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カルラボが消えた日

いつのまにか「カルラボ -Culture LAB.-」がなくなっていた。

カルラボ -Culture LAB.-

http://www.c-lab.link/

Twitterもなくなっていたし、ニコニコチャンネルも消えていた。跡形もなく消え失せていた。Googleにキャッシュだけを遺して・・・・・・

ということに気づいたのは一昨日のことだ。カルラボの「中の人」だったライターのはるやん氏はぴあとグッスマがやっている「Character JAPAN」のウェブデレィクションなどで活躍されているようだ。

https://twitter.com/chara_japan

なにはともあれ「カルラボ」のスタッフにまずはお疲れ様といいたい。僕もポピュラーカルチャー界隈でうろうろし始めた頃に、カルラボの非常にいいタイトルの付け方や、情報の早さ、正確さ、ネタのオリジナリティにはたくさん学ばせてもらった。ねとらぼやロケットニュースが覇王的な感じ(個人的なイメージです)の中で、カルラボはとにかく情報が早くて的確で、他にはない魅力を放っていた印象がある。

ねんどろいどのような立体造形にも詳しく、男の子が好きそうなものを全体的にフォローする視野角の広さはすさまじいの一言で、ともすれば編集方針が「メジャーへメジャーへ」と揺らぎがちなウェブメディアの中でも、当初の方針――ピンとクルものがここにある、みたいなテーマだったと思う――をちゃんと貫いていたと思う。

特に、海外のオタクカルチャーの紹介の早さと正確さに。中国や韓国、特に台湾のポップカルチャーの紹介が多かったのはありがたく、まさにこのあたりはカルラボの独壇場、唯一無二という感もあった。

どうしても「ネタ」がかぶりがちなウェブのカルチャーマガジンの中で、中国語や英語の原典にあたって書いた記事も少なからずあっただろう。いまどの事件か思い出せないが、Twitter上のデマを正す記事をいち早く書いたのもカルラボだったはずだ。

編集部のモチベーションや気合いがいつも全開で見えている。そういうウェブメディアだったなぁと、今思う。その目利きのよさはRT数や

それにしてもまさか「オールクローズ」になるとは思わなかった。僕もほんの五年六年の間にたくさんのウェブメディアの閉鎖に立ち会ってきたけれど、数百から数千のRT数を稼ぎ出してきたカルラボのクローズにはウェブメディアのはかなさをイヤがおうにも実感する。

メディアの運営は大変だし、残る、だけではなく、あとから参照される、ということは探す側にとってはありがたいが残す側にとっては様々な心配を毎日指数関数で増やし続けることでもある、ということは理解できる。編集サイドからしたら身が切られるような思いもあっただろう。

という記憶を残しておくためにも、ここに「カルラボ」があったことを残しておきたい。おつかれさま。ほんとうにお疲れ様でした。


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