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世の中のアパレル事情

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長い事アパレルで仕事していて感じた事っていうか、まあお仕事のお話。問題叩き潰しがメイン業務だったので、わりと端から端まで並列処理してた日々。 まあ実際のところ、アパレルから離れ… もっと読む
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アパレル業界で私が知ってること(総論)要するに何やってきたかってのを時系列的に整理してみる。

 実は総論てのとはちょっとというかかなり違うんですけど、まあ要するに何がどうなったら私みたいなのになっちゃったかっていうのを一度整理しておきたいなーって思ったわけです。  1992年4月に某ベビー子供アパレルに入社いたしまして、最初は京阪神の百貨店担当補助だったわけです。  まあ、自慢じゃないですが本当に出来が悪い子でして、唯一の優位性が「販売力だけはなぜかある」っていう、そもそも営業には必須でもなんでもないスキルだったりします。  考えて見てください。ベビー子供服の百貨店

アパレル業界で私が知ってること(SCM篇3):売れた店に送るっていう考え方は実は間違いなんだよってお話。

 一応SCM構造の後半といいますか、会社から店舗へ、まあ当然その先にはお客様がいるわけですが、こっちの流れだけを取り出すのって本当は良くないというか、前半の仕入れまでの段階で起きた諸問題をここで一旦調整するみたいな感じの事を行うってのがありまして。まあ倉庫物流的な話になるんですけど、倉庫物流の話は書けばキリがなくなるってのがありまして。笑。  ざっくり言えば、遅れて入荷したり検査で引っかかったりするのを見越して、まあ1~2か月位の余裕を見て(ここは正直商品によります。遅らせ

アパレル業界で私が知ってること(SCM篇2):QRはSCMとしてどうなんだという話

 まあ前回でSCMたってなー、みたいな話をしましたけど、でもSCMを前提としたっていうか、まあ要するにQR(クイックレスポンス)してるメーカーとかあるじゃん?みたいな疑問って言うか普通のSCMなお話が出てくるかとは思ってたりします。私だって実際QRとかしてましたし。  そもそもサプライチェーンマネジメントってのは、大雑把に言えば生産から販売までの期間での利益やら在庫やらなんやらの全体最適化の話ですし、そういうものである限りは最重要なのはどこでどういう状態で在庫を持っておくの

アパレル業界で私が知ってること(SCM篇1):サプライチェーンっていってもさ…

 ご無沙汰しております。なんかバタバタしてるとこういうのってついつい放置しちゃいます。悪い癖だと思うんですけどね。まあこのあたりはご勘弁を。今後はせめて月1にはなんか書きたいなと思ってはいますけど、ネタ的には減ってきています。っていうか今現在アパレルに関係してませんから基本的にアウトプットオンリーです。いずれネタは尽きますので、その時はその時ってお話で。涙。  さて、サプライチェーンマネジメント的な事とかを書いてみようかと思ったものの、実際の話として、サプライチェーンが機能

アパレル業界で私が知ってること(予算管理篇3):計画に対して上振れしても下振れしても大変。苦笑。

 いきなり極論からスタートしちゃいますが、計画は立てるのは所詮数字遊びでしかなくて、押さえるところさえ押さえておけば、まあ誰でもそれなりには作れます。当たり前ですねー。でもまあ押さえるとこ押さえ損ねる人も多かったり。苦笑。  この時に大事なのは、プロパーとマークダウンの販売比率と生産量とのバランスで、粗利予算を立てるときにここをちゃんと考えておけば少なくとも数字上はちゃんと実現可能な予算になります。  逆を言えばここを無視して予算構築したら売上と粗利の関係がぐしゃぐしゃになっ

アパレル業界で私が知ってること(予算管理篇2):ブランド単位は先行して予算構築してるのでつじつま合わせが大変。

 さて、月別ブランド別店舗予算が出来上がるのって、期末か期初にたたき台がでそろいます。まあ考えりゃわかるんですけど、企画としてはこの段階で夏物生産に入ってたりするんですよね。春物なんか下手すりゃ店頭にあります。  ですから、月別ブランド別合計予算はもっと前の段階で組んでおく必要があります。でも、まあ至近になればなるほど精度が上がるのも事実ですし、出退店の情報とかもでてきますから、この段階で決めるのはプロパー/マークダウンの比率を考慮した生産量を決めるっていうのが本義です。

アパレル業界で私が知ってること(予算管理篇1):予算は戦略を反映していないとわけがわからなくなる。

 さて、いきなりトップ的な話になっちゃってあれなんですけど、全体の流れの中で予算管理ってのは重要に決まってますから、そろそろ真面目に書いておこうかとか思ってたりします。いや、正直ここは本当に無意味に苦労させられたところでして。いや無意味にっていうと語弊があるな。意味を持たせるように修正するのが大変だったっていうか、実現性の問題っていうか。  端的に言えば、理屈がわかっていないままに予算を組んだら必ず失敗するというか実現性がない予算とか組みがちです。これ、アパレル業界内でもわり

アパレル業界で私が知ってること(生産管理篇):生産管理ってマジで大変すぎる。

 いやー。これな。マジこれ。  NewsPicksで上がっていた記事なんですけど、本当にこういうのが山ほどありまして。  私そのものは生産管理としてダイレクトに仕事をしたことは無いんですけど、商品の入荷数量とか入荷予定とかにダイレクトに響きますからその関係でこういうのはいろいろと聞いていましたので、ちょっと感慨深いといいますか、あるあるだよなーと思いまして。 座波ケニアさん とおっしゃる方がtwitter上で記載していらっしゃるようなのですが、なかなか面白くて面白くて。

アパレル業界で私が知ってること(データ分析篇6):消化率60%だったら40%残していいよね?

 まあ、表題そのままの意味に受け取っちゃうとさすがに問題はあるわけですが。苦笑。まあ、このあたりをこういう感じで都合のいいように解釈する事も重要です。  前回までで、まあ、比較的安全ベースで消化率があげられるってのが見えてきたわけですから、ここからは単純にチャレンジです。というより、チャレンジする枠をつくりたいから手間をかけて既存ベースの消化率が取れるように持っていったってのも半面です。  チャレンジ商品は、実際問題売れるかどうかは未知数です。また、どういう方向性でチャレン

アパレル業で私が思ってる事。3:のその2今後どうすりゃいいだろうかの素案(デザイン的な話)

 前回は、今に至るまでの状況で、  こんな感じになってるんじゃね?  ってところまで書いたとおもうんですけど、じゃあどうしようかって話のうち、比較的真っ当な方法って言うと、  こういう感じで、感度が高いものを(成功するにせよ失敗するにせよ)作ってみる。折角のinstagramとかなのに、正直一般的なアパレルではこういう尖った、インスタ映えとかと縁がありそうな商品が少なすぎるってのも思ってたりします。失敗したらそれまでですが、ここが上手くいけば、  と言う風に、近い感性の

アパレル業で私が思ってる事。3:過去からの流れ的なのをイメージで書いてみる 。その1 。画像の貼り方覚えたのでテスト的な?

 まあグダグダ書いてきているうちに、なんとなくイメージしていた事とかを思い出してきまして。で、思ったわけなんですけど、ファッション業界、特に衣料の場合、いわゆる衣食住的な「衣」の機能は概ね完成に近づいていて、その上の「オシャレ」的な部分で付加価値を稼いでいたってのが現実に近いのかなって思ってたりします。図で書くと、  なんかこういう感じです。縦軸が付加価値っていうか単価的なイメージで、面積みたいなのがブランドの強さっていうか魅力っていうか、まあそういうものになると思います。

アパレル業界で私が知ってること(データ分析篇5):売れる理由や売れない理由が大事だった。

 大きな枠組み的なお話は、まあある程度書いた気がします。書き出したらキリがありませんからそろそろ細かいというかミクロ的というか、まあ単品分析的な話に切り替えていこうかとか思ったりします。  ものすごく当たり前の話なんですけど、POSデータでわかるのは「売れた」「売れなかった」的な話だけです。アイテムバランスとかそういう面では参考にできるんですけど、単品ベースで考えた場合、ぶっちゃけ次の企画にどう生かすとかそういうお話にはならないんです。っていうかしちゃいけないんですよね、本

アパレル業界で私が知ってること 余談。アパレル業界のリストラは割と大きな落とし穴があるよね?

 アパレル業界っていうか、アパレル商社の立て直しっていうのが困難な理由として、わりとみんながはまり込む大きな落とし穴があるからじゃないのかな?ってのを思ってたりします。  いやなんで急にそんな話をし始めたかって言うと、単純にデータ分析の話を進めていく中でそういやこういう事とかがあったなーってのを思い出したからです。枝葉の部分を思い出したら幹のところも思い出した的な感じです。  さて、アパレル商社がリストラに向かうまでの道筋そのものは割と一つしかありません。  端的に言えば売

アパレル業界で私が知ってること(データ分析篇3.5):そういやいろいろ変えてたっけ。

 前回の話を書いていてふと思い出したんですけど、この段階で各店舗発注から本部一括発注、本部一括納品っていう、セントラルコントロール的な事を始めていたりしました。あんまりくどくどと書くのもあれなんであっさり目で書いとこうかと。  まず、それまでの話をしておかないと変わったもなにもわかりませんからそこからスタートですかね。  それまでっていいますか、元々が卸売業的な方法でしたから、店舗別で発注→集計→合計に追加分をプラスして生産量決定、って感じでした。当然なんですが各店舗の発注