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「関西からアルビレックスを叫ぶ」

 一年でのJ1復帰は叶わなかったものの、昨シーズン終盤の快進撃や野澤・チョヨンチョルといったかつてのアルビ戦士の復帰、J3得点王レオナルドの加入などもあってシーズン開幕に向けてワクワクが高まるオフシーズンとなった。

しかし、いざ開幕となると「今年こそは昇格できるのだろうか」「今年ダメだったら...」と少し不安に思っていたサポーターも少なくはないだろう。

筆者もその一人である。

そんななか期待と不安を抱いて臨んだ開幕戦は0-0とスコアレスドロー。その後2節千葉戦では4-1と快勝し今シーズン初勝利をあげた。

まだシーズンは始まったばかりではあるが、まずまずのスタートを切ることができた。


 開幕の京都戦は自分が今住んでいる関西圏での試合ということでいつも以上にその試合にかける思いは強かった。

自分は生まれてから高校卒業まで新潟で過ごし、大学入学のタイミングで関西に引っ越しをした。

新潟から遠く離れた関西に来てからアルビに触れる機会は格段に減り、街中でポスターを見かけたり、ローカルニュースで取り上げられるということももちろん無かった。

自分が関西に引っ越してきてからアルビが初めて関西で試合をしたのは2017年のルヴァンカップ、セレッソ大阪戦だった。

その日は平日のナイターゲーム。自分は大学の授業が終わるとすぐにユニフォームに着替えてスタジアムに向かった。

ユニフォームを身につけて電車に乗る。いつもは通学で使う道をその日はユニフォームを身につけて通った。ちょっぴり恥ずかしかったが、誇らしくもあった。

スタジアムに着くとそこにはオレンジのユニフォームをまとったサポーターがたくさんいた。その光景を見てホッとする自分がいた。

生まれて初めて新潟から出てひとり暮らし。その頃は知り合いも少なく心の片隅に不安を抱えていた。

ただスタジアムに行ってみるといつも見ていたあの風景があった。

知り合いではなくてもオレンジのユニフォームをまとったサポーターを見るたびに親近感がわいた。

自分の好きなアルビレックスが関西に来てくれた。そんな感覚だった。

試合が始まるといつものコールがあった。チャントがあった。

関西の地でアルビレックスを叫べること。なんとも言えない高揚感で胸がいっぱいになった。

その高揚感はホームの試合でもアウェイの試合でも、新潟に住んでいた時には感じたことのないものであった。

それから約二年が経った開幕戦の京都戦にはその時の何倍もの新潟サポーターが関西にかけつけた。

勝利は掴めなかったが、関西の地でアルビレックスを叫べることに喜びを感じ、二年前のことを思い出し懐かしさも感じた。

アルビレックスのホームタウンは新潟であるが、アルビを愛するサポーターは日本全国にいる。

新潟から距離が離れている地域に住んでいれば、アルビの試合をスタジアムで見る機会は年に一度だけというサポーターもいるだろう。

だからこそその一試合にかける思いは強くなる。

これは新潟に住み、生活の中にアルビレックスがあたりまえに存在していた18年間では気付けなかったことであった。

今シーズンも関西から飛びだして全国でアルビレックスを叫ぼうと思う。


 今週末はアルビ、そして自分を含めた県外在住サポーターにとってホームであるビッグスワンで柏レイソル戦が開催される。

久しぶりの里帰りを勝利で飾り、翌日の酒の陣に備えたい。

                                 M.


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