男女の間に友情は芽生えるか問題は「友情」の安定度の問題じゃないか問題。

かなり前の話なんだけど、三十になったある女性の誕生日会に招かれた。ちょっとしか行けなかったのだけれど、持っていたお土産は気に入ってくれたから嬉しかった。

で、集まった同年代の女の子(以下A)が「男女の友情が芽生えないなんて嘘だわ」という話で熱弁を振るっていた。彼女は男に裏切られたばかりだった。それに別の男の子(B)が「男女のあいだの 友情は友情って感じがしない」と主張して妙なイガミあいになった。つまりBはうまいことしてA(か別の女性を)抱こうとしていたわけだ。

 あるナンパ師マニュアルの中では、「男女の間に友情が芽生えると主張することは恋愛の芽を積むことになる。大事なのは友情は芽生えず、二人の間にある関係は恋愛のそれである」と強く主張する事になっている。友情パラメータを棄却することで、恋愛(というかH)に持ち込もうというのはナンパ技術の上では有利な説なのだということなのだろう。

でも、僕はAがいったことは「最初は友情だと思っていたものが裏切られたことで違うなにかに変容してしまった」ということなのだと理解した。Bは最初から友情がないといっているだけで、友情の安定性についての言明はない。Aが本当に言いたかったことは「友情という安定した関係性」が男女の、特に深い関係の間では存続しづらいということなのだろうと思った。

この関係における安定性の見方は男女の間でかなり大きな隔たりがあるように思われる。同時に関係が、「友達」から動いてほしくない場合と、「恋人」へ動かしたい場合とでも違うだろう。立場によりけりだ。

僕は個人的に別の立場を取る。友情もあるし愛情も有るといった関係はないのか、という立場だ。でもこの立場はナンパ師のそれと結局そんなに変わらないので、黙っていることにしている。


昔のことや未来のことを考えるための、書籍代や、旅行費や、おいしい料理を食べたり、いろんなネタを探すための足代になります。何もお返しできませんが、ドッカンと支援くだされば幸いです。