Apex Legends

仕事中、常に思っていることがひとつだけある。
ゲームがしたいです……と。

APEXなるゲームをやる。三人一組で最後の生き残りを目指すFPSゲームだ。人生初のPCゲームで自分の指の数より多いボタンのついたパッドを使ってのゲームも初。これ以上ボタンが増えるとクラッシュしてしまうのでキーマウでのプレイは不可能である。

実力は上手いとは言いがたく、それなりに……とも程遠く、正味、下手くそである。死に戻る頻度には軽く自信がある。そして私は常に一人でプレイする。理由は言わずもがなである。

リアルな世界観というよりはファンタジー色が強く、そのわりに様々な理由付けも細かく、それぞれのキャラが特有の能力を持ち合わせているという設定も日本のバトル漫画のようで好きになった要因としてデカイ。

楽しむためにプレイしているはずのゲームなのに、悲しいこともよく起きる。代表的な例では死体撃ち。フィニキャンなんてされようものならば、私は 「お願いですから、やめてください」と、分厚いクッションを敷いたイスの上で、ロイヤルミルクティーを飲みながら命乞いをするはめになるのである。相手にはもちろん伝わらない。

悲しい気持ちにされるのは敵だけではなく味方にも存在する。猛者の方の配信などで「野良に悪い人いない」とか発言しているのを何度か拝見したことがあるが、あれは嘘である。彼らが嘘つきなのではなく真実ではないという意味だ。そりゃアンタらがツエーからだろと。

ヨエー私は 「さっさと起こせよ下手くそ」だとか 「嘘だろ、もう死ねよ」とかチャットで暴言を吐かれてしまう。「嘘ではないし、望み通り死んだあとで、そんなこと言われましても」である。似たような経験は多々ある。

マッチ中、チャットで一生説教してくるガスおじとも組まされたことがある。ゲームをプレイしながら尋常ではない速さで文字を打ち込んでくるのだ。ずっと。ずっと。絶え間なくずっと。何か別のことでその才能を活かして欲しいのと、頼むから味方にそんなに毒を吐かないでくれ。

日本のサーバーでしかプレイしないのに、かなりの頻度で外国人プレイヤーとも味方になることがある。彼らの多くは好戦的で、中には立ち回りという概念を安置外の彼方に置き忘れてきたままのプレイヤーも見受けられる。

高所に陣取った三人組に、まずは一人目が突撃する。キャラクターの移動速度は原則同じなので私がカバーできる位置にいないことは明白。私が思うにオクタンの興奮剤はパッドやキーマウの隙間からも染み出ていて、プレイヤー本人にも作用するものであると本気で信じている。

たった今起きた惨劇がまるで見えていなかったかのような、もう一人の味方のアクションにより、わずか数秒の間に私は同じ光景を二度、目の当たりにすることになる。三体のレジェンドに見下ろされながら一人ぼっち。別ゲーの始まりである。

ブラハの検知で位置がバレ、三体につめられて全滅。最後は f だの n だのからはじまる英語が苦手な人間でも、かろうじて傷つくセンテンスを残して去ってゆく味方、そのパターンが多い。さっさまでボイスチャットを使って謎の言語でわめいていたのは何だったんだ?その時の彼らの一人が残していった言葉は What are you doing? お前だよ。

普通にやってるだけで、それだけのことが起きてしまうのに、運営の意図、ゲーム性に反して発生する問題がもうひとつある。チーターの存在である。人間の反応速度、精密度を超越した能力により私はマッチ内から排除され、敵視点に飛ばされると、そこではシーラでも撃ち勝てる気がしない化け物が猛威をふるっているのだ。

彼らの気持ちもわからなくもない。初動ファイトで撲殺され、移動中、スナイパーに撃ち抜かれ、たどり着いた建物ではハイドに背中を撃たれ、完璧に物資が整ったと思いきや猛者に瞬殺されを繰り返せば、人間をやめたくなる気持ちも芽生えてくるだろう。

鬼は皆、悪なのか?怪人に人権は不必要か?……否!……しかしチーターは総じてクズである。常に風上をキープしつつ、にんにく唐揚げ食べながら屁ぇこきまくる悪霊に一生、取り憑かれてろと思わなくもない。戻ってきた人、おめでとう。それ以外、運命よ願わくば彼らに七難八苦を与えたまえ。

なんだかんだゲーム自体は好きだし、有名動画サイトなどで活動している人たちの中にも好きな人多いので、サッカーや将棋、とある別ゲーみたいに、ずっとあるコンテンツになって欲しいと、ひそかに願う次第である。あきらめたらそこでゲームオーヴァーだぜ。

そして我は我とて
今日も頂を目指す
偉業を成す者の
一人であろうと

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