッド映画はアメリカにとって国外を紹介する役割を担うメディアであったのだが、そこでの表象は良い点も悪い点も含めて「文明国から見て、文明国として評する」ものになる。

 180キロ制限がかけられている日本では誰も改造車に追いつけないとは、なにの比喩なのか、とか。

 渋滞はないのかとか。

 日本の学食で出る奇妙に豪華な和食に「変なものを食べるだろ」というセリフは何を意味するのかとか、

 シルビアは遅い車なのかとか、

 ランサーエボリューションという三菱の車は、昔すごかったんだとか。

 ヤクザなのに代紋ないのはなんでなのかとか

 そして「高校という場における青春は、グローバル社会においてこれほど無価値で無感動なものなのか」とか。


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