光の正体

人類の能力の限界値と真相への到達を目的とする思いの狭間で生まれた概念のひとつ。その名は真実相当性。

平日、とある動画の見過ぎで寝不足のまま、やっと乗り切り訪れた終業時刻、UFOの目撃談で見知れた顔ぶれの目を集める同僚。夜空に停空していた眩い光の正体を突き止めるべく、長机を囲んでの会話は盛り上がり、そして終わる気配を見せない。

ともに過ごした時間によって得た信頼度により、彼が嘘をついている可能性は無に等しいと誰もが思う、ある種の真実相当性。星や既存の飛行物体のライトと見違えたのではないか?という脳の判断能力の曖昧さに基づく真実相当性。

別の同僚が口にする、この広い宇宙に文明を持つ生物が地球にしか存在しないほうが不自然であり、我々がまだ手にしていない技術を用いて別の星から地球に訪れることができる者がいたとしても何ら不思議ではないという、今まで100回くらい聞いたことがある種の真実相当性。

どの真実相当性も結論に至ることはなく、どこで調べたんか知らんけど、エイリアンの種類だの実在する不思議な惑星だのの情報が飛び交う中で、私の脳裏に停空し、眩い光を放つ真円の存在が確かにひとつ。水を差すようで言えなかった、帰宅をはばむそのどれもが、今はものすごくどうでもいいという


それだけは真実

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