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ソフトロボティクスの未来を拓くクイーンズランド大学の4Dプリンティング革命



2024年、クイーンズランド大学のオーストラリア生物工学・ナノテクノロジー研究所(AIBN)で、画期的な4Dプリンティング技術が開発されました。この新技術は、特殊な液体金属ポリマーを用いて、赤外線レーザーにより様々な形状に変形可能な固形4D構造を作成するものです。これにより、ソフトロボティクスの分野における新たな地平が開かれることとなります。



リウェン・ジャンとルイルイ・チャオの研究チームは、ガリウムベースの液体金属ナノ粒子を用いた印刷樹脂を開発しました。これらのナノ粒子は、赤外線光に反応して形状が変化する特性を持ち、一つのステップで3Dプリントレジンに直接組み込むことができます。生成されたオブジェクトは、NIR(近赤外線)レーザーを使って材料を曲げたり、掴んだり、放したりすることが可能です。




この技術は特にソフトロボティクスにおいて革命的な可能性を持っています。ロボットが自然な動きや相互作用を模倣する技術には、形状が変更可能で、電線や回路を必要としない新しいタイプの材料が求められています。研究チームは、この4Dプリンティング技術を用いて、体内で形状を変える医療デバイスや、環境に反応する建材、自己組立家具など、幅広い応用が可能であるとしています。



「4Dプリンティングは、想像力によってのみ制限される、急速に進化している分野です」とチャオは述べています。この先進的な技術により、自動化されたソフトロボットの開発が加速されることが期待され、医療、航空宇宙、消費者製品など、多岐にわたる分野での応用が見込まれます。

この研究は、「Nature Communications」で発表され、今後の研究や産業応用に向けた一歩となりました。興味深いこの技術の進展に、今後も目が離せません。

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