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追い抜けれて行く

四月、新年度。日本企業では色んな人が転属したり昇進したりする季節。貴方は今年昇進できましたか?どうも、平社員のアクズメです。

もうサラリーマンになってからもう六年が経った。会社に入った当日は年功序列感が強く、昇進するチャンスがなかなか無いし同じ平社員の先輩に絞られていたが。メンターである先輩に唯一教わったこと、それは「おれは恋愛したり失恋したり忙しいからお前が俺の分まで働け」だった。僕はそれを社会人なら必ず経験する洗礼だと勘違いし、黙って耐えてあげく鬱になり、道路に渡るとき誰か飲酒運転してぶつけてこないかな~と思っていた時期すらあった。

二年が経ったところ、先輩が転職し、「お前もそれなりの経験が積んだからそろそろ次の段階に挑め」と上司に言われ、後輩のメンターを任せられることになり、主管職の仕事をやらせることとなった。正直困る、悪い先輩になりたくないけどどうやって後輩と接するかわからない。とりあえずクールガイぶってあまり仕事を任せないようにしていた。この頃は日本から新しい支社長が来て、社の規模拡大に向けて積極的に新入社員を募っていた。社風も一新し、「優秀な社員はどんどん昇進させよ」と支社長が提唱した。その言葉は欺瞞ではなかった。売り上げさえ良ければ、たとえ入社一年目でも昇進ができた。僕のアプレンティスだった子は二人も主任になれた。

そして僕は平社員のままだ。未だに新しい段階を踏めずにいる。そこで僕は考え、昇進できない理由をまとめてみた。

1.売り上げが悪い(これはかなり大きい。実際全社員の中で下から数えたほうが早い。でも担当する地域は50%は人の少ない森林地帯なのでまた弁別の余地がある……と思う)
2.会議中にスマホを見る(だってつまんねえもん)
3.上司の機嫌を取らない。(むしろ反抗的)
4.日本語が下手(飲み会で社長に笑われた)
5.会社のPCでnoteを書く
6.勤務中サボって剣闘
7.レポートを140字で方付ける(逆噴射プラクティスかよ)
8.出社時、各上司の机を巡り「おはようございます」をやらない
9.退社時、各上司の机を巡り「お疲れ様でした。先に失礼します」をやらない
10.「あまり僕をいじめると会社に放火すっぞ」と公言(あれはかなり若気の至だった)

改めて見ると本当に嫌な奴だ。おれが社長だったら絶対こいつにいい目を会わせない。

まあ、いいよ。どうせ家族を養わないといけないわけでもないし、いい会社員になると思ったこともない。noteと、僕の作品を期待している人がいれば十分……と言いたいところだが、最近はあまりスキを稼いでないよな。あれか?創作をはじめて早々才能が枯れてつまんなくなった?こんなんじゃいつになってもフォローしている連中と比肩できないよ。

はぁー、なんかさ、何もかも面倒くさくなってきた。

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 同一時刻。アクズメの心の町、スカウムランド。このオアシスに建てた町はイマジナリーフレンドの憩い場であり、イマジネーションの貯蔵庫でもある。ウェスタンっぽい雰囲気でありながら映画館漫画喫茶酒場スポーツジ厶コンビニ温泉(タトゥー入浴可)など施設があり快適だ。ここはアクズメのイマジネーションに応じて住人が増え、またはその時吸収したコンテンツからの旅人を受け入れている。

 そしてこの世界は今、破滅に瀕している。

「む?」

 最初に気付いたのはエルフの王子だった。彼はエルフの中でもは感覚器官に優れ、宇宙に漂う粒子の流れから事項現象を察知する。カフェテリアでアフタヌーンティーを喫しようとした彼はコップを置き、砂漠の彼方を見た。

「あれは……?」

 遠方に砂塵が舞い上がっている。だがそれは砂嵐のそれと異なる。王子は目に意識を集中し、イーグルアイを発動した。戦術望遠鏡に匹敵する視力通して砂塵の底に蠢く大勢の黒い点を見れた彼は息を吸い、そして。

「戦闘準備ーーッ!」

 王子は大声で叫ぶと、空に向けて弓を引いた。エネルギー矢は「びゅー」と風切り音を立てて上空へ飛び、高度100mの高さで爆発し、ピンク色の煙で「EMERGENCY」の文字を成した。それを見た守備隊長の元レンジャー、ザルフキンは決断的に「緊急時」と書いたボタンを押した。

 ブガ―!ブガー!サイレンが街を響き渡り、町の壁からセントリーガンとレーザーキャノンがRTSゲームみたいに瞬時に構築されていく。住人たちは店を仕舞い、武器を持って広場に集まった。

「どういう状況なんだ!?」 

 発話したのはダーヴィ、既に彼は全身がダークミストの守りを纏い、戦闘態勢に入った。

「屍喰いだ」エルフの王子は告げた。「しかも大勢。この世界は危機が迫っている」

(続く)

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