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藝術学舎「平安時代の庭園美と心」

こんにちは。有浪楽です。
2024年春から京都芸術大学書画コースに入学します。

今回は2023年に受講した藝術学舎の講座で、一番好きだった講座についてご紹介したいと思います。


藝術学舎とは

京都芸術大学が開講している社会人向けの講座です。講師陣は有名な方々が多く豪華です。

単位連携も魅力

藝術学舎でとった単位は、京都芸術大学の単位として連携することができます。大学入学前から単位を取ることができるのはとても魅力です。大学入学後も単位連携可能です。

幅広いジャンル

藝術学舎では、幅広いジャンルの講座が開講されています。美術、デザインだけでなく、建築、映像、音楽、広告、歴史、文学など、多岐に渡っています。

「平安時代の庭園美と心」を受講した

様々な講座を受講した

2023年は複数の藝術学舎の講座を受講しました。美術やデザインをはじめ、映像、音楽、文学、歴史…気になったものを片っ端から受講していきました。

その中でも一番好きで、受講して世界が変わったと思ったのが、「平安時代の庭園美と心」です。

どのような講座か

一言でいえば日本庭園についての講座です。古代から平安までを取り上げます。

こう書くと、なんだか退屈そうな印象を受けるかもしれません。受講前は私も、庭園についての知識がないため、講座についていけるか心配でした。

しかし、いざ受講してみると、その心配は無用でした。日本庭園のなりたちとその根底に流れる思想は、私の世界の見方を変えてくれるものでした。

庭園に現れる日本の風景

講座を受講していて、庭園は何を表現しているのか、ということがまず重要なのだと思いました。単に石がおいてある、水がある、のではなく、モデルとなる日本のどこかの風景を再現しているのだと感じました。そう考えると、庭園を見る目が変わってきます。静かな印象だった庭園に、ダイナミックな自然の流れを感じることができます。

庭園に流れる思想

庭園は実際の風景を再現しているものだけではありません。寺院庭園など仏教思想を大いに反映した庭園もあります。言葉では教科書などで知っている方も多いかもしれません。私はこの講座を通して、それを単に平面的な知識ではなく、人間がつくったものとして再認識できたと感じています。

特に奥州藤原氏の庭園についての思想が好きです。奥州藤原氏といえば中尊寺金色堂に代表される絢爛豪華で権勢を誇ったイメージが強いのですが、寺院庭園に込められた藤原清衡の思いを知ると、そのイメージは見事に崩されます。どのような思いで、清衡は奥州の地に都をつくろうとしたのか、文字情報では表現しきれないものを、心の底から感じます。

少なくとも、時の権力者が作った寺院や庭園を単に「権力を誇りたかった」と言えなくなりました。作った者を人間として捉え、彼らの思いにはせることも重要なのだと感じました。

物事を一面で捉えないことを学んだ

この講座後、庭園だけでなく様々な芸術作品を見て、この作者はどんな思いで、どんな環境でこれを作ったのだろうと考えるようになりました。単に考えるだけでは答えが分からないことが多く、歴史の本を読んだり、類似のものを探してみたり、実際に手を動かして作ってみたり、なるべく実感が持てるようにしています。

この講座では、庭園知識はもちろん、物事に対する見方が大きく変わりました。美術鑑賞も一層楽しくなったと感じています。

素晴らしい講座の開講をありがとうございました。