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ON THE PLANET July 2015 AlaoYokogi

004 グレートリバーロード ミシシッピ州 2015年 BLOCKFOTO

1985年、マツダエチュードの広告撮影のため、LAにいた。ロケハン1週間、撮影一週間ぐらいのゆったりとしたロケだった。
ある晩、ロケハン中、LAの奥の奥の片田舎、いつもなら閑散としている町の、どのホテルも、モーテルも満室だった。近くの基地でイベントがあり、どのホテルも予約でいっぱいだ。
われら一行6名。寝るところがない。今のようなネットのある時代じゃない。
まずレストランが閉まりそうなので、デニーズに入った。日本のデニーズじゃない。アメリカンスタイルのハンバーガ―と硬いステーキ、それにありつけただけ上できた。
10時すぎ、食事が終わり、ホテルがある隣街までは1時間以上かかる。途中にモーテルがあるはずだ。
ところがいくら走ってもない。あってもやはり満室だ。もしかしたら野宿かと覚悟していたら、古びたネオンが瞬く、モーテルが薄明りに開いていた。車が一台も止まっていない。
オフィスにいくと、中年の女性と、その息子だろうか小学校高学年といった少年だ。部屋は開いていた。しかも考えられないぐらい格安だ。
ひとり一部屋ある。
用意ができていないので、ちょっと待ってほしいと言われる。僕たちは荷物を下ろし待った。すると少年はベッドメーキングを始める。何をするのかというと缶スプレーで、いまでいう除菌のようなことをする。ただその匂いがたまらない。
僕はもういいからと彼を追い出す。
床は絨毯になっているがどす黒く、裸足で歩く気がしない。
窓はなぜか枠だけで開かない。夢に出そうな、殺人事件でも起きそうなモーテルだった。
まあ、寝れるだけましだ。
疲れていたのですぐに眠りについた。
朝、
何も起きていなかった。
無事翌朝になったというわけだ。
僕らが呼び水になったのか、数台の車が止まっていた。

基本アメリカのモーテルは綺麗だ。だからその落差に驚いた。
ホリデイインに初めて止まったのは、日本だった。京都のホリデイインに泊まったことがある。

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