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〝僕がチームを引っぱっていく〟【#4 高橋克実 選手】


こんにちは!新潟アルビレックスBBnote編集部です。ここでは、普段なかなか見えない選手の一面を、インタビューを通して皆様にお届けしたいと思います!

【2023‐24シーズン 選手インタビュー】
三人目はこの方。ルーキーでありながら先日の福岡戦では28得点のキャリアハイを達成するなど、今やチームにとってなくてはならない存在の高橋克実選手。〝かつみん〟の愛称でチームメイトからもファンからも愛される一方で、バスケに対しては超ストイック!!彼がプロバスケットボール選手になるまでのエピソードについて、お話を伺いました。ぜひ、最後までご覧ください!


ー高橋選手がバスケットボールを始めたきっかけを教えてください。
子供の頃、お父さんにスラムダンクのアニメを見せてもらったことがきっかけで、2つ上のお兄ちゃんが先に、小学1年生になるタイミングでバスケを始めました。それを見て僕も遊び程度にバスケをやっていて、小学1年生になる時、本格的にバスケを始めました。当時、僕の幼稚園の友達たちも兄弟の影響でバスケを始める子が多かったです。

ーバスケ以外にも習い事は何かされていましたか?
年長さんから小学5年生までピアノを習っていました。お兄ちゃんも弟も習っていなかったのに、男3人兄弟の中でなぜか僕だけ…。
偏見ですけど、当時はピアノって女の子がやるイメージがあって、周りにも習っている子がほとんどいなかったので、恥ずかしい気持ちがありました。今思えば、ピアノ弾けるの超かっこいい!って思うんですけどね。でも、ピアノをやっていたおかげで手の指が横にめっちゃ開くようになりました!

ーミニバス時代からご活躍されていたんですか?
大阪大会など、全国に繋がる大きい大会には、ライセンスの関係で出場できなかったんですが、その地区では負け無しでした!
中学校も、ミニバスで一緒にバスケをやっていた仲間たちと、学区内の同じ中学へ進みました。2個上のお兄ちゃんもその中学校のバスケ部にいて、僕が1年生の時にお兄ちゃんが3年生でした。

バスケを始めた頃の高橋選手

―中学校ではお兄さんとコートに立つこともあったんでしょうか?
僕、中学生の時めっちゃ小さかったしガリガリだったんです。なので身体の大きい3年生たちと一緒に試合に出る、ということはありませんでしたね。
学年が上がって試合に出れるようになり、僕らの代の時には大阪府で2位になりました。大阪府は450校もバスケ部がある中でトーナメントをするので、10回以上勝ち続けなきゃならないことが大変でした。その後、近畿大会に進むことができましたが、予選で優勝して勝ち上がってきたチームを相手に、5点差くらいで負け、全国には進めませんでした。

ー中学校時代の先生は、高橋選手にとってどんな先生でしたか?
中学のバスケ部の先生はめちゃくちゃ熱い先生で、僕らの練習メニューに先生も一緒に入ったり、階段ダッシュしに神社まで行くんですけど、その時も先生が後ろからついて来たり。しんどいことも僕らと一緒に頑張ってくれる先生でした。今でもラインをくれたり、連絡を取っています。

中学時代の高橋選手

ー高校はどのように選択されたんでしょうか?
高校は、お兄ちゃんも通っている桜宮高校のスポーツ科へ進学しました。公立高校の中では一番バスケが強い高校でした。僕は私立のバスケ部に入りたいという気持ちは無く、公立に入って私立のバスケ部に勝ちたい!!という気持ちがあって。そのために、中学の時は勉強を超頑張りました。桜宮高校は普通科よりもスポーツ科の方が偏差値が高かったので、勉強頑張らなあかん!!と思い、小学6年生の頃から通っている塾に、受験シーズンは週7で通って、朝10時から夜10時くらいまで勉強していました。

ー入学後、高校生活はいかがでしたか?
僕が高校1年生の頃は、2個上のお兄ちゃんの代が強くて、大阪ベスト4の成績でした。その頃も僕は身体が細く、ユニフォームをもらえなかったので、高校でもお兄ちゃんと一緒に試合に出ることは一度もありませんでした。
お兄ちゃんの代が引退し、高校2年生になる頃から試合に出れるようになりました。

(右)高橋選手と(左)お兄さんの高橋育実選手(しながわシティバスケットボールクラブ所属)

大阪では上位2校までがインターハイに出場できるんですが、僕が3年生の時の、インターハイ出場を懸けた試合の相手は、近畿大学附属高校でした。その高校のポイントガードをやっていたのが、小学校から中学校まで9年間一緒にバスケをやっていた仲間で、プライベートでもめちゃくちゃ仲の良い幼馴染だったんです。一緒にインターハイに出たい!と思っていましたが、どっちが勝ってもどっちかが行けない、という展開になってしまい、最後は僕らが2点差で負ける結果となりました…。悔しかったです。

高校生活は、スポーツ科だったので1日6限まであるうちの3時間は体育の授業があったりして、授業ではいろいろな種目の競技を経験できました。クラスメイトも、競技は違ってもスポーツを頑張っている同じマインドの仲間ばかりだったので、学校自体とても楽しかったです。練習がきつくてしんどい時も、クラスメイトやチームメイトが支えになりました。

高校時代の高橋選手

―大学は、プロになることを視野に入れて選択されたんですか?
大学は、スポーツ推薦の枠で龍谷大学へ進学しました。でもプロを目指していたわけではなく、ただ単純にバスケがしたい!と思って大学を選びました。もともとプロを目指す気は無く、実業団とかで続けられたらいいな、と思っている程度でした。龍谷大学のバスケ部には大人の監督がいません。基本的に学生コーチだけ、という感じなんです。僕が入ったときは学生コーチもいなかったので、キャプテンが練習メニュー決めていて、1年生の時は本当にただただ自由に練習をしていました。
しかし、大学2年生の時、僕は変わりました!!

ー詳しく聞かせて下さい!!
僕の桜宮高校の一つ上の先輩の宮田さんという方が龍谷大学にいたんですけど、宮田さんは在学中にゴンザガ大学へ留学していて、僕が2年生になるときに龍谷大学へ帰ってきたんです。その後、学生コーチとしてバスケ部に来てくれて、僕はそこから変わったんです。宮田さんが来てくれたおかげで、18年ぶりに龍谷大学がインカレに出場することができました。

大学3年生の時、宮田さんの紹介で大阪エヴェッサの練習に2週間参加させてもらえる機会があり、そこで初めて『本気でプロに行こう!』と決めたんです。僕は中学の時も高校の時も小さくてガリガリだったんですが、プロとのフィジカルの差を感じて、そこから本格的に身体づくりを始めて体重を増やしました。高校生の頃は65キロくらいしかなかったんですが、今は80キロちょっとあるので、20キロくらい増えましたね。大学4年生の時は、それまでやっていたバイトも全部やめて、毎日バスケだけに専念しました。

ーどんなアルバイトをされていたんですか?
コンビニとか居酒屋です。ローソンで働いていました!!

(左)高橋選手と(右)宮田知己さん(JBA 日本代表専任technical)

その後、大学4年の時に関西で4位になりました。最後のインカレで名古屋学院大学と当たって負けてしまったんですが、僕がその試合で41点取って、それ以降いろいろなチームから声を掛けていただけるようになりました。

特指(特別指定選手)として加入した千葉ジェッツでも、やはりフィジカルの違いを実感しました。それまで大学でもトレーニングをしていましたが、それでもまだまだ。全然違いましたね。筋トレして重りを上げればいい、というスタンスでやっていたんですが、動きの中でのトレーニングを教わって、身体の使い方を学ぶことができました。チームにいた半年間だけで、すごく身体が変わったのを自分でも実感していますし、周りからも身体変わったねと言われました。

ー今シーズン、キャリアハイ28得点を達成するなど、現在のご自身の活躍を振り返っていかがですか?
ありがとうございます。でも、キャリアハイを取ろうと、一人が何点取ろうとチームが勝たなきゃ意味がないです。まだまだすごい選手はたくさんいますし、まだまだ28点なので。これからです。

―新潟アルビレックスBBへの今の想いを教えて下さい。
今のチームはもともとチームにいた選手がほとんどいなくて、みんないろいろなところから集まって来た、チームとしては〝できたて〟という状態です。ヘッドコーチの指導の下、早くチームとして確立し、僕たちのやりたいバスケットを試合で出さないといけないと思っています。出せたら必ず勝ちに繋がると思います。その為にも、選手一人一人、お互いにもっとチームで話し合っていけたらいいなと思います。僕はルーキーですが、そんなことは関係なく、僕がこのチームを引っぱっていきたいと思っています。

ー高橋選手の目標を教えて下さい。
日本を代表する選手になりたいです。今、ポイントガードをやらせてもらっていますが、僕はガードとしてまだまだ勉強中です。シュートが打てる・点を決められる・状況判断ができる、賢いガードになっていきたいと思っています!

ー高橋選手、貴重なお話をありがとうございました。


【note編集部コメント】
『チームが勝たなきゃ意味がない』という言葉がとても印象的で、『まだまだです』と謙虚に話す姿からも高橋選手の人柄と情熱が感じられました。受験も、プロへの道も、目標を決めたら一心不乱に突き進んできた人生がうかがえます。高橋選手のプロバスケットボール選手としてのキャリアはまだまだスタートしたばかり!彼がこれからどんな成長を遂げるのか、話を聞けば聞くほど、期待せずにはいられません!



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