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【アルビ関西風マッチレビュー】vs柏レイソル 新井直人の辞書に身長差という文字は無い

京都、西京極でのJ2リーグ開幕戦。スターティングメンバーの名前を見て驚いたのは私だけでは無いはず。

そう、CBに大卒ルーキーの新井直人の文字がありました。

彼は新体制発表の時にはまだ正式に入団していませんでしたが、高知キャンプには初日から帯同し、その途中の2月9日に入団が正式に発表。

入団発表から約2週間でのスタメン抜擢に驚きましたが、
彼のプレーぶりにもっと驚いたのも私だけでは無いでしょう。

京都戦・千葉戦と終始安定したプレーを見せ、
千葉戦ではゴールまで決めちゃいました。

突如現れたシンデレラボーイに私含めアルビサポはもう
メロメロございます...

最初は「新井くん〜」なんて呼んでたのに、プレーを見る度に「新井さん...」と呼び方が変わるレベルです。


https://web.gekisaka.jp/news/detail/?267822-267822-fl

このゲキサカの記事も涙腺崩壊でした...

そんな我らの「新井くんさん」ですが、柏レイソル戦ではオルンガ選手とマッチアップ。

オルンガ選手は193cmの大型FWで、新潟との対戦の前に行われたルヴァンカップFC東京戦で2ゴールを上げるなどかなり強力な選手。

このルヴァンカップの試合を見たアルビサポはみな
「新潟戦にオルンガはおるんが?」と戦々恐々したことでしょう。

お、恐ろしやぁ〜...

そんなオルンガ選手に対して新井選手は173cm。
その差ちょうど20cmと圧倒的不利です。

この身長差に新井選手はどう対応したのでしょうか?

スターティングメンバー

スタメンを見ても分かる通り、明らかにオルンガ選手を新井選手に当てるのを狙っています。

クリスティアーノ選手はルヴァンカップの2点目をアシスト(上記動画参照)してますし、小池選手は持ち味の攻撃力を生かして積極的にクロスを上げてきます。

さらに今節は左SBに菊池選手が入りました。
彼は両足のキックの精度が高く、カットインからのクロスやシュートも得意です。

どこからでもオルンガ選手を狙える布陣ですね。

やめて...(´;ω;`)

どうなる新井さん?

前半6分。

早速恐れてた形。

クリスティアーノ選手クロスからオルンガ選手のヘディング。

大谷選手のナイスセーブで難を逃れましたが、新井選手の頭の上から合わされました。

やっぱりこの身長差では勝てっこないのか...?

凄いぞ新井さん。オルンガ選手に対応できた理由。

いえいえ、全くそんなことはありませんでした。

試合を通して、新井選手とオルンガ選手のマッチアップで新井選手が負けたのはこのシーンだけです。

新井選手は持ち前の身体能力と判断能力、2手3手先を読むプレーでオルンガ選手をことごとく潰していきます。

身体を張って競り勝ったり(勝てなくても良い体勢でヘディングさせない)、あえて距離を取ってカバーリングやインターセプトで対応したりなど身長差を全くもって感じさせないプレーを繰り返していました。

競り合いにも負けなかったり、

1人オフサイドトラップでオフサイドに引っ掛けたり、

スローインからのイーブンなボールも、

するりと前に出て対応。

また別の場面では

ロングボールを先に落下地点に入ってクリア。

さらにさらに

オルンガ選手のシュートをブロックしたり、

瀬川選手の抜け出しもしっかりとカバーリング。

その他にもオルンガ選手とあえて競らずにカバーリングした場面や、ボール保持時に積極的に縦パスを通して攻撃の起点になるなど、今節も終始安定したプレーを見せていました。

安定してるのもそうですが、それでいて良いプレーが目立つのが凄いですよね...

既に書いた通り、新井選手は身体能力もさる事ながら
判断能力先を読む能力が非常に優れています。

その能力を発揮することで身長差のあるオルンガ選手にも対応し、攻撃の起点にもなることが出来るのです。

これが新井選手がオルンガ選手に対応出来る理由であり、
どの試合でも攻守のキーマンとなる理由です。

新井さん...恐ろしい子!!

だがしかし試合結果は...

身長差をもろともせず、オルンガ選手に対して完璧な対応を繰り返していた新井選手。

ですが、試合はオルンガ選手のゴールで0-1と敗戦してしまいました。

形としては73分、小池選手のクロスを渡邊泰基選手がクリアミス。

新潟のDF陣は一瞬反応が遅れてしまい、川口選手の前にいたオルンガ選手がいち早く反応してゴール。

思うような形を作れていなくてもここで決めてくるオルンガ選手のポテンシャルは流石でした。

新井選手が対応出来ていたもう1つの理由と
新井選手をフォーカスしてnoteを書いた理由

ホーム開幕戦で昇格候補の筆頭である柏レイソルを打ち破って勢いを付けたかったものの、結果としては警戒していたオルンガ選手に点を取られてしまい残念ながら敗戦を喫してしまいました。

しかし、内容としては決してネガティブなものではなく
非常に拮抗した熱いゲームだったと私は感じました。

新井選手が圧倒的身長差のあるオルンガ選手に対応出来たのにはもう1つ理由があります。

それはアルビの守備システムが非常に機能していたから
です。

今シーズンのアルビの守備は以前よりもかなり整備されています。

戸嶋選手、高木選手の両SHが中央に寄り、
縦と横にコンパクトな4-4-2を形成。

中央へのパスコースを2トップが切り、サイドにおびき寄せたらSH(戸嶋、高木)・SB(川口、泰基)・CH(加藤、カウエ)で圧力をかけ奪いに行く。

というような片渕監督の仕組んだ形が開幕からの3試合で良い形として出ていました。(もちろん発展途上ではありますが)

コンパクトな守備システムなのでサイドに追いやる形だけでなく、マークの受け渡しがスムーズであったりカバーリングの距離感なども非常に良く、様々な場面で粘り強く対応していました。

この整備された守備システムがあったからこそ、新井選手もオルンガ選手に対して持ち味を生かした対応を続けられたのです。

そしてこのシステムを成り立たせるには相当な走力と守備力が必要不可欠ですが、アルビの選手は今年のスローガンを体現するように走って、身体を張っています。

泰基選手も失点にこそ絡んでしまいましたが、その他はクリスティアーノ選手に対しても競り負けていませんでした。

サッカーは個人でやるスポーツではありません。

選手全員が走って、粘ったからこそ新井選手の持ち味も発揮出来たのです。

私は今シーズンのアルビのサッカーにワクワクしています。

新加入の選手の顔ぶれにもワクワクしてますし、

整備された守備やそこからの攻撃にもワクワクしてます。

ですが、1番のワクワクしている要因は

クラブとしてのビジョンがより明確になった」ことです。

昨年のJ2リーグ16位という結果を受け止め、今年のアルビは是永社長を筆頭に改革へ踏み出しました。

ビッグスワンで沸き立つプレー、
サポーターをワクワクさせるプレーは何か。

それを考え、皆さんご存知の通り今シーズンのサッカーの
スタイルになりました。

メソッド部門を取り入れ、長期的なビジョンも見据えるようになりました。

ホームページのアップデートやメディアへの露出の仕方など、これからもずっとアルビが魅力的であるためのストーリーをひとつずつ組み立てています。

今回のホーム開幕戦までにもメディアやSNSを使って、
この試合を盛り上げるストーリーを作っていました。

もちろん、ここで勝てれば最高でした。

しかし、スポーツはストーリーがあるからといって勝てるものではありません。

現時点では柏の方が強かった、それだけなのです。

ただ、この柏レイソル戦は悲観的になる内容だったかと思うと私はそうは思いません。

敗戦は人それぞれ色々な感情が湧き出るので、それを否定するつもりはありません。

負けは負けで、J1昇格する為にはそんな事を言っているのは甘いと思われる方もいるかと思います。それも正しいです。

ですが、私はJ1クラスの実力のある柏レイソル相手に最後まで堅い守備で闘い抜いたことには自信を持っていいと思うのです。

当然、課題はまだまだありますが昨年までとはまた違った
ハッキリとしたアルビとしての闘い方が見えたのではないのでしょうか。

これまでの3試合でワクワクするプレーもたくさんあったのではないでしょうか。

大事なホーム開幕戦、昇格候補の柏レイソルに敗れ意気消沈してしまいがちではありますが、アルビのストーリーはまだ始まったばかりです。

クラブ・選手はもちろん、サポーターもストーリーを作る1人なのです。

だから私たちはストーリーの続きを見ることを簡単に諦めてはならないと思うのです。

大変偉そうで恐縮なのですが、ここに私が今回新井選手を
フォーカスしてnoteを書こうと思った理由があります。

ホーム開幕戦で沈みがちなテンションを、何とかして払拭したい!

負けた試合でも良いプレーがたくさんあった事を忘れて欲しくない!

という想いをなるべくポジティブに伝えるにはと考え、
新井選手のプレーにフォーカスをしてnoteを書きました。

新井選手もそうですが、選手達は本当に良く闘っていました。

そこはしっかりと讃えるべきだと思うのです。

アルビレックスは進み続ける

新井選手の話からズレた後にかなり長々と書いてしまいました(^_^;

負けは悔しいですが、その気持ちサポーターも選手・スタッフも同じ!

選手・スタッフ達は柏レイソル戦で出た課題を踏まえて、次の試合へ準備をしているはずです。

この悔しさをサポーター・選手・スタッフの全員で
次の横浜FC戦にぶつけるのみです!

まだまだアルビのストーリーは始まったばかり!

これからもアルビの底力を見せつけていきましょう!!

ちなみに失点の直後、誰よりも早くボールを回収しに行ったのも新井選手。

ルーキーでこの切り替えの早いメンタリティ...

ますます惚れる...!( ・ㅂ・)و ̑̑

ではではまた。

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