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芸術っぽい人生コンプレックスが直らない

私は生涯で一度も「芸術に携わった人間」っぽいことをしたことがない。
なんか、美大や専門学校に通うとか、芸術の勉強をして個展を開くとか美術館に通うだとか、そういうのだ。
全然美術の勉強をしたことがない。いや全然はウソだ。高校まで選択授業でやった。大学は経済学部だったのでマクロとかミクロとか簿記(ズタボロ)とかFPやってた。やって全部忘れた。

なんか…

なんかこう…

芸術っぽいこと、してェ〜!!!

という衝動に大体3ヶ月に一回ぐらいの頻度で駆られる。経験せず大人になっても拗らすってこういうことだ。哀れな生き物である。美大コンプレックスはまあまあ落ち着いたがタイトルにある芸術っぽい人生コンプレックスは抱えたままである。成人式出なかった人にとっての成人式のような未練を捨てきれずにいる。

正直個展なんて出そうと思えば出せるはずだ。作品を印刷し、展示会場を予約してフライヤーを印刷して宣伝活動に励めば良い。
わかってんだよ。やり方はわかるんだよ。誰がくるんだよ。全然そっちの見通しが立ってない。
どうせならデザフェスかコミティアで展示ブースを取る方がまだ来客を見込める。

あと世界観を大事にしたアートの描き方がさっぱりわからないのだ。自分の世界観てなんなんだよとこれを書いてる今でも思う。人の書いた仕様書を元にコンセプトアートを描くなら出来るが、自分で考えて描くのはまるで無理だ。私は残念ながらアーティストにはなれなかった。アーティストっぽい人生も送れなかった。絵の具まみれになったのは高校生までで、大学以降はノートパソコンとペンタブだけで生きてた。バイト先と家で絵を描く時間を往復し、合間に大学の授業に行くとかいうギリギリの生活を送っていた。芸術学科のゼミ生が教授とファミレスで語らっている机にポテトとハンバーグ定食を持っていくバイトをしていた。無性に悔しかったのを覚えている。

つらつら描いているが、たぶん私が送りたいのは芸術っぽい青春だったのだと思う。今からでも送れるっちゃ送れるが、なんも将来のことを考えずサークル活動っぽい時間を持つのはもう難しい。この青春よりも他にやりたいことの方が多いからだ。

この優先順位が低いくせにやりてぇ〜!!という気持ちにだけなる衝動ってなんなんだろう。
人生の青い隣の芝なのかもしれない。大方今後も自分はないものねだりで生きていくんだろうなと思う。そんな自分に、合掌。

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