Solana DeFiの落とし穴(FRAX-USTの例をつかって)

こんにちは。SolanaのDeFiをユーザー側として触りまくっているAlbertです。私は前々より有料ノート等は、相場が冷え込んでから出そうと考えてました。バブルを乗り越え、金銭感覚が落ち着き、自分が買おうとしている情報、それから、払おうとしている対価を冷静に見極められる人にのみ情報発信をしたいと考えているからです。

私がいつもお世話になっているDEGさんのDiscord鯖では、猛者の書き込みが目立ち「初心者」はいなくなってしまったかのように思える雰囲気があったのですが、時々直接質問を送ってきたりする人もいる内容をみると、この冬の時代にDefiを触り始めて、「何かよくわかないけど損をした。」という人が実は少なくないことに気が付きました。

DeFiはしっかりと理解すれば収益源になりますが、「なんか知らないけどインをして損をした。」だけだとひたすらに損をし続けることになりかねません。そうした人向けの注意喚起の記事はたくさんありますが、他方で、個別具体的な事例に基づく、実践的解説まではなかなかないんじゃないかと日々感じていました。

こうした中で、偶然いい素材が見つかったのでこの機に書いてみることとしました。

早速ですが、次のURLと執筆時現在のスクリーンショットをご覧ください。

https://app.quarry.so/rewarders/2UsGfm8S36eW58U4JeKgVC9fcXsqf7D6vfm4GHUtnENn/quarries

Quarryというのは、Solana中核のDEXであるSaberの裏で採用されている、イールドファーミング用のプロトコルで、信頼性が一応高いと考えられています。つまり、いわゆる魔界とかではないです。

このTNTという表記は、例えばイールドファーミングが始まったばかりのプールとかで表示されるもので、APYがあまりに高すぎて表示できない、といった取扱いになります。


これは、Quarryの他のプールからとってきたスクリーンショットですが、非常に高いAPYにもかかわらず、表示されていますね。

ここからもわかるとおり、このTNTというのはAPYが天文学的数字に跳ね上がっていることを示しています。つまり、「Saberで、FRAX-USTのLPをつくって、Quarryにぶち込めば、この天文学的APYが享受できる」そういう表示がなされているわけです。

Quarryというプロトコル自体、Solanaをきちんと触っている人以外に知られておらず、これは十分なエッジにみえますね。

こうした中で、経験あるDeFiユーザー(以下「ベテランさん」といいます。)とDeFi初心者(以下「ヌーブ君」といいます。)の二人がファーミングを検討するとしましょう。そうです。今回は物語形式です。それぞれ次の①ー④に掲げる認識をもち、仮にその認識が事実として正しかったとしましょう。以下の①ー④は、記事における説明の便宜のための仮定で、事実とは異なる可能性が大いにあります。

①SolanaとTerra Classic(Terra 2.0ができた後の、旧Terraをいうようです。)の間のWormhole Bridgeは閉じることはない。また、Terra Classicもチェーンとして稼働し続ける。

②現時点のUSTの市場価格は、1UST=0.035USDほどであるが、これはTerra 2.0用のトークンのスナショ直後の投売りで、大底だ。ファーミングの間は1UST=0.035USDを維持する。

③FRAXは次の崩壊候補だという声も見かけるが、なんだかんだでPEGを維持するだろう。ファーミングの間は1FRAX≒1USDC前後のレートを維持するはずだ。

④FRAXへの恐怖とUSTへの諦めから、自分のファーミング開始以降他にファーミングをする人はでてこない(つまりベテランさんがファーミングをするときにはヌーブ君はファーミングしないこととし、その逆も同様とする。)。

さて、ベテランさんはどういうところをみて、ヌーブ君はどういうところを見落とすのでしょうか。本記事ではDeFi初心者のリテラシー強化を目的として、ベテランDeFiプレイヤーがどういうところをチェックするのかを説明したいと思います。

本記事の想定読者は、
「何かよくわからないけど、イン。」といった癖がある人。
・「高APR/高APYをみると取り合えずイン。」といった癖がある人。
・「何かよくわからないけど損をしてしまった。」というときに、その原因を考えることをあきらめてしまう人。

です。

損をしないための教育目的の記事であり、儲け方が記されているものではないです。

なお、言うまでもないですが、本記事は特定銘柄の価値の分析等を行うものではなく、読者に投資助言をするものではないです。

「いい値段がついているねぇ」と思ったそこのあなた。この記事を書くために潰したエッジはミリクラスなので、僕は妥当と考えています。でも、売上でB国に入国するかもしれません。



では、以下が有料内容となります。

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