ティンポジウム潜入レポ!!~アバンギャルドな性教育の話~
阿佐ヶ谷のとあるバーでティンポジウムなる性教育イベントがあるらしい・・・。
そんな怪しい噂を聞いた私は、さっそく調査に乗り出した。
Googleにその謎の文字列を打ち込むと、意外にもすぐに答えが出てきた。
ティンポジウムとは、ティンポの話だけをアカデミックに語り合う場として、およそ100年前にオマーンにて考案された文化形態の一つです。
私の好奇心は掻き立てられ、気づいたときには既にe-plusの購入ボタンを押していた。
ティンポジウム・・・
ティンポジウム・・・
ティンポジウム・・・
呟けば呟くほど私はその言葉の魔力に取りつかれ、さらにイベントについて調査を続けた。そして、それはいくつかのコーナーから成り立つらしいということを発見した。
・実録!ここで〇コってみました
・村山亨のティンポ映画の名チーンたち
・「地蔵中毒」による性教育
・「すぐイクよでるよ」によるショータイム
・お客様へのチンケート
なんだかティンやらチンばかりが並んでいて、ティンポのゲシュタルト崩壊寸前であったが既にチ(ン)ケットの代金は支払い済みだ。
もう逃げられない。
~イベント当日~
会場は、片側にバーカウンター、反対側にステージが設置されておりなかなかイカした雰囲気。観客も欲情した変態ばかりと思いきや、仕事帰りのサラリーマンやら、カップルやら、意外とまともそうであり一安心だ。
全員がまだかまだかとそわそわしながらステージを見つめるなか、ついに証明が暗くなり、スポットライトがステージに向かって照らされた。
ステージ脇から中学校の体操着を着た、ゴーストライター騒動で一気にスターダムに乗し上がった新垣隆に激似の中年のおじさんが登場した。彼は長ズボンをはいていたものの、股間が異常なまでにそそり立っていた。
彼に続いて、ミニスカを履いた20代くらいの女性二人が登場した。彼らがアイドルユニット「ティンポポ」らしい。ティンポのことや性のことについて何も知らない清廉潔白な子供というような設定であり、各コーナーの合間に性に関する質問を新垣氏にぶつけてそれに新垣氏が答えるという寸劇があった。
彼らの登場直後の寸劇(特に取り立てて書くほどでも無い内容だったので割愛。)の後に、出演者たちが入場した。(この辺の詳細も割愛。)
ほぼ全裸で登場した主催者らしき人物が、開チンの言葉としていたって普通の開会宣言をし、謎に包まれたイベントのベールがはがされた。
実録!ここで〇コってみました
最初は、主催者らしきモヘー氏の満を持しての発表であった。
ほぼ全裸のモヘー氏は意気揚々と、前方のスクリーンに、米津玄師の「Lemon」に乗せて自慰行為をしている自らの動画を流し始めた。さすがにリトルモヘー氏は映り込んでおらず、まっすぐ一点をみつめ一心不乱にしごく真剣な表情の顔にフォーカスされている映像であった。映像の中の彼がイクまでの間、ステージ上のほぼ全裸の彼は、彼がどれほど自慰行為を好むかを熱弁した。この映像は以前遊びに行った旅先の小料理屋のトイレで行ったときに撮影したものらしい。
観客も最初は面白がって笑っていたものの、あまりの長さに飽きてきてしまっている。
モヘー氏は思わず早回しし、もうフィニッシュのとき。
それはかなりあっさりしたものだった。表情も一切変化しない。
「えっ、もうイッたの」とざわざわしだす会場。まさにカイジ状態。
出演者席のすぐイクヨデルヨ(女芸人ユニット)は「え、声出さないの?」と不満を隠しきれない様子。「みなさん声出しますよねぇ!?」と思わず会場に問いかけるイクヨさん(またはデルヨさん)。しかし相変わらず冷め切った会場からの反応は薄い。どう考えても粒ぞろいの変態たちが集いそうなイベントであったにも関わらず、どうもシャイな人が多かったようだ。
こうして、尻つぼみぎみで彼の発表は終わった。
村山章のティンポ映画の名チーンたち
続いて、映画ライターである村山氏による発表である。モヘー氏の出で立ちとは打って変わり、いたって普通の、すこし背の高い40代後半のおじさんといった見た目の男性がステージ上に登場した。雰囲気はスナフキンみたいな感じだ。
発表のテーマは、「名作映画のティンポ史」。いかに映画のなかでティンポが秘匿とされてきたか、映画のシーンに登場するティンポは何を意味するのか、なぜここにティンポを登場させなければならなかったのかなどを熱く語る。思わずこちらも手に汗を握ってしまうような熱の入った発表である。村山氏によると、ハリウッド俳優のベンスティラーはティンポを出したがる俳優らしい。要チェックだ。
しかし日本の映画史において、ティンポそのものを映し出すというのはご法度であり、もちろん検閲の対象となり、映画でティンポを拝むなんてことは夢のまた夢であった。
しかし2016年、映画界の黒船が日本に上陸。その名も
Netflix
このグレートアゲインアメリカからの黒船が、日本に新時代の到来を告げたのだ。
村山氏はこの黒船を「チンコ無法地帯」と呼んだ。
まず、上映当時モザイクがかかっていた洋画を、モザイク無しで観ることが出来るようになるという大変革が起こった。ベンスティラーも大喜びだ。
またNetflixはオリジナルシリーズにも力を入れており、そこはまさに「無法地帯」。代表例として挙げられるのが「セックスエデュケーション」である。
タイトルからも想像できそうである。このドラマは一話完結で話が進んでいくのであるが、毎回ティンポやらおっぱいやらが惜しみなく画面に登場する。モザイクはない。
個人的にはこの発表が一番興味深く、引き付けられる内容であったと思う。
後日「セックスエデュケーション」をすべて拝観したのは言うまでもない。
「地蔵中毒」による性教育
地蔵中毒とは何ぞや?と疑ってかかっていたが、モヘー氏いわく人気急上昇中の劇団らしい。
その劇団がこの紳士淑女のためのイベントのために、新たなストーリーで性教育のための劇を作り上げたらしい。
ある女たらしの男が、セックスしすぎて、もうどんな女を抱いても満足できなくなってしまって絶望したのだが、世界にはいろいろなワギナがあるということを知り、性の喜びを知る、というようなストーリーであった。
要するに「性器の形はみんな違ってみんな良い」ということを伝えたかったのだと思うが、ストーリ―展開がカオス過ぎて
「お、おう・・・」という感じであった。(ってどんな感じだよ!と一応セルフツッコミ。とりあえず私の語彙力では表しきれないカオスであったとだけ書いておく。)
「すぐイクよでるよ」によるショータイム
すぐイクヨデルヨは、かなり波乱万丈の人生を歩んできた二人の熟女といった様子。はち切れそうな胸とその乳首がうっすらと透けて見えるパツパツのトップスに、ケツの下3分の1ほどが見え隠れするパツパツのミニスカ、かなり粗めの網タイツを履いた出で立ち。出演者席にいたイクヨ(またはデルヨ)は赤ん坊を抱えておりぐずりだすとあやしていたのだが、なんだかものすごく触れてはいけない事情がありそうだと悟った。
披露したのは、米米CLUBのロマン飛行の替え歌と、オリジナルソングだった。
離婚の話
息子ほどの年齢の男の子をナンパし一発やった話
セックスワーカーだった頃の話
など、様々な人生経験を経た熟成されまくった正真正銘の熟女にしか創作できないよう歌詞であり、かなりの哀愁が漂っていた。
歌詞をうる覚えで何度もやり直していたが、さすが熟女、動じずに堂々と演じきった。
この時の私の脳内に流れた音楽は、彼女たちの替え歌とは全く関係のない島倉千代子の「人生いろいろ」であった。
お客様へのチンケート
チンケートとはもちろんアンケートのことである。
実は入場の際にスタッフからアンケート用紙を渡されており、それに記入された観客の回答を読み上げていくというコーナーであった。
モヘー氏が回答を読み上げている最中も、ステージに向かいチンケートを提出する人がいた。が、事前に提出されたチンケートが余りに少なく、モヘー氏は手渡された途端すぐに読み始めるので、匿名性が崩壊し誰の回答なのかが明らかになってしまっていた。
カップルで来ていた30代後半くらいの女性もその一人。ぽっちゃり体系、巨乳、ロングのウェーブヘアでどう見てもエロそうな女である。彼女はステージへ向かいモヘー氏にチンケート用紙を手渡し、色っぽい笑みを浮かべながら彼氏の隣の席に戻ってきた。
すかさず読み上げるモヘー氏。
「フェラをしまくって彼氏をイカせまくった」的な内容であった。
このイベントの後もきっと激しめなやつ、やるんだろうな・・・と悟った。
と、日本の明るい未来に安堵したあたりで、モヘー氏の閉チンの言葉(普通の閉会宣言)がなされ、謎に包まれていたイベントは幕を閉じた。
総括
性に対して不寛容な日本において、性器や性生活について声を大にして語り合うという機会は貴重な場なのではなかろうか。
日本の性教育は海外のそれと比べるとだいぶ遅れているようで、私自身も避妊方法などもしっかりと教わった記憶がない。
早熟すぎるのもどうかと思うが、知識をつけることは自分の身を守るためにも非常に大切なことである。
・・・と、まじめな結論に無理やりつなげてみたが、イベント自体は全体的少しスベッていた印象である。さすがに2時間ずっとティンポの話題でもたせるのは限界があるように感じられた。
とはいいつつ、どうやらこのイベントは2回目だったらしい。1回目よりも大きい会場でより多くの観客を動員できたそうだ。近いうちに3回目も開催されるかもしれない。3回目はぜひ、グダグダ感をなくしてほしいと思う。チケット代として一応2000円も払っているのだ。(プラスワンドリンク500円。)
興味が出た方は要チェックだ!
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