マガジンのカバー画像

食文化コラム

46
イタリア郷土料理、日本郷土料理の研究・分析、食文化についてもお届けします。
運営しているクリエイター

記事一覧

+3

今が旬!クレソンが美味しい!

パンフォルテのお話

1)シエナについてトスカーナ州・シエナ(Siena)は、13~14世紀に、金融業で栄えた都市国家で、当時、勢力を広げていたフィレンツェ(Firenze)と、 トスカーナ地方の覇権争いをしていたほど経済力がありました。 ルネサンス芸術の中心地のひとつでもあり、その姿を残している旧市街は、貴重な歴史地区として、世界遺産登録もされています。 サリンベニ広場にあるのは、1472年創業・現存する世界最古のイタリア銀行「モンテ・ディ・パスキ・シエナ銀行(Banca Monte dei

熊本の伝統野菜・水前寺菜 @ 水前寺成趣園

< 2023年・熊本の旅 no.16> 水前寺成趣園内で、「うん?これ、お野菜?」と思ったのが、こちら。 熊本伝統野菜の「水前寺菜(すいぜんじな)」です。 葉の表側は濃い緑色で、裏側が赤紫色の野菜。 ふと、加賀野菜の「金時草(きんじそう)」を思い出しました。 敷地内の一部を「水前寺菜栽培地」として活用されているようです。 調べてみると、熊本伝統野菜「水前寺菜」と、加賀野菜「金時草」は、なんと、同じものだったのです。 江戸時代に、ここ熊本の水前寺町で栽培が始まり、その

イタリア郷土料理のお話・プーリア州(Puglia) ~料理編~

前回の「イタリア郷土料理のお話・プーリア州(Puglia)~地理編~」に引き続き、「プーリア州・料理編」をまとめています。 見ていきましょう。 1)プーリア料理の特徴たっぷりの陽射しを浴び、肥沃で、豊かな土地で育てられた野菜類を中心に、 特産のオリーブオイル、トマトをたっぷりと使った料理、 素材の味を楽しめるシンプルな料理が多いです。 これらの多彩な野菜類は、ヨーロッパ諸国にも輸出されるほど。 エジプト、アラブの影響もあり、豆類を使った料理も豊富です。 アドリア海で獲れる

イタリア郷土料理のお話・プーリア州(Puglia) ~地理編~

今回は、南イタリアへ。 長靴形をしたイタリア半島の、かかとの部分に位置するプーリア州を見ていきます。 かなりボリュームのある内容となったので、2回に分けて、お伝えします。 初回は「地理編」です。 「料理編」は、こちらから、ご覧頂けます。 1)プーリア州(Puglia)について2)州都:バーリについてプーリア州を旅する時の玄関口でもあるバーリ(Bari)の歴史は古く、 元々、ギリシャの植民地でした。 紀元前3世紀にローマの支配下に入り、帝政時代に「自治都市」となりました

イタリア郷土料理のお話・ピエモンテ州②~ お菓子 ~

前回、ピエモンテ州の郷土料理について、お話させて頂きました。 今回は、ピエモンテ州のお菓子に注目します。 まずは、地理的復習から、始めましょう! 1)ピエモンテ州(Piemonte)について 旅行記(北部)からも、豊かなピエモンテ州の様子を見て頂けます。 2)ピエモンテ郷土菓子の特徴ピエモンテ菓子を語るにおいて、必ず出てくるキーワードが「サヴォイア家」。 イタリア統一運動後、1861年成立したイタリア王国(首都:トリノ)の王家として君臨した家系です。 イタリア最後の

イタリア郷土料理のお話・ピエモンテ州(Piemonte)

今回は、イタリア北西部にあるピエモンテ州について、見ていきます。 1)ピエモンテ州(Piemonte)について 2)州都:トリノについてイタリア第4の都市として、博物館美や術館も多く、感性を刺激される街、 また、ミラノに次ぐ第2の工業都市として、フィアット(FIAT)等の 自動車工業の拠点でもあります。 世界遺産として登録されているのは、カステッロ広場にあるトリノ王宮をはじめ、サヴォイヤ家の王宮群。 見応え十分です。 キリストが十字架から降ろされた後に包まれ、身体の形が

新マガジン「オフィスアルベロ・レシピ集~neo~」を作成しました!

2020年から3年間、投稿してきた定期購読マガジン「レシピ集」。 2022年末で終了しましたが、改めて、新マガジン「レシピ集 ~neo~」を 作成、公開しました。 今まで投稿してきた 計 260本ほどの記事「レシピ」「美味しさのヒント」 「郷土料理のお話」等も、ご覧頂けますし、今後、投稿していく記事も、 このマガジンに加えていきます。(閲覧・一部有料) 是非、フォローして、楽しんで頂けると嬉しいです。 どうぞよろしくお願い致します。

富久錦 純米吟醸生原酒「立春朝搾り(令和五年癸卯二月四日)」

イカ墨のお話

甲イカは、こちら。 本より、引用させて頂きました。 胴体の背側に、石灰質の甲を持ち、平たい形で、ポテッとしています。 大きいものは、「もんごういか(紋甲イカ)」とも、呼ばれていて、 こちらの名前の方が、馴染みがある人も、いらっしゃるのではないでしょうか。 ヴェネツィアの市場でも、沢山売られていました。 甲イカの墨袋は、大きく、沢山、墨が取れるので、 甘くて肉厚の甲イカを使って、イカ墨料理が、作られるようになりました。 どのイカにも、墨袋がありますが、 普段、私達が、よ

イタリア郷土料理のお話・ヴァッレ・アオスタ州(Valle d’Aosta)

久しぶりの「イタリア郷土料理のお話」。 今回は、イタリア最小の州・北西部に位置するヴァッレ・ダオスタ州について、見ていきます。 ****************** 1)ヴァッレ・アオスタ州   (Valle d’Aosta)について 2)州都:アオスタについて雄大な山並に囲まれた盆地の街・アオスタは、2000年以上の歴史を誇ります。 アルプス越えの拠点として、古代ローマ時代からの重要都市であり、 遺跡や教会、美術品も多く残っており「アルプスのローマ」とも呼ばれています。

イタリア郷土料理のお話・ヴェネト州①

レシピ集がスタートして、6ヶ月目に突入。 これからは、郷土料理を切り口に、各州の特徴も、ご紹介していきます。 イタリアは、全20州。 ぞれぞれの地域色が、郷土料理にも、色濃く残っています。 お話したい事は、山ほどありますので、色々な角度から、 分かりやすく、ゆっくりと、まとめながら、お伝えしていきます。 どうぞ、よろしくお願い致します。 第一弾は、ヴェネト州をご紹介。 レシピ集3月~5月にかけて、多くのヴェネト料理をご紹介しました お料理と照らし合わせながら、見て頂くと、

イタリア郷土料理のお話・ヴェネト州②~ お菓子 ~

前回、ヴェネト州の郷土料理について、お話させて頂きました。 今回は、ヴェネト州のお菓子に、注目します。 ヴェネト郷土料理については、こちらからご覧頂けます。 まずは、地理的復習から、始めましょう! 1)ヴェネト州(Veneto)について旅行記(北部)からも、美しい街の様子を見て頂けます。 # ヴェネト州の記事 2)ヴェネト郷土菓子の特徴外国との交易、交流があった地域なので、その影響が色濃く残っています。 中世の時代に、海洋都市として栄えたヴェネツィア(州都)は、 オ

イタリア郷土料理のお話・リグーリア州

ヴェネト州をご紹介した「イタリア郷土料理のお話・第一弾」。 第二弾は、北イタリア西側のリグーリア州について、書かせて頂きます。 ヴェネト州のお話 レシピ集でも、6~7月にかけて、リグーリア料理をご紹介しました。 それも併せて、まとめていますので、是非、ご覧ください。 ****************** 1) リグーリア州 ( Liguria ) について2) 州都 : ジェノヴァについて中世の時代、四大海洋都市のひとつとして繁栄し、 現在も、イタリア第一の港街として